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イ・ウンソ
インタビューキム・ミンギョン / Assist. アン・ジェミン
デザインstudio.MBGB
写真HUH YUNJIN Instagram
HYJ | Weverse Magazine

ワールドツアーで世界中を駆け回る忙しいスケジュールの中でも、YUNJINはせっせと本のページをめくる。YUNJINは読書が比喩の力を借りて自分の視野を広げてくれる鏡であり窓だと語る。少しでも成長するためのYUNJINの悩みとともに、彼女が本と一緒に叶えていく夢についての話を紹介する。

YUNJINさんは子どもの頃から本が好きだったのですか。

ストーリーテリングが大好きでした。物語を聞くのも読むのも、そして自分で作るのもとても好きでした。

子供の頃は一人で、または妹や近所の友だちと物語を作って遊んでいました。生まれて間もなくアメリカに移住したので、母も父も家の中ではなるべく韓国語を使うようずいぶん努力してくれたんです。ですので、童話の本を100冊近く持っていました。

書斎の本棚に童話の本がびっしり入っていた光景を今も鮮明に覚えています。

幼い頃から両親がいつも本を読んでくれていました。

本によってどの言語で読むかを選ぶYUNJINさんなりの基準がありますか。

実は基準はないんですが、英語で読んだ時と韓国語で読んだ時で感じ方が少し違います。

癒やしが必要な時は韓国語で読んだりします。心に響くものが少し違うので。詩集や小説は韓国語でよく読みます。エッセイなどのノンフィクションは英語でよく読みますし。

やはり英語が最初に接していた言語なので、もっと「raw」に、ストレートに感じられる気がします。

二つの言語で読書をするということは、YUNJINさんにとってどのような意味を持っているのでしょうか。

実は最初は韓国語があまりできませんでしたし、読むのも本当に時間がかかって、韓国語で一冊全部読める日が来るとは思っていませんでした。

以前ある練習生の先輩から本を借りて、初めて韓国語の本を読んだんですが、それもすごく時間がかかったんです。

私は言語が人の性格をずいぶん変えると思います。ですので、韓国語でも本を読めるようになったこと自体が、自分のアイデンティティをすごく広げてくれました。

私は英語を使う時も韓国語を使う時も同じ人間ですが、それぞれのペルソナが違うと感じるので、英語を使う時は韓国語を使える自我が半分になったような感じがします。

ですので、二つの言語で読書ができるだけでも、より完全なホ・ユンジンになれるように思います。

HUH YUNJIN | Weverse Magazine

放送では車で移動する途中でも本を読む姿が時々見られますね。

むしろ車の中ではよく集中ができるんです。

移動する時は集中できるので、飛行機の中でもよく読みます。ですので、ツアーの時に本をたくさん読みました。

朝目が覚めてぱっと仕事に。

本を読む時間はYUNJINさんにとって休息なのでしょうか。

休息であり心の糧だと思います。

何と言うか…、人の好みもただ生まれるものではありませんよね。努力してキュレーティングしてこそ自分の好みがわかるように、読書も似ています。

趣味ですけど、ずっとこつこつと読んでこそ残るものがあるじゃないですか。完全な休息ではないと思います。なぜかというと、私にも欲があって、もっと学びたいから読んでいるので。

そのような努力をすることがつらく感じられることはありませんか。

私は子供の頃から…「満たされた人にならなければならない」と教わってきました。

むしろアウトプットがとても多いので、インプットを絶えずして満たさなくちゃと感じてもっと読みたくなります。

そういうことってありますよね。本当にやりたくなくて休みたいのに、それでもすることが自分に良いということがとてもよくわかっているんです。それで脳を運動させているんだと思います。

心と頭を(笑)。

YUNJINさんは本を読む時間を存分に楽しんでいるようですね。

はい、とても楽しいです。

時には眠くてつらい時もありますけど、読んでいるうちに突然すごく集中できるようになって、すらすら読める時のあの気分が好きです。

その時の「flow state」(フロー状態:完全に没頭し集中している状態)がとても楽しくて幸せです。

最近そのようによく読めた本がありますか。

アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』を読んだんですが、とてもおもしろかったです。

かなり短くはあるんですが、2時間ぐらいで読み終えました。私は物語が鏡であり窓のように感じられて好きなんです。

鏡のようだという意味は、本を読むことによって自分の物語のようで、共感できるということです。

同時に物語は窓のようで、想像力をもたらしてくれます。「ああ、こういうふうにも考えられるんだな」、「世の中がこうやって見えることもあるんだな」、そういうのが物語なんだと思います。物語は比喩の力を借りて、私の世界と視野を広げてくれます。時には向き合うことが難しい物語も見せてくれたりもしますし。

ですので、『老人と海』を読みながら、「やっぱり人間はどんな困難や逆境に苦しめられても、くじけない生命体なんだな。敗北なんてないんだ」と感じました。とっても良かったです。

