大人と未成年の境界にずっと留まっていたくても、大人という単語がプレッシャーや恐れに感じられても、とにかく前に進んでいく17歳、WOONHAKの話だ。

今日はよく眠れましたか。
WOONHAK:わあ、僕、昨日はYouTubeチャンネル『STUDIO CHOOM』のコンテンツを6時間ぐらい撮っていたので体が筋肉痛です。今回の振り付けは本当に大変なんです。17歳の体力でも脅威を感じています(笑)。

6時間とはとても大変だったでしょうね。その上WOONHAKさんは横になってまた起き上がる振り付けもありますよね。
WOONHAK:一度踊るたびに100m走を3分間やっている感じです。振り付けを最初に見た時は、「一か八かやってみよう。僕たちが上手くやれば勝ちだし、できなければ負けだ」と思いました。スペッドアップ(Sped up)のパートで操り人形のように踊ったり、倒れてからまた起き上がったりもして、TAESANさんのパートの時はマイクを作って歌ったり、僕のパートの時いきなり横になったりする動きです。一度もやったことのないスタイルでもあってすごく難しいので、感覚が掴めなくて。でも、できるまでやっていたらできるようになりました。体が慣れるまで、歌を流すだけですぐに振り付けが出るようになるまで、練習しながらだんだん僕たちのものにしていきました。正直言って踊る時はすごく大変なんですが、ONEDOORがその振り付けを見て、「本当に一生懸命準備したんだな」と思えるようにするためには、そのくらいの努力や情熱はなんてことないなと思います(笑)。

体力の管理も重要だったのでしょうね。
WOONHAK:本当は運動をしなければならないんですが…、もうダンスが運動だと思っています(笑)。人と一緒なら動くのは好きなんですけど、一人でいる時は何かをしようという性格ではないので、運動がすごく面倒で。運動する時間に曲作りをしようという考え方です。

今回のアルバムで新曲6曲中5曲のクレジットに名前が載っていましたね。そうやって曲作りに没頭していたからでしょうか。
WOONHAK:アルバム作りの過程は毎回ちがいます。今回トップラインは作業室でソングキャンプのようにみんなで一緒に作業しましたし、歌詞作りは各自の感性がちがうので、それを活かすほうがいいと思って別々に書きました。一番記憶に残っている歌詞は「So let’s go see the stars」の「あれ? なんだ マイク入ってたのか」なんですけど、マイクがオンになっていると思わずに、相手に「君に今言いたい」、「君しかいない」と叫んでいたんですけど、「なんだ マイク入ってたのか」と言ってすぐに転調して、バンと盛り上がる部分なんです。でもその歌詞は書こうと思って書いたわけじゃなくて、ソングキャンプをしている時ダイナミックマイクで歌っていて、ただ「なんだ マイク入ってたのか」と録音したのがそのままその曲に入りました。

偶然の瞬間が歌詞に溶け込んでいるのですね。
WOONHAK:「l i f e i s c o o l」でも「シャンパンじゃなくて みんな炭酸にして」という部分で、僕はシャンパンが炭酸だと知らなかったんです!(笑) シャンパンはワインみたいなお酒だと思っていて、コーラやサイダーに変えてという意味だったんですけど、ZICO PDが歌詞を見て、「シャンパンも炭酸なのに、炭酸がまた出てくるのは変じゃないかな?」とおっしゃったので、その時「炭酸だったんですか!?」と言いました。歌詞を変えようとしたんですが、その意図がすごくおもしろいのでそのまま使いました。

まさに今のWOONHAKさんだけが書ける歌詞でしたね。
WOONHAK:それが一番重要です。「トントン 誰もいないの? 誰かかまってよ どうしてまた (どうしてまた どうして?)」という歌詞も、僕じゃなければ書けない歌詞なんです。経験がない人だけから出てくる、幼い、ありのままの歌詞ってあるじゃないですか。社会の荒波にもまれて、大人として感じる感情から書く歌詞とは深さが絶対にちがうと思うんです。それで青春を生きている人たちの感性をそのままに感じられるよう曲作りをしました。曲を作る時、今のこの17歳の感性がすごく好きです。ですので、未成年である今を手放したくありません(笑)。

