「ファンによる、ファンのためのポッドキャスト」を掲げたスペイン語ポッドキャスト「TODO EN EL VERSO」と英語ポッドキャスト「POD IN THE VERSE」が今年3月から週1回公開されている。HYBE Latin Americaとグローバルファン・プラットフォームWeverseが共同制作した両ポッドキャストは、アーティストとコンテンツを捉える多様な視点はもちろん、ファンクリエイターやK-POP業界関係者のリアルな話を盛り込んでいる。ポッドキャストの進行役兼企画者のシシー(Sissi)とクリスマリー(Chrismaly)に、現在のK-POP産業においてファン中心のコンテンツが必要だと思った理由と、これを通じて伝えたいことについて聞いた。
ポッドキャスト「TODO EN EL VERSO」と「POD IN THE VERSE」のファシリテーターとしてお二人の簡単な自己紹介をお願いいたします。
シシー(Sissi):私の名前はシシー(Sissi)です。私は台湾移民家庭に生まれて、アルゼンチンで育ちました。小さい頃から私は学校のほぼ唯一のアジア系生徒で、時々疎外感を覚えました。そんな私に自分のアイデンティティを誇りに思わせてくれたのは、K-POPだけでした。K-POPは、私がアイデンティティを隠さずそのまま受け入れられる安全な空間を作ってくれました。アジアのアーティストが彼らの才能とスタイル、そして個性によって愛され、認められる姿は、私を取り巻く固定観念から私を解放させてくれました。
私とK-POPの出会いは、SUPER JUNIORのコンサートから始まりました。当時、韓国語や歌詞を理解はできませんでしたが、その経験から深い感動を覚えて、公演が終わる頃には涙を流していました。その瞬間は今でも私の心の中に強く残っています。なぜなら、そのときにK-POPは単なる音楽ではなく、言語を越えた感情のつながりだと気づいたからです。当時SUPER JUNIORのコンサートで感じたその感情を忘れずに大切にしたいです。
クリスマリー(Chrismaly):私はクリスマリー(Chrismaly)です。ドミニカにルーツを持つアメリカのヒスパニックで、K-POPのファンです。アメリカ育ちで、常に多様な文化と関心事に囲まれていましたが、K-POPは私が自分で見つけた最初の情熱でした。この13年間さらに深まったK-POPへの愛は、最終的に私を家族が誰一人行ったことのない場所、韓国に導きました。K-POPのおかげで、世の中にどれだけ広い世界が存在するのか、そして音楽がどのようにして世界中の人々の心を一つにつなげるのか、知ることができました。私がK-POPに初めて触れたのは、高校時代に偶然目にしたYouTubeからでした。その関心が自然に韓国という国に対する好奇心につながり、最終的には韓国で数年間直接暮らしながら働くほど深い愛情につながりました。

このポッドキャストを始めたきっかけは何でしょうか。Weverseとはどのようなシナジーを期待されたのかも伺いたいです。
クリスマリー(Chrismaly):私たちがK-POPについて初めて知った当初は、ファンコミュニティとつながる方法が多くありませんでした。ほとんどのファンクラブはアジアに基盤を置いていて、現地の電話番号やメールアドレスが必要だったので、結局YouTubeのコメントやTwitter、ファンブログなどを通じて自分で別の方法を探さなければなりませんでした。そうするうちにファンダムがますます大きくなり、私たちと同じ経験をする他のグローバルファンがつながり合えるようにサポートしたいという気持ちが生まれました。
シシー(Sissi):私たちのポッドキャストに合うプラットフォームがWeverseだと思った理由は、アーティストとファンを一つにつないで、ファンが自然に没入できる空間を作るというWeverseのミッションが、私たちの追求する目標と正確に一致したからです。地球の反対側でK-POPに触れながら成長する間に、私は時々信頼できないウェブサイトに投稿されたクオリティの低いコンテンツに頼るしかありませんでした。そんな環境では、アーティストと深くつながることが容易ではありませんでした。そこで、このポッドキャストを通じて、伝統的なメディアから時には疎外されていた世界中の熱心なファンコミュニティとK-POPの隔たりを埋めたいと思いました。アクセシビリティと包容性を重視するWeverseの哲学は、この隔たりを埋めてファンに心から楽しんでもらえるコンテンツを提供するのに最適なプラットフォームでした。