YUNJINさんは本に没頭した後、すぐに抜け出せますか。それとも余韻を楽しむタイプですか。

ははは。私は余韻を楽しむタイプです。

それでいつもFEARNOTの皆さんや友だち、そして家族と本についてたくさん話します。

読んで深く感銘を受けたことや感じたことがあったら、電話で「こうだった、ああだった、世の中がこう見えて、これから私はこう生きなきゃと思った」と共有するのがすごく好きです。メンバーたちにもずいぶんそうしてきました。

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本は一度に何冊も買いますか。

一冊買おうと思ってネット書店にアクセスするんですが、どっさり買ってしまうことが多いです(笑)。

意図的に「たくさん買おう!」と思ったことはありません。ただカゴに入れていたら、「これもおもしろそうだし、これもおもしろそう」というタイプです。

書店に直接行くともっと大変です(笑)。出られません。それで1年にたった2回だけ行っていいことにしています。

本を所蔵することにも特別な情熱があるのでしょうか。

私は本にびっしり書き込みをするんです。

それでそれを捨てるのがすごくもったいなくて、お金もすごくもったいないんです。それに本自体がとてもきれいじゃないですか。ですので、それを積んでおく楽しみもあります。

読み終わったら、ただ飾っておくのも好きです。

YUNJINさんの本棚が気になります。

YUNJINさんならではの特別な本の並べ方がありますか。

最近本があまりに多くて、整理しようとしたんです。

ジャンル別に分けようとしたんですが…、途中で諦めました(笑)。あまりに複雑なので。

とりあえず英語、韓国語にだけ分けておきました。

友だちにサイズ別に整理するように言われたんですが、あまりに美しくないんです。それでまた自分のスタイルにしました。ごちゃ混ぜの状態が好きなんです。

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YUNJINさんならではの読書習慣もありますか。

付箋をいつも持ち歩いています。

良い文章を見逃すことが多いので、覚えておくために付箋をよく貼ります。色別に意味が全部違います。

ピンクは「これはすごく心に響いた」、青は「すごく悲しい」、オレンジは「衝撃的だ、これは」。それと一章を読み終えないと本を閉じられません。

読みかけですぐ出かけなければならなかったり、中途半端なら、できるだけ読まないようにしています。章が終わっていない状態で離れると、気持ちがとても落ち着かないんです。

それから、いつも最後のページが何ページかを確認してから読書を始めます。

以前Weverse Magazineのインタビューでお母さまが電子書籍リーダーを送ってくださったとおっしゃっていましたが、それはよく使っていますか。

一度使ったきりです。

ごめんなさい、お母さん(笑)。

アナログが良いんです。本をめくる時の感覚を捨てられません。紙の本が100%好きです。

映像や映画、そして音楽は「これ見て、これ聴いて」と受け身の感じじゃないですか。でも本は私が能動的にめくることができます。とても主体的なメディアだと思うので好きです。

同じ本を何度も読んだりしますか。

本当に好きな本は何度も読みます。

『老人と海』はずっと読んでいてもおもしろいです。3回目を読んでいるんですが、とってもおもしろいです。それに読むたびに違う感じがします。

音楽も前に聴いたらこういうふうに感じなかったのに、今聴くと違って感じられるものもありますよね。本も同じだと思います。

子どもの頃『おおきな木』を読んでものすごく泣いた記憶があります。その木がすごくかわいそうで。「どうしたらそんなに惜しみなく与えることばかりできるんだろう。子どもたちは何もわかってくれないのに」と思っていました。でもこの前また読んだら、ただその木になりたいと思いました。

「そんなに惜しみなく与えたい存在がいるということは、どれだけ幸せなんだろう!」と読みながら感じました。

今でも主にエッセイを読んでいるのでしょうか。

最近は小説だけが持つ余白がとても好きです。

語らないからこそ想像できる話が。私がよくしゃべるからかもしれません。言葉を少し控えたいんですけど(笑)。

エッセイは会話のようで好きです。それにエッセイのありのままの話のほうが心に響く時もあるように思います

特別好きな本がありますか。

ベル・フックスの『オール・アバウト・ラブ:愛をめぐる13の試論』という本があります。

今でも一番好きな作品です。一番好きなものを選ぶのはとても難しいんですが、私みたいな人には(笑)。

コミュニティの重要性と、愛が存在できる文化をどのように作るかを教えてくれた本でした。

それでLE SSERAFIMの活動をずいぶん振り返ってみることもありました。もしこの本を読んでいなかったら、かなり遅くなっていたと思います。

読んでいた時期もそうですし、意味のある本です。メンバーたちとこの本について話したこともずいぶんあるので、『オール・アバウト・ラブ:愛をめぐる13の試論』と結びついた記憶が私にはものすごく大切です。

