
『Sana's Special Fridge Interview(SANAのスペシャル・ネンタビュー)』(117)
イェ・シヨン:スターが普段よく食べる冷蔵庫内のアイテムを紹介するトークショー『DEX's Fridge Interview(DEXのネンタビュー)』は、DEXのドラマ撮影に伴い、TWICEのSANAが臨時のスペシャルMCを務めた。SANAの初単独トークショーを祝うため、普段から親交のある芸能人らが相次いで出演し、スペシャルコーナー「What's in my bag?」を加えて、愛用品から分かるリアルなライフスタイルからそれぞれの悩みまで扱うトークショーに生まれ変わった。「(SANAが)すごく上手くこなすだろうと思ってました。普段から共感も本当に上手だし、話もよく聞いてくれるから。実際、MCの一番大きな役割はそれじゃないですか」という(G)I-DLEのMIYEONの言葉のように、SANAは初めてのMC挑戦にもかかわらず、特有の優しい性格と共感力で心地よい雰囲気を導く。一方、ソロアルバムのリリースを控えたTWICE NAYEONのゲスト回はそれまでのゲストとは異なり、トークショーの単独MCとして初めての、メンバー同士ならではの特別なシチュエーションが生まれる。ゲストに対して常におおらかなSANAが、NAYEONを相手に事あるごとに冗談を言ったり叱ったりと、楽しいシーンを演出する。そして、TWICEとして共に走ってきた過去の時間を回想しながら「(私は)寝る前に、TWICEの写真や私たちが抱き合っていたり幸せそうにしている写真を見ると涙が出てくる」と言い、今年でいつのまにか10年目に入ったTWICEの強いチームワークを見せる。
『DEX's Fridge Interview』が、男性MCと女性ゲストの出会いによって生まれるケミストリーに焦点を当てた『Fridge Interview』シリーズのスピンオフだったとすれば、『Sana's Special Fridge Interview』は、同じ業界で働いてきた同年代の女性芸能人らの友情を中心に展開するという点で『Fridge Interview』のテーマを再び拡張する。俳優のシン・イェウンが自分のダンスが話題になったことを恥ずかしがると、「(イェウンは)そのグループが持っている雰囲気を顔で演技」しているのだとコメントし、本業と繋げてトークを盛り上げてみせ、NMIXXのSULLYOONがカップケーキのデコレーションコーナーを上手くこなす姿を見て、「私のオンニ(お姉さん)にならない?」と愛のあふれる称賛をかけるように。SANAの「本当の私そのものの姿を見せられるとき」が最も幸せな瞬間だという言葉通り、SANAの愛らしいエネルギーで相手が「本当の私の姿」を見せられるようにする、あたたかいトークショーだ。

『インサイド・ヘッド2』
チョン・ソヒ(映画ジャーナリスト):『インサイド・ヘッド』(2015)は悲しみをポジティブに解釈しようとする安直さの代わりに、黄色い体の「ヨロコビ」の髪色がなぜ「カナシミ」の青なのかをようやく納得させ、悲しみの性質そのものを肯定した。『インサイド・ヘッド2』は13才のライリーの感情をコントロールする「司令部」に突如入ってきた「シンパイ」、「ハズカシ」、「ダリィ」、「イイナー」が繰り広げる成長の大騒動を描く。信念と自我が芽生えたライリーを新たに指揮しようとする「シンパイ」は、オリジナルメンバーであるリーダー「ヨロコビ」をはじめとする「カナシミ」、「イカリ」、「ムカムカ」、「ビビリ」を抑圧する。あらゆるネガティブな可能性を導き出し、アイスホッケーの有望株ライリーの進路を妨害しうる要素を根こそぎ摘んでしまいたい「シンパイ」の熱意は、徹底して実利を追い求める。まるで悪党のように。映画は、感情たちのありのままの同時多発によって、思春期の矛盾を描く。ライリーが感じる「心配(=シンパイ)」の究極は自己卑下にあり、「悪い記憶」を全て放り投げてきた「ヨロコビ」の使命は、ライリーが「よき人間」になるようサポートすることだ。しかしライリーは、これら両端の狭間で変化を続ける。ニューフェイスたちの登場は、斬新な続編の誕生にはつながらなかった。『インサイド・ヘッド』シリーズの必然は、「私」という消失点にほかならない。「私」のすべての感情が、「私」には聞こえないデシベルで、「私」のためにすべての瞬間、力を尽くす。どたばたの末に妙手を繰り出す騒々しくて静かな愛を、もう一度スクリーンで覗き見るとしよう。

「Vintage」 - Moses Sumney
カン・イルグォン(ポピュラー音楽評論家):RMのニューアルバム『Right Place, Wrong Person』は、音楽そのものの完成度だけでなく参加アーティストらも興味深かった。まさか、リトル・シムズ(Little Simz)やモーゼス・サムニー(Moses Sumney)とは。以前より、RMが話題性よりも独自の音楽世界がはっきりしたアーティストとの制作を好んでいる印象は受けていたが、本当に予想もつかないフィーチャリングだった。特にモーゼス・サムニーは、頻繁なリリースがあるわけではないので特に喜ばしかった。奇しくも彼のニューシングルがリリースされた。タイトル「Vintage」は、歌に収められたストーリーとプロダクションの両方を代弁している。パターンの変奏を経るドラム、その上に美しく乗ってメロディーを作っていくピアノ、一音一音がきらめくシンセサイザーが調和したプロダクションはローファイ(lo-fi)の質感で仕上げられ、モーゼス・サムニーはファルセットを自在に操りながら、かつてのように戻らなければと感じる愛を歌う。さらに、彼が監督したミュージックビデオには、1990年代半ばのR&Bビデオの核心となる要素がすべて盛り込まれている。(ブラック)レザーファッション、豪邸でのパフォーマンス、雨の中での情熱的なシークエンスなど。ネオソウルとオルタナティブR&Bを貫く音楽や、過去への郷愁を呼び起こすミュージックビデオの組み合わせが、えも言われぬ感興を生む。ちなみに「Vintage」のミュージックビデオは、まだリリースされておらず一度も使われたことのないコダックのフィルム・ストックで撮影されたというのだから、いっそう興味深い。モーゼス・サムニーは、まさに全方位的な芸術家だ。音楽のみならずモデルとしても活動し、映画の演出も手掛ける。さらに、年末にはA24による話題のホラー作品『MaXXXine』(ミア・ゴス主演)でスクリーンデビューも予定されている。RMの「Around the world in a day」で彼のボーカルを聴いて興味が湧いた者にとって、この溢れる芸術的才能を持ったアーティストを余すことなく感じられる、またとない機会になるだろう。