クリスマリー(Chrismaly):何よりも私たちは「ファン中心」という哲学を最も重視します。ファンが本当に聴きたいと思うコンテンツを提供し、お互いの話を共有しながらコミュニティを形成できるプラットフォームを作ることが目標です。好きなアーティストについての話やK-POP業界内のキャリアについての話、ミュージックビデオの解釈など、どんな話題でも私たちのポッドキャストの中には語り合える空間とリスナーがいます。
ポッドキャストは英語バーションの「POD IN THE VERSE」とスペイン語バージョンの「TODO EN EL VERSO」の2種類で制作されています。この2言語でポッドキャストを制作されたきっかけは何でしょうか。
クリスマリー(Chrismaly):Weverseがラテンアメリカのファンと本格的にコミュニケーションを始めた今、私たちはこの地域初の公式ファンポッドキャスト「TODO EN EL VERSO」に参加できたことを誇りに思います。このポッドキャストの制作には、世界的なファンダム文化の形成に貢献した人たちが関わっています。そして、世界の英語圏のファン向けにすでに数多くのポッドキャストがありますが、私たちの英語ポッドキャスト「POD IN THE VERSE」は、ファンの声と体験を中心に彼らが主人公になれる空間を作っていきたいと思います。
シシー(Sissi):私たちは各チャンネルのリスナーにとってどんなコンテンツが共感できるものなのかにフォーカシングしています。両ポッドキャストのフォーマットは似ていますが、各コミュニティに合わせてテーマを細かく調整しています。「TODO EN EL VERSO」では、ラテンアメリカでK-POPがどんなふうに消費されているのかを重点的に取り上げています。ポッドキャストをメキシコで撮影するので、現地でK-POP産業に貢献してきた方々をゲストとしてお迎えします。業界関係者や熱心なファンなど、それぞれの視点と体験をシェアできる方々をですね。一方、「POD IN THE VERSE」では、K-POP全般の幅広いグローバルトレンドにスポットを当てて、世界中のリスナーの共感と興味を集められるようにしています。それぞれのリスナーの関心事に合わせてコンテンツを調整することで、両ポッドキャストともに没入度が高く有意義な体験を届けられるように企画しています。単純にコンテンツを翻訳するレベルを超えて、ファンが自分の言語で理解されていると感じられる空間を作ることが大事です。

「POD IN THE VERSE」と「TODO EN EL VERSO」はどちらも「ファンによる、ファンのためのポッドキャスト」を目指しています。昨今のコンテンツ環境でこのようなアプローチがなぜ必要だとお考えでしょうか。
シシー(Sissi):昨今のコンテンツ環境でファンは、単なるおもしろさだけを求めていません。コンテンツの向こう側にいる人たちとつながりたいと思っています。私たちのチームがファンクリエイターをよくご紹介している理由も、彼らがファンアート、イベント企画、その他さまざまな創作活動を通じてK-POPコミュニティに特別な価値を与えてくれるからです。このような話をすることで、ファンがK-POP文化の重要な一部だということを認識してもらって、他のファンも思い思いの方法で表現したり参加したりできるようになってほしいと思っています。そのために、私も自分のオーディション経験といった個人的な話をしています。K-POPは単なる音楽を越えて、ファンになる過程やアイドルを目指す過程で向き合う夢や挑戦、経験からなる世界だということを見せたかったです。私のようにアイドルを目指していたファンもたくさんいるはずです。その夢が変わっても大丈夫だと伝えたかったです。
