ビルボード200
この4週間、チャートのトップが入れ替わり続けた。年末のホリデーシーズンの余韻が去った後、その時期を待っていた新譜が次々と登場した形だ。2025年から継続して愛されている安定した人気のモーガン・ウォーレンから、その後に続いて新たに地位を築いたジャンルスターのザック・ブライアン、久しぶりに返ってきた若き巨匠エイサップ・ロッキー、そして最後のアルバムを発表した生ける伝説メガデスまで。さまざまなジャンルの波が次々と押し寄せた1か月だ。1位だけではない。チャート上位圏の動きが久しぶりに活気を見せている。
1月第3週の1位はモーガン・ウォーレンの『I’m The Problem』だ。このアルバムは2025年5月に1位で初ランクインした後、8月まで12週1位を記録した。その後もチャート上位圏にずっと留まり、13度目の1位を更新した。週間成績は8.5万ユニットで、大部分がストリーミングによるものだ。ストリーミング8,775万回で8.2万ユニット相当、トップストリーミングアルバムチャートで20度目の1位。同じ週、オリヴィア・ディーンの『The Art of Loving』が3位に浮上し最高順位を更新した。トップストリーミングアルバムチャート3位、トップアルバムセールスチャート3位と、各チャートで自己最高順位を記録している。
1月第4週、ザック・ブライアンの『With Heaven On Top』が1位で初ランクインした。ザック・ブライアンの2度目の1位、5枚目のトップ10アルバムだ。ザック・ブライアンは2025年初め、『With Heaven On Top』をEPとして初公開した。約1年後に出たこの作品は、最終的に25曲を収録したアルバムとなった。このアルバムは現在ストリーミングとダウンロード形式でのみ発売されている。CDとヴァイナルは3月に発売される予定だ。週間成績は13.4万ユニットで、そのうちストリーミングが1億3,032万回、12.7万ユニット相当。トップストリーミングアルバムチャートでも1位だ。デジタルだけで達成したアルバムセールスは6,000ユニットで、トップアルバムセールスチャート7位。
同じ週、モーガン・ウォーレンの『I’m The Problem』は前週とほぼ同じ8.2万ユニットの成績で2位。これによりビルボード200の1位、2位のアルバムがどちらもカントリーとなった。2024年2月、1位トビー・キースの『35 Biggest Hits』と2位モーガン・ウォーレンの『One Thing At A Time』以来だ。また、ザ・キッド・ラロイの『BEFORE I FORGET』が4.1万ユニットの成績で、6位で初ランクインした。彼の2度目のトップ10入りだ。アルバムセールスは1.1万ユニットでトップアルバムセールス1位。
1月第5週、エイサップ・ロッキーがなんと10年ぶりに3度目の1位アルバム『Don’t Be Dumb』を発売した。2013年2月の『LONG.LIVE.A$AP』と2015年6月の『AT.LONG.LAST.A$AP』以来だ。『Don’t Be Dumb』の週間成績は12.3万ユニット。ストリーミングは7,802万回で7.6万ユニットだ。エイサップ・ロッキーの週間ストリーミング歴代最高数値となる。トップアルバムストリーミングチャートでも1位だ。アルバムセールスは4.7万ユニットでトップアルバムセールス3位。アルバムセールスのうち4万ユニットがヴァイナルだ。12種類以上の多様なヴァイナルエディションでセールスを牽引した。
同じ週、バッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』は、Amazon限定ヴァイナル発売により12位から3位に上昇した。週間成績11.9万ユニットで3位としては相当な数字だ。そのうちアルバムセールスが8.5万ユニットで、そのほとんどがヴァイナルによるものだ。これは本作の昨年5月の初回ヴァイナルセールス量4.8万枚を圧倒する数字で、スペイン語アルバムのヴァイナル最高記録も更新した。Amazonは昨年9月、バッド・バニーが故郷プエルトリコで行った公演の最終日をストリーミング配信するなど、協力を続けている。バッド・バニーは2月8日の「スーパーボウル・ハーフタイムショー」を控えた金曜日に、また別のヴァイナルエディションを発売した。ハーフタイムショー後に予想されるストリーミングの衝撃とともに、チャートに及ぼす影響が注目される。またヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインが『Slime Cry』で6位に初ランクインし、17枚目のトップ10を記録した。これはヒップホップアーティストのうち歴代2番目に多いトップ10アルバムを保有するドレイクと並ぶ。この分野の1位はフューチャーの18枚だ。マディソン・ビアーは『locket』で10位に初ランクインし、初のトップ10であり初のトップ40入りを果たした。これまでの最高順位は2021年『Life Support』の65位だ。
