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先週2位で初ランクインしたバッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』が1位になった。2020年以降、バッド・バニーは4枚のアルバムで相次いで1位を獲得した。本作は、一般的に新譜を公開する金曜日ではなく日曜日に発売されており、2日間を除く最初の5日間の活動だけが初週の成績に反映され、2位を記録した。週間成績は、先週の12.2万ユニットから今週の20.3万ユニットと67%増加した。これは2日間を追加して期待できる算術的な平均40%より多く、初週以降通常消費が減少することを勘案すると、さらに驚くべき数字だ。
部門別成績を見ると、ストリーミングが大部分で2億6,403万回、19.5万ユニット相当だ。ストリーミングトップアルバムチャートで2週目の1位。アルバムセールスは7,000ユニットで、トップアルバムセールスチャート8位だ。週間アルバムストリーミング2.6億回は、最近のケンドリック・ラマーの『GNX』が記録した3.8億回以降最も多い。参考までに、ラテンアルバムでストリーミングの最高記録を持つバッド・バニー本人の前作『Un Verano Sin Ti』は初週3.6億回、2週目に大きく減少し1.8億回だった。『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』の2週目の成績を高く評価するもう一つの理由だ。
今週の2位はテイラー・スウィフトの『Lover (Live From Paris)』で、最近レコードで再発売され、チャートにも再登場した。週間成績は20.2万ユニットで1位とわずか1,000ユニット差だ。アルバムストリーミングがなく、すべてレコードとデジタルダウンロードアルバムでの販売だ。トップアルバムセールス1位で、テイラー・スウィフトの15枚目の1位だ。これはジェイ・Zの1位アルバム14枚を上回る最多記録だ。アーティスト公式ホームページでのみ注文を受け付けたレコードセールスは16.1万枚。これは2020年代に発売されたライブアルバムのうち最高の成績で、ライブアルバムのレコードセールス量としては歴代最多レベルだ。テイラー・スウィフトの18枚目のトップ10アルバムだ。ライブアルバムとしては2023年の『folklore: the long pond studio sessions』以降2枚目だ。
上位圏は先週と同じような順位だ。SZAの『SOS』は、ここ数週間最上位圏がめまぐるしく変わる中でも安定して3位を維持している。週間成績は10.2万ユニットだ。ケンドリック・ラマーの『GNX』も先週と同じ4位。5位は先週1位で初ランクインしたリル・ベイビーの『WHAM』だ。
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レディー・ガガとブルーノ・マーズの「Die With A Smile」が3週連続1位をキープしている。ブルーノ・マーズは37週1位で、マイケル・ジャクソンのソロ活動記録と同じ、歴代8位。そのすぐ上はビヨンセの46週1位だ。ラジオソングスチャート2位、デジタルソングセールス3位。ストリーミングソングスチャートで2週連続1位を記録した後、今週は3位だ。「Die With A Smile」のストリーミング成績自体は先週より4%増加した。より大きな理由はバッド・バニーだ。
バッド・バニーのアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』の活動が一週間びっちり詰め込まれ、HOT100とグローバル200でも頭角を現した。HOT100ではトップ10に3曲がランクインしている。2位「DtMF」、3位「BAILE INoLVIDABLE」、8位「NUEVAYoL」だ。バッド・バニーはトップ10ヒット曲を全部で15曲持っている。そのうちスペイン語の曲は13曲で、それはすべてのアーティストの中で英語以外の曲でトップ10の最多記録だ。「DtMF」はストリーミングソングスチャート1位だ。グローバル200では「DtMF」が先週の12位から1位に急上昇し、バッド・バニーの5曲目の1位曲となった。これはテイラー・スウィフトと並んで、ソロアーティストとして最も多い記録だ。すべてのアーティストの中ではBTSが7曲で一番多い。今週のトップ10のうち5曲がアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』からだ。バッド・バニーの歴代トップ10は24曲。それはドレイクの35曲、テイラー・スウィフトの33曲に次ぐ。
ROSÉとブルーノ・マーズの「APT.」は先週と同じ5位だ。デジタルソングセールスチャートは先週の2位から1位だ。ROSÉはK-POP女性アーティストとしては初の1位だ。グループ活動ではBLACKPINKの「How You Like That」と「Ice Cream」がそれぞれ2位まで上がったことがある。