クリスマリー(Chrismaly):私たちは、ファンが公式チャンネルからはなかなか知ることのできない、でも気になる話とは何か、常に悩みます。オーディション経験やビジュアルストーリーテリング、K-POP産業内の多様なキャリアの話など、さまざまなテーマを取り上げることで、より幅広い関心事を持っているリスナーとコミュニケーションし、彼らがこの新しい世界をもう少し覗き込めるようにサポートしています。私たちの目標は、ファンダムのいろんな面をありのまま見せて、その中に存在する体験の見事な多様性に目を向けてもらうことです。私たちのゲストの中には、直接自分だけのK-POPマガジンを作った方や短編映画を制作した方もいますし、YouTubeチャンネルやポッドキャストで自分だけのコミュニティを作った方もいます。そういったいろんな分野のクリエイターを招待することで、ファンのそれぞれの関心事と才能を披露できる空間がK-POPコミュニティに、さらにはこの産業の中にも充分存在するということを示したいです。K-POPは、誰かにとっては創作の道になったり、他の誰かにとっては特定の分野で自分の情熱を発見できるきっかけになったり、多くの人にとってはコミュニティになってくれたりします。この空間は私たち皆のためのものですし、もし私たちがこの情熱を自分の愛することに注ぎ込むとすれば、無限の可能性が広がると思います。
今まで収録したエピソードの中で特に印象深かった会話があれば教えてください。
シシー(Sissi):私が本当に印象深く覚えているエピソードの1つは、「TODO EN EL VERSO」で現地のK-カルチャーポッドキャスト「エントレ・チングス(Entre Chingus)」のお二人とご一緒したエピソードです。そのエピソードが印象深かった理由は、ただ韓国の文化を語るのが好きでポッドキャストを始めたクリエイターのお二人と心から通じ合えたからです。お二人はラテンアメリカ地域においてK-POPがより自然に受け入れられるようにした数多くのクリエイターの中の1組でもあります。彼女たちの話を聞いて、このようなプロジェクトを現実のものにするためには、どれだけ大きな情熱と勇気が必要なのかを改めて思い知らされました。そしてファンが皆で集まってK-POPを存分に楽しみ、つながる空間がどれだけ大事なのかも感じました。彼女たちのこれまでの道のりを聞いて、私のようなファンがK-POPをより身近に感じ、親しみを持てるようにしてくれる、このようなクリエイターがいることに深く感謝するようになりました。
クリスマリー(Chrismaly):私が参加した全エピソードの中で一番長く記憶に残っている会話は、ウェブトゥーン『Lost In Translation』の作家ジョリー(Jjolee)さんとの話です。K-POPと大好きなアーティストへの愛が彼女をクリエイターの道に導くまでの過程と、時間が経つにつれてその道のりの中で自分だけのコミュニティに出会い、最終的には昔の自分にインスピレーションを与えてくれたそのアーティストにまたインスピレーションを与えるようになったという話には本当に驚きました。それはつまり、私たちの大好きなアーティストもまた、私たちと同じく真のつながりを求めているというわけだと改めて感じました。そして、私たちがK-POPという文化に対する純粋な愛情を自分の才能と組み合わせれば、いつかは私たちが作った何かが、逆に私たちが大好きだったアーティストにまたインスピレーションを与えるかもしれないと思いました。

マガジン『HIT!』の編集長キャロル・スタインハート(Carol Steinhert)さんや映画『ソウル・スイッチ(Seoul Switch)』の監督リアン・ケイ(Liann Kaye)さんとの会話のように、一部のエピソードでは時々K-POPにまつわる体験が個人の人生にどんな影響を及ぼすのかについての話も出てきます。このようにミクロ的ながらも踏み込んだ個人の話から何を伝えたかったのでしょうか。
シシー(Sissi):リアン・ケイさんとのエピソードで、私は私がその映画にどれだけ深く共感したかについて話しました。その映画の中の人物たちは同じ見た目をしていますが、それぞれの文化でどう思われるのかによって全然ちがう経験をします。ある人物がアメリカでは「不細工で愛されない人」と思われる反面、韓国では同じ容姿の人物が「最もハンサムな男」として評価されたりもします。見た目は同じでも、彼らが自分自身を見る視線と周りの反応はまるでちがっていました。その設定は、私の子供時代の経験と深く通じ合っています。小さい頃、私は周りとはちがう見た目を理由に、時々自分は共同体に受け入れてもらえないと感じていました。私の文化や食についても、人から違和感を抱かれていました。しかし、K-POPは私のアイデンティティを肯定してくれました。リアンさんやキャロルさんの話は、K-POPでも、他の何でもいいんですが、何かに対する情熱が「ちがう」という感情を力に変えられるということを示します。彼女たちの話は、それぞれの固有の経験こそが私たちを特別にするんだという事実を教えてくれました。そして、そんな経験が最終的には私たち自身はもちろん、私たちの属している共同体においても有意義な何かを生み出させるんだという希望もですね。