2月第1週、メガデスが最後のスタジオアルバムと伝えられる『Megadeth』で1位を獲得した。1986年のチャートデビュー以来40年ぶりの初トップだ。その間メガデスはアルバム23枚をビルボード200にランクインさせ、そのうちトップ10アルバムは9枚、最高順位は1992年『Countdown To Extinction』の2位だった。初のランクインから実に39年3か月ぶりの1位獲得は歴史的功績だ。似たようなケースとして、ブラック・サバスが1970年のデビューアルバム以降42年10か月を経て、2013年『13』で初の1位を獲得している。ソロアーティストではジェイムス・テイラーが1970年以降45年4か月ぶりに2015年『Before This World』、デヴィッド・ボウイが1972年以降43年10か月ぶりに『Blackstar』で初のトップを記録した。
『Megadeth』の週間成績は7.3万ユニット。そのうちアルバムセールスが6.9万ユニットで、トップアルバムセールスチャート1位だ。メガデスのアルバムのうち1999年の『Risk』が記録した7.4万枚以降最も多いセールス量だ。1位の成績で7.3万ユニットは、昨年5月シザの『SOS』が5.2万ユニットでトップに立って以来最も低い。

HOT100:ブルーノ・マーズ
ブルーノ・マーズの「I Just Might」が1月第4週のチャートに1位で初ランクインし、2週連続で首位を守った。ブルーノ・マーズの通算10曲目の1位曲で、初ランクインと同時にトップを獲得した初めての曲だ。これまでの初ランクイン時の最高順位はレディー・ガガとコラボした「Die With A Smile」の3位だ。
ブルーノ・マーズの1位曲通算10曲は、男性ソロアーティストの中で、ドレイク(13曲)、マイケル・ジャクソン(13曲)、スティービー・ワンダー(10曲)に次ぎ歴代3位タイの記録だ。全アーティストに範囲を広げると10位タイ。ブルーノ・マーズが1位に留まった期間をすべて合計すると41週だ。これは歴代9位に当たる。男性ソロの中ではドレイク(56週)、アッシャー(47週)に次ぎ3位だ。
「I Just Might」の初ランクイン週の成績は、ストリーミング2,350万回、音源セールス1.3万件だ。ストリーミングソングスチャートに1位で登場しており、ブルーノ・マーズの同チャート4度目の1位。デジタルソングセールスチャートには1位で初ランクインし、ブルーノ・マーズの12度目の1位となる。ラジオソングスチャートになんと12位で初ランクインしたが、これは1998年以降男性ソロアーティストの初ランクイン最高順位だ。
「I Just Might」の2週目の成績は、ストリーミング1,710万回、音源セールス9,000件だ。ストリーミングソングスチャートで2位、デジタルソングセールスチャートで1位。ラジオソングスチャートで9位に躍り出て、同チャートでブルーノ・マーズの21度目のトップ10入りとなった。ブルーノ・マーズの1位曲10曲中8曲が2週以上1位をキープしている。80%の割合だ。1位曲が10曲以上のアーティストのうち2週以上1位を維持した曲の割合を見てみると、ブルーノ・マーズはマライア・キャリーの89%(19曲中17曲)、ジャネット・ジャクソン80%(10曲中8曲)に次ぎ歴代2位タイだ。
ブルーノ・マーズは2016年『24K Magic』以来10年ぶりのソロアルバム『The Romantic』を2月27日に発売する予定だ。もちろんその間にもアンダーソン・パークとコラボしたシルク・ソニックや、レディー・ガガ、ROSÉとコラボしたプロジェクトがすべて成功している。しかし、それから約1年の空白を経て、ソロアーティストとして再びこれほどの爆発力を見せるのは極めて例外的だ。
同じ週、オリヴィア・ディーンの「Man I Need」がHOT100で2位を獲得し、最高順位を更新した。エラ・ラングレーの「Choosin’ Texas」は1,800万回の成績で、ストリーミングソングスチャートで1位を記録した。彼女の同チャート初の1位だ。この曲はHOT100で6位で、HOTカントリーソングスチャートでは9週目の1位だ。また、アレックス・ウォーレンの「Ordinary」はラジオソングスチャートで27週目の1位を維持した。これはシャブージーの「A Bar Song (Tipsy)」と並ぶ歴代最長記録だ。

HOT100:ハリー・スタイルズ