なぜですか。来年になればWOONHAKさんも「今日も僕だけが家に取り残されている」ではなく、メンバーたちと一緒に遊べるじゃないですか。
WOONHAK:その時は本当に大人じゃないですか。それがプレッシャーや恐れに感じられる時もあります。他の方たちも僕に「今が一番良い時だよ」と言うんですが、「僕はまだそれほど楽しめていないような気がするんだけどな」と思いますし、グループの中で最年少なので、成人になったらすぐに他のメンバーたちみたいに大人にならなければいけないような気がして。もちろん軽く考えれば、「車を運転してみたい」というようなことかもしれませんが、僕は大人になった時変わる自分の変化の過程をしきりに考えてしまいますし、それが目の前に見えるようで、プレッシャーに感じられます。

Weverse LIVEで「One and Only」のステージを観た時もずっと、初々しい、青少年期にはすぐに大きくなると言っていましたよね。あの時のWOONHAKさんが今のWOONHAKさんとちがうように、成人になったWOONHAKさんも今とずいぶん変わると思いますか。
WOONHAK:スタッフの方たちにも、今はひたすら子どものような感じではなく、雰囲気も成長したようだと言われます。その言葉は嬉しいんですが、時々ちょっとだけ寂しいです。「あの頃は本当にかわいかった」と思いながらも、その頃に戻ってと言われたら、またそんなにかわいくなりたくはないんです。それといつも背が伸びたのかと聞かれます。背は伸びてないのに! 僕は曲作りをする時の癖でいつも姿勢もちょっと猫背なのに!(笑)

『スターパパ奮闘記!スーパーマンが帰ってきた』では、長男なので、愛嬌があるというよりは謹厳だったと言っていましたよね。家では謹厳なのに、事務所ではかわいいWOONHAKさんだとは!(笑)
WOONHAK:謹厳だというのは、冗談交じりで言ったことなんですけど(笑)。父と母とは友だちのような関係で、祖父と祖母とは話し相手でした。母が、僕が連絡をあまりにしないので心配します。息子たちは、家に帰っても母親のことは考えないで寝ることばかり考えるという特徴があるみたいです(笑)。僕があまりに連絡をしないから心配になるのか、毎日連絡してくれるので、しっかり返事をしています。家が和やかな雰囲気なので僕たち兄妹も仲が良いんですが、みんな不思議がります。ですが、妹が来年中学1年生になるんですけど、今思春期になって大変です(笑)。でも6歳ちがうのでただかわいいばかりです。けんかをしたら負けてあげればいいですし。最近「KCON HONG KONG 2024」の時、妹の誕生日だったのでおめでとうと言って、「お兄ちゃんに買ってほしいものがあったら言って」と言ったら、今日のステージ頑張ってきてというひと言だけ言ってくれました。大人っぽい子なんです。それでステージが終わってから、「プレゼントあげたよ。これでいいよね」とメッセージを送っておいてから、本当のプレゼントは前から欲しがっていたものを買ってあげました。

WOONHAKさんは妹さんが大人っぽいと言いますが、JAEHYUNさんはWOONHAKさんが大人っぽいと、もっとゆっくり大人になってほしいと言っていました。2023 MAMA AWARDSの「Endless Rain」のスペシャルステージの「子どもになるためには大人にならなければならない君だから」という歌詞も、WOONHAKさんのために書いた歌詞だったそうですね。
WOONHAK:JAEHYUNさんが歌詞を書く前に、「今回のMAMAで特別公演をするんだけど、WOONHAKさんがつらい時期を過ごしているから、WOONHAKさんのためにWOONHAKさんの話を書こうと思っているんだけどいいかな?」とまず聞いてくれて、すごくありがたかったです。その時、共働きの両親の代わりに赤ん坊の頃から僕を育ててくれた祖父が亡くなりました。誰かを見送るというのが初めてだったんですが、僕は海外にいたのでお葬式に行けませんでした。祖父が亡くなったのに、ステージで何ともないふりをして笑わなければならず、自分が笑っているということ自体がちょっとつらかったんです。そしてステージが終わって帰ってきてから、葬儀場にある祖父の写真を見てわんわん泣きました。その時JAEHYUNさんが「笑わなくてもいい。泣いてもいいよ。なんでそんなに大人のふりをしようとするの。大人みたいに振る舞わなくてもいい。WOONHAKさんは末っ子なんだから。ステージに出られなくてもいい。だからここにいて」と言ってくれたんですが、その言葉にものすごく涙が出ながらも、とても慰められたのを覚えています。もしできれば、祖父の話をインタビューにぜひ入れてほしいです。

