『Nothing Much Prepared EP.25』　
ペ・ジアン：イ・ヨンジの『Nothing Much Prepared（原題：もっとつまらないものですが）』、略して『チャヂップル』が370日ぶりに帰ってきた。今回の『チャヂップル』は昨シーズンとは異なり、イ・ヨンジの部屋ではなく、番組のために借りた田舎の一軒家で展開する。「プロとは変化を恐れないもの」とイ・ヨンジが叫んだ後に出てくる「ご配慮をいただきました住民の皆さんに改めて感謝をお伝えします」という字幕は、イ・ヨンジが『チャヂップル』で見せる態度そのものだ。アルコールを楽しみながらゲストとのリラックスした会話をリードし、時には自ら「道化」を自称しながら『チャヂップル』に関わる全ての人に細やかな配慮を忘れない。「好きな誰かのお気に入り動画になったり、新しく誰かを好きになるきっかけの動画を作ること」、そう彼女自身が語った制作趣旨の通り、『チャヂップル』を見れば全てのゲストのことを好きになるだろうという信頼感の理由がそこにある。LISAも、デビュー8年目にして初めて出演するYouTubeバラエティーに『チャヂップル』を選び、イ・ヨンジとのトークを通じて彼女がなぜ曲のタイトルさながらの世界的な「ロックスター」になったのかに始まり、コーチェラで見たロザリアのステージに魅了されてコラボレーションのオファーをしたというエピソードまでリラックスして語る。またイ・ヨンジは、同業のアーティストたちがゲストにやって来ると、毎回彼らの助言を求める。彼らにも人知れぬ苦労があったのか、あったとすればどうやって克服したのか、あるいは現在どうやって克服しようとしているのか。トークショーMCのイ・ヨンジとしてではなく、後輩アーティストのイ・ヨンジとして投げかけるこの問いは、いつもゲストたちの真心のこもった助言を引き出す。コーチェラ当時、緊張のあまりステージ上で固まってしまったLISAは、BLINK（BLACKPINKのファンダム名）の姿とピョン棒（BLACKPINK公式ライトスティックの愛称）を探したと語る。「私はファンに励まされています」という彼女の言葉がありきたりに響かない理由は、同じアーティストとして彼女を心底リスペクトし、彼女の経験に関心を持つ後輩アーティスト、イ・ヨンジによる心からの問いにあるはずだ。

「Jealousy 31℃」 - Trampauline
ナ・ウォニョン（ポピュラー音楽批評家）：300メートルの摩天楼「ザ・シャード（The Shard）」は、ガラスの破片を思わせる形でロンドン橋の端にそびえ立ち、大都市を見下ろしている。そんなザ・シャードに反射した光が獣の目のように輝く写真の破片が、Trampaulineが新たにリリースしたEP『The Shard Will Find Me』のジャケットに刻まれている。ザ・シャードが晴れ渡った空に重なる姿、あるいは青を突き破って出てきたかのような姿は、様々なサンプルの質感、特にアナログ楽器の柔らかな色彩でできたサウンドと妙な対比を見せる。2018年に移住し、南ロンドンの郊外で暮らしてきたチャ・ヒョソンは、ここで経験し、感じたことを4つの曲に収めたが、表題曲の「Jealousy 31℃」は嫉妬の（相対的に生ぬるい！）温度をテーマにしている。陽炎が淡く揺らめくようなベースグルーヴがループを続けて土台を築くと、その上にはトロンボーンやシンセサイザー、時には電子的な雑音まで混じりあった多様な音の彫刻が緻密に立てられる。フェンダー・ローズ・ピアノ特有の丸みを帯びた輝く音色が随所に挟まれて晩夏の夕暮れのようなぬくもりを添え、そこに、歌唱が繰り返されるリズムに合わせて一つの旋律を何度も口ずさみながら屋根を載せていく。ミニマルな空間と小さな素材であっても、熟練した建築業者のように精巧で密度の高い音響を積み上げる感嘆すべき設計の腕前は、Trampaulineの前作にもすでに見ることができた。しかし「Jealousy 31℃」やこのEPが9年ぶりのカムバックだという事実以上に感激した理由は、実力のある3人組構成と繊細なプロデュースによって雄大で緻密な壮観を聴かせてくれた金字塔『MARGINAL』の構造を、ぐっと小さくしたスケールでも十分に内蔵しているように聴こえるからだ。これに加えて、周辺の人々の立場で世界の周辺部を捉える視点もまた、前作から続いているように見える。あちこちで採集した音を細やかに散りばめる手法はこの視点とぴったり噛み合っており、一方で「Melody Gold」といったTrampaulineの初期作品とも自然に繋がるかもしれない。したがってタイトルが憂うように、遠くから我々を睨んでいるようなザ・シャードがいつかこちらを見つけても問題ない。Trampaulineにはザ・シャードにも劣らない「マーヴェラス」な建築物があるのだから。