ハリー・スタイルズも帰ってきた。新曲「Aperture」は2月の第1週に1位で初ランクインした。2020年「Watermelon Sugar」、2022年「As It Was」に続く3曲目の1位だ。「Aperture」の週間成績を見てみよう。ストリーミング1,820万回でストリーミングソングスチャート1位だ。「As It Was」以来2曲目の1位。音源セールス4,000件でデジタルソングセールスチャート4位だ。ラジオソングスチャートに19位で初ランクインし、「As It Was」と同じ初ランクイン順位を記録した。
年初のチャートから初ランクイン1位の曲が立て続けに登場した。1位で初ランクインというのが非常に多い時代だが、年初から次々と登場するのは思ったより珍しい。1〜2月に2曲が1位で初ランクインしたケースは今年を含めてこれまででわずか3回で、今回のブルーノ・マーズとハリー・スタイルズのケースが最も早い。他の2回は2024年アリアナ・グランデの「yes, and?」、ミーガン・ジー・スタリオンの「HISS」、そして2011年ブリトニー・スピアーズの「Hold It Against Me」、レディー・ガガの「Born This Way」だ。
「Aperture」は、公開当時からポップアーティストとしては本格的なダンストラックを披露し話題になった。その結果、この曲はHOT100とHOTダンス/ポップソングスチャートで1位を独占した初の曲となった(HOTダンス/ポップソングスチャートは2025年1月に新設)。
ハリー・スタイルズのニューアルバム『Kiss All The Time. Disco, Occasionally』は3月6日に発売される予定だ。彼のこれまでのソロアルバム3枚はすべて1位で初ランクインしている(2017年『Harry Styles』、2019年『Fine Line』、2022年『Harry’s House』)。
オリヴィア・ディーンの「Man I Need」はラジオソングスチャートで1位を記録した。オリヴィア・ディーンの初の1位だ。同チャートで歴代最長1位記録を打ち立てたアレックス・ウォーレンの「Ordinary」を抜いた。HOT100とラジオソングスチャートでイギリスのアーティストがトップに立ったのは、2022年サム・スミスとキム・ペトラスの「Unholy」が両チャートを独占して以来だ。

アーティスト:ENHYPEN
1月第5週のチャートでENHYPENの『THE SIN : VANISH』がビルボード200に2位で初ランクインした。2024年の『ROMANCE : UNTOLD』と並ぶ最高順位だ。ENHYPENの通算9枚目のランクインで、最近では5作連続でトップ5を記録している。ENHYPENは2022年『MANIFESTO : DAY 1』で初のトップ10入りを達成し、その後発売された5枚のアルバムすべてがトップ5以内で初ランクインしている。
アルバムの初ランクイン週の週間成績は12.2万ユニットで、そのうち11.3万ユニットは従来型のアルバムセールス量だ。トップアルバムセールスチャートに1位で初ランクインし、ENHYPENの4度目の記録となった。それまでの3枚のアルバムは2025年の『DESIRE : UNLEASH』、2024年の『ROMANCE : UNTOLD』、2022年の『MANIFESTO : DAY 1』だ。ストリーミングは951万回で9,000ユニット。ENHYPENの週間ストリーミング最多成績だ。
ENHYPENはアーティスト100チャートでも1位だ。ENHYPENの同チャート初の1位。「Knife」はグローバル200チャートに90位、アメリカを除くグローバルチャートに62位で初ランクインした。グローバル200チャートに5度目、アメリカを除くグローバルチャートに8度目のランクインだ。「Knife」はワールドデジタルソングセールスチャートでも1位で初ランクインしている。ENHYPENの同チャート初の1位だ。

アーティスト:ジョー(Djo)
Netflixの象徴的なシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』が大団円を迎えた。本作はケイト・ブッシュやメタリカなど、1980年代のクラシックをストリーミングヒットに押し上げている。ファイナルシーズンを迎えたこのドラマは、プリンス、デヴィッド・ボウイといった巨匠からピクシーズ、カウボーイ・ジャンキーズといった当時の学生街で人気だった曲を網羅している。彼ら皆が少なくとも2倍以上、プリンスの場合7倍以上ストリーミングが急増し恩恵を受けた。