そうしてもいいですか。
WOONHAK:僕は祖父が天国からも応援してくれていると思っています。そしてその当時僕がつらくて落ち込んでいたのにははっきりとした理由があったということ、JAEHYUNさんや他のメンバーたちにとても慰められたので乗り越えることができたということを、ぜひ話したかったんです。帰国してすぐメンバーたちが納骨堂にも一緒に行ってくれました。一番つらかった時期の一つだったんですが、その時を乗り越えられるように、そばにメンバーたちがいてくれました。

WOONHAKさんにとってメンバーたちは大きな存在ですね。
WOONHAK:僕が突破口を探している時や挑戦のスタート地点にいる時、いつもメンバーたちがそばにいてくれました。曲作りを始めた時もTAESANさんがいましたし、ボーカルに自信を持ち始めた時はSUNGHOさんが、ダンスに自信を持ち始めた時はRIWOOさんがいましたし。僕自身に自信が持てるように温かく見守ってくれるのはLEEHANさんで、ラップに自信を持たせてくれたのはJAEHYUNさんでした。JAEHYUNさんがいつも「WOONHAKさんが作った音楽はすごく良いのに、なんでいつも聞かせてくれないの? 僕、本当に好きだよ」と言って自信を持たせてくれたので、それで僕の自作曲を聴かせてあげるようになったという記憶もあります。でもメンバーたちが僕にわざと自信を持たせようとしたわけではなくて、メンバーたちと一緒に暮らして練習している中で、「こうすれば僕もできそうだな、僕も本当に上手くできそうだな」ということから得られる自信でした。

そのすべてのスタートにメンバーたちがいたんですね。
WOONHAK:今は同じグループのメンバーで、一緒にステージをする人たちですが、練習生として最初に入ってきた時、メンバーたちは僕が見て学ぶ人たちでした。僕は本当に初めてでしたし、上手くできないので、「みんなに迷惑をかけないように本当に頑張らなきゃ」とか、「みんなより上手くならなきゃ」という思いで、メンバーたちが面倒くさがるぐらいずっと質問していました。

そうできた理由は何でしょうか。メンバーたちに助けを求めるのも、できないことを上手くできるようにするための過程も、実際ものすごく勇気が必要ですよね。
WOONHAK:僕は本当に欲張りなんです。自分を成長させ続けたいですし、何でもすべて上手にこなしたいです。それでまずぶつかってみて、思った通りにやってみます。結果がそれほどじゃなくても経験から学ぶことがあると思うんです。そうしてこそ失敗を経験してもそれをまた良い結果に変えられるのに、それすら恐れていたら他のことはどうやってやり遂げられるでしょうか。僕は5万人のONEDOORの前で、グラミー賞やビルボードみたいな大きなステージで歌うのが夢なのに、練習室の中で曲一曲、ダンス一つ挑戦することを、新しい曲を書いて人に聞かせることを恐れるのかと言われたら、それはちがうと思うので挑戦し続けます。歌を歌う時も、ライブの練習する時も、「今ONEDOORの前で歌えなかったら、今後他の人たちの前でONEDOORを誇らしくさせてあげないといけない時はどう歌うつもり?」という思いで、いつもまず挑戦してみます。

練習していてダンスがとても嫌になったことがあったけれど、それでもずっと踊っていたこともありますよね。そのような多くの失敗や恐れの中で諦めたくはなかったのですか。
WOONHAK:諦めはそもそもありませんでした。排除の対象です。「すでに始めたのに、なんで諦めるの」、「もう僕は川を渡ったのに。僕が得意な分野で諦めたら、一体どんなことをすればいいの? また最初に戻っても他の人たちより遅れをとるだろうに、どんなことをしようと思って諦めるの?」という考えで、途中で本当につらかったことはあっても、事務所をやめたいとか諦めたいと思ったことは絶対一度もありません。始めた時からただただデビューの夢一つのみでした。ダンスも本当に踊りたくなかったんですが、乗り越えられた理由は、ただ諦めという単語を排除して、メンバーたちと一つのチームになるためにずっと何かをし続けようとする自分がいたからじゃなかったかと思います。そして僕を支えてくれたメンバーたちがいたから最後までできました。