クリスマリー(Chrismaly):こんな話をすることで、私たちはファンがこの文化に対する情熱を土台に、彼らの愛するこのエコシステムに貢献できるようインスピレーションを与えたいと思います。キャロルさんのこれまでの道のりは、どんな始まりでも決して些細なことではないということを示しています。単なる好奇心から始まった関心が友達にダンスを教えることにつながり、その後はジャーナリズムの経験を活かしてK-POPを自分のコミュニティにより身近なものとして発信することにまで拡張されました。今、彼女はブラジル最大手K-POPマガジンを運営しながら、引き続きより高い目標に挑戦しています。リアンさんの場合には、すでに成功した映画監督でしたが、K-POPのファンのためのおもしろい話を作りたいというインスピレーションが湧きました。彼女は長いキャリアの中で磨き上げてきた力量をもとに、世界的に注目される短編映画を制作し、今はその作品を長編映画に拡張することに励んでいます。この2つの驚くべき話からファンはK-POPに対する自分たちの情熱がどれだけ多くの可能性を切り開けるのか、知ることができると思います。そして、自分の属している共同体のために真心のこもった何かを生み出せる道がきっと存在するということもですね。
ポッドキャストで、KATSEYEのDANIELAさんやHearts2HeartsのCARMENさんのようにK-POPでデビューした特定の国出身のアーティストの話を取り上げてきました。いろんな国籍のアーティストがK-POP産業に加わっていることが皆さんにとってはどんな意味を持つのでしょうか。そして、このような話を紹介することでリスナーに伝えたい価値やメッセージは何でしょうか。
シシー(Sissi):いろんな地域出身のアーティストがK-POP産業に参加する姿を見るのは、本当に大きなインスピレーションを与えることです。これはK-POPが真のグローバル文化になっていて、才能は特定地域に限られたものではないということを示しています。結局、大事なのは、実力、情熱、努力、そして根気ですから。さまざまな背景を持つアーティストの登場は、文化の障壁を壊してK-POPをより包容力のある空間にしてくれます。出身地とは関係なく、誰もがこの産業の中で自分の居場所を見つけることができるということを示す事例です。このような話を通じて、私たちはK-POPが皆のための空間だというメッセージを伝えたいです。K-POPは自分の夢を追う話で、チャンスはきっとあると信じる話です。たとえその道のりが予想とはちがう形で繰り広げられるとしてもですね。私たちはリスナーがそれぞれの夢に向かって進んで、私たちの取り上げるアーティストのように成功できる潜在力を誰もが持っていると信じられるようにインスピレーションを与えたいです。
クリスマリー(Chrismaly):かつて韓国以外の地域の人にとってはずいぶん遠く感じられていたこの産業で、このように才能のあるアーティストたちが夢を叶える姿は、私に本当に大きな慰めとインスピレーションを与えてくれました。特に、私と同じアメリカのラテン系ヒスパニック出身のKATSEYEのDANIELAさんのような人がこの道を目指して、自分の才能を発揮しながら成功する姿を見ると、なおさらそうです。13年前、私が初めてK-POPを知った頃は、私たちのような人がその場所に立つ姿を見ることになるとは想像もしていませんでした。それなのに、今このように現実になったのを見て本当に嬉しいですし、これからもより多くのグローバル人材が私たち皆の愛するこのジャンルに加わってほしいと願っています。私たちはリスナーの皆さんに居心地の良さだけでなく、自分の好きな方法でこの文化を表現してチャンスを掴めるほど深い感動を感じてほしいです! それがブログに投稿することでもいいし、YouTubeチャンネルを作ることでもいいし、友達に見せるダンスを覚えることでもいいし、はたまたいつか直接オーディションを受けることでもいいので、彼らがファンダムに励まされて自分の夢に向かって走っていけるように心から応援しています!