しかし、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で最大の成功を収めたアーティストと記憶されるのはジョー(Djo)だろう。俳優ジョー・キーリー、または彼の演じたキャラクター、スティーブ・ハリントンとして知られている。シーズン最終回以降、ジョーのカタログ全体のストリーミングは114%増加し、音源セールスは4倍以上増えた。カタログ消費のうち半分はジョーのバイラル・ステディーセラー(SNSや口コミで人気に火がついた後、ロングセラーになった作品)「End of Beginning」からだった。この曲は2022年に発売され、2024年にHOT100チャート11位まで上昇している。最近の人気再燃により、1月第2週のHOT100チャートで16位に再登場し、第3週には6位と、初のトップ10入りを記録した。トップ10入りと同時にいくつものチャートで初の1位を記録している。ストリーミングソングス、グローバル200といった全ジャンルチャートのほか、HOTロック&オルタナティブソングス、HOTロックソングス、HOTオルタナティブソングスなどのジャンル別チャートだ。
実は「End of Beginning」は『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のどこにも使われていない点が興味深い。もちろんジョー・キーリーは最も人気のあるキャラクターを演じていた。しかし、数年前に発売され、すでに商業的な全盛期を迎えていた曲が新規にトップ10入りするのは驚くべき成果だ。シーズン4に挿入され、グローバル200チャートで1位を記録したケイト・ブッシュの「Running Up The Hill」と比較される。ジョーの音楽キャリアは『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とともに始まっており、同じく『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とともに幼少期を過ごした音楽消費層がいる。彼らは「End of Beginning」とともにこのドラマを見送る共通の儀式を行ったのではないだろうか。この数年、テレビ番組の挿入曲への関心は大きく高まったが、大衆の愛は常に予想を一歩リードする。
- ハントリックスの新たなラジオシングル「How It’s Done」が1月第4週のポップエアプレイチャートで40位に初ランクインした。これに先立ち「Golden」は昨年11月のポップエアプレイチャートで3週1位、1月のラジオソングスチャートで1位を記録している。1月第5週には「Golden」がアダルトポップエアプレイチャートで1位を獲得した。昨年4月にROSÉとブルーノ・マーズの「APT.」が同チャート2位まで浮上して以来、K-POPジャンルの曲で初の1位だ。
- KATSEYEの「Internet Girl」が1月第3週のHOT100チャートに29位、トップストリーミングソングスチャートに23位、グローバル200チャートに32位で初ランクインした。KATSEYEの初のHOT100トップ40入りだ。同じ週「Gabriela」はHOT100チャート21位、ラジオソングスチャート28位で最高順位を達成した。「SIS (Soft Is Strong)」が1月第5週のビルボード200チャートに194位、トップアルバムセールスチャートに18位で再登場している。その後2月第1週にビルボード200チャート138位、トップアルバムセールスチャート9位に上昇した。
- DK x SEUNGKWANの『Serenade』が1月第5週のビルボード200チャートに195位、トップアルバムセールスチャートに6位で初ランクインした。
- CORTISの『COLOR OUTSIDE THE LINES』が1月第4週のトップアルバムセールスチャートに17位で再登場している。2月第1週には13位に上昇した。
- YEONJUNの『NO LABELS: PART 01』が1月第4週のトップアルバムセールスチャートに20位で再登場している。
- ILLITの「NOT CUTE ANYMORE」が1月第3週にグローバル200チャート60位で最高順位を更新した。『bomb』が1月第5週のトップアルバムセールスチャートに41位で再登場している。
- PLAVEの「BBUU!」が1月第3週のグローバル200チャートに138位で最高順位を更新した。
- JIMINの「Who」が1月第5週のグローバル200チャートに180位で再登場している。
- JINの「Don’t Say You Love Me」が1月第5週のグローバル200チャートに195位で再登場している。
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