メンバーたちに感謝しているのでしょうね。「率直かつ感謝を忘れないようにしよう」と言っていた分、その感謝を表現したのでしょうか。
WOONHAK:最近はメンバーたちがしょっちゅういたずらをするので、ありがとうと表現する機会がありませんでした(笑)。メンバーたちは変です。ため口で話してと言うからそうしたら、ため口を使わないでと言うんです。でもため口を使わないなんてできないじゃないですか。それは不可能です。それで「嫌ですけど!」と、ため口80%を混ぜた敬語を使いながら、友だちのように過ごしています。メンバーたちは本当に「小学生」のように遊ぶんですが、水をかけたり、シャワーを浴びていたら外で電気を消してからホラー映画の幽霊の音を流して、しきりに「ガタガタ」させたりします。それから、突然登校しないといけないから起きてと言うんです。それで起きたら夜中の2時だったり。本当に幼稚なんです!(笑) 悔しいのが、僕はわざわざ自分からいたずらをしないんですが、メンバーたちがあまりにたくさんいたずらをしてくると、反撃をするんです。でもそれがあまり効きません。いたずらもいたずらなりのノウハウがなければいけないんですが、それがないので。あ、それでも僕は他の人たちに、メンバーたちが優しい人、僕に誰よりも良くしてくれる人たちとして映ってほしいです(笑)。

なぜですか(笑)。
WOONHAK:何しろずっと一緒に暮らしているので、メンバーたちが幸せなら僕も幸せで、悲しかったら僕も悲しいですし、つらかったら僕もつらいんです。ですので、メンバーたちに感謝することは本当に感謝していますが、そのうちそれ以上にいつも助けになってあげたいですし、メンバーたちが頼って寄りかかれる人になりたいです。

なぜ今ではなくそのうちなのですか。
WOONHAK:今は未成年なので。今は楽しんで、大人になったらその時考えます(笑)。

今はちゃんと楽しんでいますか(笑)。
WOONHAK:たくさん笑って、夜ベッドに入った時敢えてたくさんのことを考えなくてもいい一日が繰り返されたらと思います。なぜかと言うと、日常生活で悩むだけでも充分なのに、ベッドに入ってまで考えるのは幸せじゃないかもしれないので。よく寝てよく食べて、周りの人と楽しく過ごして、ONEDOORを見ながら幸せにステージをして、メンバー同士で楽しく幸せに過ごして、笑いながら頑張る人生が、僕にとっては幸せな人生だと思います。

最近はそんな悩みがなく幸せですか。
WOONHAK:僕はでも、最近は本当にたくさん悩んでいます。実はデビューして以降、「どうすればもっと上手くできるだろう。どうすればもっと成長できるだろう。どうすれば歌詞がもっと上手く書けて、ステージを上手くできるだろう。僕がどんな魅力を持っていればいいんだろう」という問いを一日もしない日がないぐらいです。でも毎晩結論を出しても、翌日になるとまた変わります。一日一日がすべてちがうように、悩みに対する答えも毎日毎日変わります。

そうして出したそれなりの結論はありますか。
WOONHAK:僕はなりたいものがとてもたくさんあります。人々といる時は子どもみたいで天真爛漫で、ひたすら明るく見える末っ子ですが、一人でいる時は悩みや考えごとがたくさんあって、まじめな人でもあります。今まさに一人で真剣になる年頃でもあるじゃないですか。アイドルとしては、いたずらっ子みたいで、好きなヒップホップのように悪ガキみたいだったらいいなと思ったりもしますが、ある時は大学に一緒に通っている後輩みたいだったらいいなとも思います。ONEDOORの皆さんが見たら、僕はただ雪だるまみたいで、クマのぬいぐるみみたいですが、僕は一人で「自分はそうじゃないのに! 自分は完全にヒップホップなのに!」と思ったりもしますし(笑)。ですので、出した結論は僕はずっと変わり続けてもいいんだということです。僕はただ僕なので、なりたい今の僕として生きればいいじゃないですか。

Credit
オ・ミンジ
インタビューオ・ミンジ
ビジュアルディレクターマ ッカ―ル, パク・ロクキ(MHTL)
コーディネイターペ・ジアン
プロダクションパートチェ・アラ, イ・ボラム
スタイルディレクティングパートノ・ヒョリン
写真LESS / Assist. イ・スジョン, チョン・ジュンソ
映像チョ・ユンミ, ソ・ユジョン
ヘアホン・ジュンソン, キム・ヘヨン
メイクゴンフィ, キム・イェジ
スタイリストファン・ジンジュ(@HEICH archive)
セットデザインMHTL(@official.mhtl), ク・フィギョン
アーティストマネジメントチームアン・サンヒョン, イ・ヨンジェ
アーティストマネージャーチームパク・ジュンテ, ムン・ギョンテ, パク・ビョンホ, ワン・フィソン, チュ・ヨンソン, ホン・ソンヒョン
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