どんな本が良い本だと思いますか。

私を謙虚にしてくれる本。

「ああ、こうやって考えることもできるのに、私は知らずにいたんだな」というふうに。私は読んでいて罪悪感を感じることがあります。

けんかしていた友だちの立場を理解できる場合もありますし。あるいは以前は理解できなかったメンバーの意見に共感できることもあります。そうやって自分を振り返らせてくれる本が好きです。

文学が慰めになると言う人もいます。

私も文学は慰めだと思います。

文学は人間を人間らしくしてくれます。ですので、私たちの社会にはもっと必要だと思います。

読書ブームがもっと来たらいいなと思います。

なぜかというと、文学がなかったらとても寂しいじゃないですか。文学は共感する能力もより育ててくれますし(笑)、私たちが眺める世の中をより広げてくれるように思います。

新作が待たれる作家は誰ですか。

いつもハン・ガンさんです。

去年マネージャーの方が『別れを告げない』をプレゼントしてくれたんです。この本を読みながら、本当にずいぶん慰められました。

今でも覚えているのは「刃の上を進むカタツムリのような何かだったのだろう」という文章でした。それを読んで涙がすごく出るんです。そういうところが小説の醍醐味だと思います。

ハン・ガンさんに会えたら聞きたいことがありますか。

Oh My God! どんな質問をしたらいいか…。

私たちの社会に、そして最近の人たちに必要なものは何だとお考えなのか、作家としての視点が知りたいです。

とてもたくさんありますが、一つ選ぶとすればそれだと思います。私も今一番悩んでいることです。

YUNJINさんはどんな悩みを持っているのでしょうか。

うーん…、自分の立場でどうすれば連帯を呼び起こせるかを考えているところです。文学が連帯、つながり、共感を呼び起こす方法になり得るとも思っています。

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アーティストとしてのインスピレーションを得るために本を読んだりもしますか。

すごく不思議なことに、偶然にも私たちの次のアルバムとつながる本をいつも読んでしまいます。

『EASY』が終わって『CRAZY』で活動する前に作家イ・ヒョクジンさんの『狂人』という本を読みました。主人公が文字通り狂人でした(笑)。

それで「CRAZY、本当にCRAZYだ、この人」と思いながらその本を読みました。

「何かに狂ったら、ここまでできるんだな」ということを表現した本でした。それで『CRAZY』とその次に発表した『HOT』の活動をする時に、その本を思い出しました。

またルイーズ・グリュックの「Telescope」という詩があります。その詩を読んで私たちのアルバム『CRAZY』に収録されている「Crazier」という曲を書き始めました。

YUNJINさんにとって歌詞を書くということはどんな意味なのでしょうか。

まず、とても楽しいです。

私は歌詞を書く時が一番幸せです。

採用されなくても、全部入らなくても、ただその世界に浸って音楽に合わせて文章を書く過程がとても楽しいんです。

ですので、単純に言うと、作詞は私が純粋に愛している作業です。

もう少し深く言うと、自分を残し記録できる、最も自分に合っている方法だと思います。絵を描くことも、文章を書くことも、映像を撮ることもできます。でも、歌詞を書くことが私が一番正直になれる方法だと思います。

以前Weverse Magazineのインタビューで、知りたいから、学びたいから本を読むと話していました。

良い人になるために、責任感を持ち、視野を広げたいと。今も同じ理由で本を読んでいるのでしょうか。

答えがすごくかわいい(笑)。

変わらないと言えば変わりませんけど、今は私が嫌いな自分の姿に向き合いたいから読んでいるように思います。謙虚になりたいし、忘れていたことを取り戻したいし、「そうだ、私はこんな人だった」ということも改めて感じたいです。

最近「自分がいくら何を学んでも、一人では成長できない」、「人々と何を学び感じたのかを語り合うことによって成長できる」ということを改めて感じました。

そんな理由からも本を読み続けているように思います。どんなことを学んだのかを人々と話したいので。

デビュー後初のワールドツアーのスケジュールがほぼ終了していますね。

今回のツアーはYUNJINさんにとってどのような意味がありましたか。

私たちにとってとても重要なモメンタムだったと思います。

これまでずっと浮いたまま漂っていたとしたら、このツアーを通して、再び地に足をつけることができました。「これからが始まりだ! いつも始まりだけど、今が本当の始まりだ」というように、互いに手をとって一生懸命頑張ろうと団結させてくれたモメンタムだと感じられます。

私たち同士もそうですし、FEARNOTの皆さんと一緒に作っていくこともそうですし。

デビュー当初のWeverse Magazineのインタビューで、LE SSERAFIMとしてワールドツアーをしたいという夢を語っていました。

大きな夢を一つ叶えたわけですね。YUNJINさんの新たな夢は何でしょうか。

Oh My God。

1位になりたいです。成績ではなく、どんな分野であれ何かを成し遂げて成長して、直観的に感じられる1位ってありますよね。

そんな1位になりたいです。それがどんな1位なのかはわかりませんけど。

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