FEATURE
BTS、アリランを「体験」として届ける
『ARIRANG』コラボ商品とポップアップストアのビハインド
Credit
チョン・ダナ
写真MU:DS公式SNS、HYBE MERCH 公式Instagram(@hybmrch)

3月20日、BTSが3年9か月の空白を破り、The 5th Album『ARIRANG』とともに戻ってきた。韓国で歩みを始めたチームとしてのアイデンティティが込められたアルバムのメッセージは、国立博物館文化財団のブランド「MU:DS(ミュッズ)」とのコラボレーションによって制作された公式商品「2026 BTS X MU:DS」にも凝縮されている。アルバム6曲目の「No.29」に鐘の音が収録された「聖徳大王神鐘」の装飾を現代的に再解釈した公式商品は現在、Weverse Shopはもちろんのこと、新世界百貨店本店ザ・ヘリテージと、ソウル龍山区のHYBE社屋で開催されている「BTS POP-UP : ARIRANG」で、BTSのファンであるARMYたちとの出会いを果たしている。世界中のARMYに韓国の美を最も効果的に伝えるための企画がどのように完成したのか、HYBE IPX Merch.事業4パートのキル・ソナ氏、空間デザインパートのソ・ジヨン氏に話を聞いた。

左上段から時計回りに、ショルダーバッグ、レイヤードスカート、カードホルダー、ヘアピンとヘアクリップ

BTSのThe 5th Album『ARIRANG』の公式商品には、国立博物館文化財団のブランド「MU:DS」とコラボレーションしたアイテム5点が含まれています。2024年の「BTS DALMAJUNG X MU:DS」に続いて2度目のコラボレーションとなるMU:DSは、伝統に込められた意味とデザインを生かした公式商品で大きな反響を呼んでいるブランドでもあります。今回のコラボレーションの企画背景について教えていただけますか? 
キル・ソナ(HYBE IPX Merch.事業4パート):The 5th Album『ARIRANG』は、BTSのアイデンティティやルーツ、出発点を表現した作品です。BTSを語るときに韓国的な要素は欠かせないため、今回のコラボレーションによって韓国文化と情緒をより広く伝えることに大きな意義があると考えました。韓国的な美が伝統の領域にとどまるのではなく、ファンの皆さんの日常の中で自然に体験されるものになってほしいと思ったのです。そういった意図により、コラボアイテムもまた、ファンの皆さんの日常で活用しやすいファッションアイテムを中心に構成し、企画を行いました。

左から、聖徳大王神鍾、飛天像

「2026 BTS X MU:DS」の公式商品には、「エミレの鐘」として広く知られる新羅時代の聖徳大王神鐘の文様がデザインに活用されています。聖徳大王神鐘をデザインのモチーフとして用いることになった理由と、その過程で特に大事にした要素について教えていただけますでしょうか。
キル・ソナ(HYBE IPX Merch.事業4パート):『ARIRANG』に収録された「No.29」に聖徳大王神鐘の音が収録されている点に着想を得て、それをモチーフにすることになりました。聖徳大王神鐘は、精巧な文様と流麗な形を備えた偉大な遺産であり、千年もの長きにわたって受け継がれ、現代人にも大きな感動を与えています。このような点が、「アリラン」のように長く、人々の心に残る音楽を歌いたいというメンバーたちの願いともつながっています。聖徳大王神鐘に刻まれた文様の美しさを現代的な感覚で再解釈し、多くのファンの皆さんに日常の中で体験してもらいたいと考えました。

今回のコラボレーション商品には、それぞれのアイテムに多様な表現方法と素材が使われています。カードホルダーは鐘に刻まれた飛天像を陽刻パターンで表現し、ヘアクリップには陰刻文様が刻まれています。また、ヘアクリップとヘアピンは金属素材を使い、ショルダーバッグとレイヤードスカートにはシアーな素材が採用されています。このように多彩な文様と素材を活用しているのはなぜでしょうか。
キル・ソナ(HYBE IPX Merch.事業4パート):多様な素材に美しく溶け込む、伝統文様の洗練された魅力をお見せしたいと考えました。素材によって伝わるムードが異なるため、各アイテムの素材に合わせて聖徳大王神鐘の装飾が際立つよう、陽刻と陰刻を活用しました。ヘアピンのようなアクセサリーにはメタル素材を採用し、クラシックでありながら洗練されたムードに仕上げました。また、ショルダーバッグとレイヤードスカートについては、韓国の伝統衣装である韓服の素材を連想させたいと考えました。

