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ソ・ソンドク(ポピュラー音楽評論家)
写真HYBE LABELS YouTube

LE SSERAFIMがアメリカ市場で確実に存在感を発揮したのは「Perfect Night」だ。もちろんこの歌はK-POPの100%英語の歌詞の歌で、Melon月間チャートで1位を記録するなど、韓国のチャートでも異例の成果を上げている。以前BTSの「Dynamite」と「Butter」だけが達成したことのある記録であることを考えると、「Perfect Night」がどれほど幅広い人々に受け入れられたことか。そしてその魅力がアメリカ市場でもゲーム『オーバーウォッチ2』とのコラボなど若干のきっかけを与えられれば、シングル自体に対する関心を呼ぶのに充分だという意味だろう。結果的にSpotifyのアメリカ週間チャート159位を記録して、ストリーミングの潜在力を確認し、それはビルボードHOT100ランクインを目前にした歌を対象にするバブリング・アンダーHOT100で19位に入ることに繋がった。最近K-POPは精巧な振り付けと強烈なサウンドという伝統的な構成でイージーリスニングまたはチル(chill)の雰囲気に転換しており、その変化あるいは少なくとも多様性の拡大を女性グループが主導しているという認識がある。特にイージーリスニングとアメリカ市場での成功事例というキーワードの間に重なる部分が多く見られる。つまり「Perfect Night」は、最近観察された成功の積集合が単純な偶然ではないことを改めて証明したわけだ。

「EASY」は登場から「Perfect Night」を集約しつつも少しちがったストーリーを展開し始める。ラテンポップ、ジャージークラブなどのジャンル的な材料が今回はヒップホップだという認識は、文字通り分類以上の意味はないように見える。それよりは「FEARLESS」、「ANTIFRAGILE」、「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)」、「Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife」などで同世代のK-POP女性グループの中で聴覚的な刺激が強い側に立っていたグループが、「Perfect Night」以降もう少し聴きやすい方向を選んだことのほうがより大きい。だからといって特定のジャンル、特にその中でも最新の流れを積極的に採用する方法を捨てたわけでもない。ヒップホップはそのような転換と維持の交差点から出た結果であり、原因のようには聞こえない。そのためラテンポップのようにエキゾチックだったり、ジャージークラブのようにダンスで説得できる形態ではない。だが「EASY」の感覚的なアレンジとサウンド構成は潜在力があり、「Perfect Night」と同様に時間が少しかかるだけだ。

メッセージの面でも似たような変化を見せる。デビュー以降固持してきた恐れのない強靭さや、自分を好きではない人たちにまで認められなくてもいいという態度が、「私のしている仕事が簡単に見えるとしたら、私がそうやって見えるようしているから」だという自己確信に発展しているという見方ももちろん事実だ。しかしアーティストのインタビュー、SNSへの投稿などを通してわかるように、世の中の残酷さを知りながらも自分をさらけ出すことに決める転換のほうがより際立って見える。つまり「そして簡単ではない」。最近K-POPが見せてきたもう一つの傾向が、伝統的な「ファンソング」程度ではなく、アーティスト自身の情緒をさらけ出すメタ認知、あるいは第四の壁(舞台と客席の間の見えない壁)を壊す姿を見せるという点だ。同時にそのような自己告白により、困難に対する共感を得るのも容易ではない。「EASY」はこの複雑な世の中で取ることのできる微妙なバランスだ。

このように「EASY」は簡単ではない。ポップ音楽としての普遍性は思ったより複雑な悩みを要求する。「EASY」はうまくやり遂げたし、うまくやり遂げている最中に見える。去る2月23日金曜日に合わせた「EASY」の英語バージョン公開後、初週のSpotifyアメリカ週間チャートは117位だ。そしてビルボードシングルチャートHOT100に99位でチャートインした。日本でも週間セールス量10万枚を超えて1位になるなど、K-POPガールズグループの韓国語アルバムとして記録的な数字を記録している。おそらく次は4月のコーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルのステージで、その流れが続けば、この夏私たちが未だ知らなかったLE SSERAFIMを見られるかもしれない。

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