1つの国で生まれたジャンルが、今では英語とスペイン語のコンテンツから発信されているということは、K-POPが現在、世界的にどれだけ重要な位置にあるのかを象徴的に物語っていると思います。K-POPがこのようなさまざまな背景を持つ人から深い共感を得られる強力なジャンルになった理由は何だとお考えですか。そして、そういう思いが皆さんのポッドキャスト制作や進行において、どんなふうに影響したのかも気になります。
クリスマリー(Chrismaly):私がファンとして過ごしたこの13年間を振り返ってみると、K-POPはいつもファンにとって安全でリラックスできる空間になってくれたと思います。人生でどんなことが起こっても、心地よく過ごしながら今この瞬間を楽しめる空間をですね。K-POPは私を慰めてくれる音楽を聴かせてくれて、新しいサウンドと文化に心を開かせてくれて、目先のことだけに囚われてはならないと気づかせてくれました。一時的な関心にとどまるだろうと思っていたこの文化が、前は想像もしていなかったような大切な友情と人生の真実の瞬間を与えてくれました。そのような思いをもとに、私たちはその感情を守り、さらに強くしていくために2つの配信を制作、進行しています。ファンがつながり合い、尊重され、より大きな何かの一部になったと感じられる空間を作るためです。たとえ2つのポッドキャストの重点は異なるとしても、目的は一緒です。K-POPのファンダムという巨大な宇宙を構成するコミュニティにスポットを当ててつながることです。
シシー(Sissi):K-POPが世界的に共感を得ている理由は、ただ音楽のためだけでなく、そのすべての体験が1つの文化になったためです。ビジュアル、ストーリーテリング、パフォーマンスが1つに合わさって、その人の出身がどこなのかとは関係なく、誰もが感情的に深くつながるようにしてくれます。アルゼンチンで台湾系の両親のもとで育つ中で、私はK-POPが私の人生の中心になるとは想像もしていませんでした。ですが、K-POPは私のアジア的なアイデンティティとラテン系のアイデンティティを両方ともに包容できる唯一の空間でした。このジャンルの多様性と包容性は、誰もが所属感を覚えられる空間を作ってくれます。たとえファンがアーティストと同じ言語を使っていなくてもですね。このような思いこそが私たちのポッドキャスト制作、進行におけるコアな価値です。ファンがどんな背景を持っていようと、私たちの会話に参加できていると感じてもらいたいです。そのために私たちは「POD IN THE VERSE」と「TODO EN EL VERSO」を英語とスペイン語で制作しています。K-POPが世界中のファンを一つにつなぐように、私たちもポッドキャストを通じてそのような役割ができればと思います。

ポッドキャストを進行する中で、さまざまな形で現地のファンやリスナーの方々と交流されてきました。ファンかつ進行役として、リスナーと直接つながるとはどのような意味を持つのでしょうか。そして、特に記憶に残るファンのコメントや瞬間があれば教えてください。
シシー(Sissi):リスナーと直接つながることこそがポッドキャストの大事なところだと思います。私たちもファンなので、リスナーの方々にも一緒に所属感を覚えてもらえるような空間を作りたいと思いました。正直、未だにファンの方々がコメントを残してくださるのが信じられません。ファンの方々が反応したり、それぞれの思いを分かち合ったりするコンテンツを私たちが作れるんだと思うと、本当に驚いてしまいます。特に記憶に残るコメントを一つだけ挙げるのは難しいですが、一つひとつのメッセージやコメントに本当に感謝しています。特に、私の故郷からのコメントやアルゼンチンの国旗のついたコメントを見ると、胸がいっぱいになります。K-POPが始まった所からこんなに遠く離れた地域でも、ファンとそのようなつながりを感じられるとは、本当に驚くべきことです。
クリスマリー(Chrismaly):このようにリスナーと直接つながれることについて、そして私が初めてK-POPのファンになった時から今まで起きたすべての発展について、感謝しています。昔はこんなに遠く離れた場所のファンとして、真のコミュニティを見つけることが簡単ではありませんでした。しかし今は、Weverseといったアプリやたくさんのコンテンツプラットフォームのおかげで、コメントでやり取りしたり、このようなイベントでファンに直接会ってリアルタイムでコミュニケーションしたりできるようになって、本当に夢が叶ったような気がします。このような空間は、ただコミュニティの中のファンを知っていく機会を与えてくれるだけでなく、私たち自身もファンとして一緒に楽しめる場になってくれます。