「2026 BTS X MU:DS」はWeverse Shopだけでなく、「BTS POP-UP : ARIRANG」でも3月20日から4月12日まで購入することが可能です。HYBE龍山社屋の1階と、新世界百貨店本店ザ・ヘリテージで開催されるオフライン・ポップアップストアでは、ファンの皆さんにどのような体験を届けたいと考えられたのでしょうか。
ソ・ジヨン(HYBE IPX 空間デザインパート): 今回の「BTS POP-UP : ARIRANG」は、BTSのThe 5th Albumをベースとしたアルバム・ポップアップストアです。アルバムのメッセージをより深く伝え、BTSのアイデンティティと彼らの真摯な姿を届けられるように企画を行いました。特に今回の「BTS POP-UP : ARIRANG」は、HYBEの社屋と新世界百貨店本店ザ・ヘリテージ館の2か所で同時開催され、アーティストのメッセージに触れられる接点を広げるとともに、ファンの皆さんが異なる場所でも一貫した経験を感じられるように構成しました。HYBE龍山社屋は多くのファンの皆さんが訪れてくださる場所でしたが、今回のポップアップストアオープンによって、単なる「訪問」にとどまらず、アーティストの物語と重要な瞬間を、より拡張された形で「体験」していただくきっかけを設けたいと考えていました。

「BTS POP-UP : ARIRANG」は、公式商品においてもアルバムのメッセージを一貫して形にし、オフライン体験を通じてそれを拡張している点で意義深いと思います。それを踏まえて、ポップアップでは全体としてどのようなビジュアル・アイデンティティを打ち出そうとしていたのか、また、ファンの皆さんの体験のために、空間構成において特にどのような部分を重視したのかについてお聞かせいただけますでしょうか。
ソ・ジヨン(HYBE IPX 空間デザインパート):ポップアップ空間は、2つの円形が重なったレイアウトで構成されており、その中心には根源となる『ARIRANG』が位置しています。これは、『ARIRANG』を通じてBTSが伝えようとするメッセージの「共鳴」、「響き」、「胎動」を意味します。また、一部の公式商品を国立博物館文化財団のブランド「MU:DS」とのコラボレーションで制作しているため、公式商品と空間が分離せず、ひとつの体験としてつながるよう、韓国固有の美的感覚をビジュアル・アイデンティティ全般に一貫した形で反映し、彼らのアルバムを深みをもって表現しようとしました。幾重にも重なったレイヤーや韓紙からストーンに至るまで、多様な透明度とテクスチャーをもった淡いトーンの色味を用いた要素によって、アルバムに込められた韓国的な情緒を再解釈して表現しました。

BTSは、『ARIRANG』を通じて韓国人としてのアイデンティティと、世界的アーティストとして伝える普遍的な価値を、音楽によって同時に届けています。それだけに、韓国の伝統文化とファッション、そしてK-POPという3つのカテゴリーをすべてつなぐ「2026 BTS X MU:DS」コラボレーションと「BTS POP-UP : ARIRANG」は、いっそう意義深いものになったと思います。そういった観点から、今回のコラボレーションとポップアップストアがファンの皆さんにとってどのような体験になってほしいとお考えでしょうか。
キル・ソナ(HYBE IPX Merch.事業4パート):MU:DSとのコラボレーション商品だけでなく、アルバム公式商品全体に関して、BTSの皆さんがデザインや素材などについて様々な意見を直接くださったことが印象に残っています。アルバムだけでなく商品全般にわたって、メンバーの皆さんの好みやファンの方々に伝えたいメッセージを盛り込むことができ、意義深い経験でした。今回のコラボレーション商品が、ファンの皆さんにとって日常の近くで韓国の美を体験し、楽しめる良い機会になればと思っています。これを通じて、BTSのアイデンティティが込められたこのアルバムが、ファンの皆さんにとって音楽を超える様々な「体験」として届けば嬉しいです。
ソ・ジヨン(HYBE IPX 空間デザインパート):「BTS POP-UP : ARIRANG」では、アルバム、公式商品、空間、コンテンツが有機的にひとつにつながる体験を実現したいと考えていました。特に空間構成においては、ファンの皆さんが期待するだろう要素も重点的に考慮しました。アルバムのメッセージをベースにしたオブジェに加え、アーティストの肖像やメッセージに触れられるアプリケーションを開発し、コンテンツとしての体験も拡張されるような企画を実施しました。それだけに、ファンの皆さんには、「訪問」や「購入」という経験を超え、アルバムの物語とメッセージをより深く体感していただけるよう願っています。

Copyright ⓒ Weverse Magazine. All rights reserved. 無断転載及び再配布禁止