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テイラー・スウィフトのアルバム『Lover (Live From Paris)』が立てた今週の記録には事情があるようだ。ストリーミングとCDがなく、レコードとデジタルアルバムのみだ。そこには思ったより複雑な歴史がある。テイラー・スウィフトは2019年『Lover』発売直後、アルバム購入イベントを通して選ばれた約2,000人のファンを対象に、フランスのパリで都市の愛称を借りて「愛の都市(City of Lover)」という特別な公演を行った。その後予定されていたツアー「Lover Fest」はパンデミックにより中止され、「City of Lover」は『Lover』の唯一の公式公演記録となった。テイラー・スウィフトが公演に復帰したのは2023年3月の「The Eras Tour」だ。
「City of Lover」のライブは2020年アメリカABCで放映されたが、全部で16曲のセットリストのうち『Lover』の収録曲8曲だけが公開された。その8曲は放送と同時に個別のデジタルシングル及びストリーミングでもリリースされた。実物アルバムは2023年、公式ホームページで限定版レコードとして初めて販売され、ビルボード200で58位にランクインした。当時購入可能なレコードの枚数は1.3万枚と言われている。まだパンデミックの余波が残っている時期に、正規作でもないレコードの生産余力には限界があっただろうし、おかげで2023年バージョンはテイラー・スウィフトのアルバムの中でも最も希少なアイテムとなった。
そしてついに2025年1月7日、公式ホームページは72時間限定でレコードを販売した。だが、全数完売まで1時間とかからなかった。今週のチャート成績集計の最後の日である1月16日には、たった6時間だけデジタルアルバムを追加販売した。したがって、今週の『Lover (Live From Paris)』の成績は、限定版レコードの出荷とデジタルアルバム販売の実績を合わせたものだ。このアルバムのすべてのトラックはストリーミングで聴くことができるが、すべてシングル形式で、アルバム『Lover (Live From Paris)』のストリーミングバージョンはないため、アルバムストリーミングの実績もない。もしストリーミングサービスにアルバムまで配信して、その成績を加えたらバッド・バニーを抑えて容易に1位アルバムを追加しただろう。
しかし、このアルバムの価値はチャートの順位や希少性だけで語ることはできない。パンデミックで中断されたツアーから歴史的な「The Eras Tour」まで、そして「Cruel Summer」に代表される、一時は失敗したと思われたアルバム『Lover』の復権に至るまで、『Lover (Live From Paris)』は、テイラー・スウィフトのファンであればその意味は格別なことはまちがいない。パンデミック以降、新たなアルバムと過去のアルバムの再レコーディングと「The Eras Tour」が相次いで行われる中でも、テイラー・スウィフト本人も、ファンもそれを忘れなかった。そうしてあるアルバムは発売そのものが愛の祝祭(Lover Fest)になる。
ROSÉとブルーノ・マーズの「APT.」はHOT100入り13週目で、今週も5位だ。ストリーミングソングス9位、デジタルソングセールス1位、ラジオソングス11位。ラジオの成績が増え続ける傾向にある中、HOT100のさらなる上位はまだ可能性がある。アルバム『rosie』はビルボード200入り6週目で17位。K-POP女性ソロアーティストの最長記録だ。6週目の順位でK-POP歴代最高記録。トップストリーミングアルバム19位、トップアルバムセールス11位だ。ROSÉはアーティスト100で25位。
JIMINの『MUSE』はビルボード200入り26週目で119位。K-POPソロアーティスト最長記録だ。「Who」はHOT100入り25週目で41位。ストリーミングソングス29位だ。デジタルソングセールスチャートに23位で再登場している。JIMINはアーティスト100に69位で再登場している。
Stray Kidsの『合 (HOP)』はビルボード200入り5週目で80位だ。トップアルバムセールス5位。Stray Kidsはアーティスト100で32位だ。
トップアルバムセールスでTWICEの14thミニアルバム『STRATEGY』(EP)12位、ENHYPENの『ROMANCE:UNTOLD』14位、ATEEZの『GOLDEN HOUR:Part.2』(EP)46位だ。
エマージングアーティストチャートでILLITが26位。
グローバル200でのK-POPアーティストの成績は次の通りだ。
- 21世紀を揺るがした音楽2025.01.20
- レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ、20週ぶりの1位2025.01.13
- SZAの帰還2025.01.09