メキシコにおけるK-POPの影響力をどのように説明されますか。K-POPの存在感やその影響力を最も強く感じる瞬間はいつでしょうか。
シシー(Sissi):正直に言って、2025年はメキシコでK-POPのステータスを変えた年でした。SEVENTEENが「テカテ パル ノルテ(Tecate Pa'l Norte)」で、TOMORROW X TOGETHERが「AXEセレモニア(AXE Ceremonia)」で公演する姿を見られたのは本当に驚くべきことでした。この2つのメキシコ音楽フェスティバルで彼らがグリーン・デイ、オリヴィア・ロドリゴ、チャーリーXCXといった世界的なアーティストと肩を並べてステージに立ち、同じレベルとして認められる姿を見るとは、本当に信じられないことでした。その公演の現場で見られたファンの盛り上がりは、今まで見たことのないレベルでした。K-POPが単なる流行を超えて、真の文化的な力になったことを示す瞬間でした。これらの出来事が2025年上半期だけで起きたのも驚きですが、すでにJ-HOPE、NMIXX、Stray Kidsといった複数のアーティストによるコンサートやファンイベントが行われていることを考えると、この地域におけるK-POPファンの需要と情熱、そして影響力がますます大きくなっているのは明らかです。さらに「SMTOWN LIVE 2025」の公演がすでにラテンアメリカに第一歩を踏み出したことを見ても、K-POPがこの地域でいつにも増して強い存在感を発揮していることがわかります。このすべての成長を見届けることは本当に興味深かったですし、今後またどんな変化が展開されるのか今から楽しみです。
クリスマリー(Chrismaly):私はメキシコで1年以上暮らしながらさまざまなファン活動に参加しましたが、メキシコにおけるK-POPの影響力はすでにファンのDNAの中に刻まれていると表現したいです。メキシコのファンは本当に情熱的です。アーティストのために壁画を描いたり、空港で待っていたり、路上の屋台を特定のアイドルに贈ったりもします。このようなファンの情熱とK-POP特有の中毒性のある音楽と爆発的なパフォーマンスが合わさったとき、まさに最高の組み合わせが誕生します。メキシコでは、アイドルと彼らの歌う音楽が情熱とエネルギーの面で完璧にマッチするパートナーに出会えたように思います。私は特にコンサート会場でファンの歓声が大きすぎて、時には声を上げるファンさえも耳を塞ぐ瞬間に、その存在感を強く感じます。その盛り上がりと感情を一緒に味わえるのは、本当に驚くべき楽しい体験です。メキシコのファンは自分の愛を積極的に表現する方法を知っていて、そういうときにK-POPが生き生きとしているように感じます。
最後に、リスナーの方々に伝えたいメッセージがあれば、お願いいたします。
シシー(Sissi):本当に感謝していると伝えたいです。皆さんにポッドキャストを一緒に楽しんでいただけたのは、私にとって本当に大きな意味があります。皆さんのメッセージ一つひとつ、コメント一つひとつ、そしてポッドキャストを聞いてくださる一瞬一瞬が、私たちが最初にこのコンテンツを始めた理由を繰り返し思い出させてくれます。それは、私たちと同じくK-POPを愛してくださる世界中のファンとつながるためでした。私たちのエピソードによって皆さんが喜び、自分の存在が尊重されていると感じ、日常を共にする友達のように感じることができたらと思います。この旅路を私たちと共にしていただいて、本当にありがとうございます。
クリスマリー(Chrismaly):いつもどおりファンを最優先する、おもしろくて共感できるコンテンツをお楽しみに! これからもより元気いっぱいの会話と興味深いゲストが用意されています。あと、日本のグループ「ONE OR EIGHT」とのインタビューのように、サプライズゲストが登場する特別なエピソードも用意されているかもしれませんよ。もちろん、私たちが何をこっそり用意したのかは、これからもずっと聞いてくださる方にしかわかりません。🤫
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