TOMORROW X TOGETHERの7年間が一枚のアルバムになった。デビュー以来、高まり続けてきた責任感、期待と現実のギャップから生じる混乱、再契約を控えて直面した不安など、これまでの感情が8枚目のミニアルバム『7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns』に込められている。5人のメンバーの7年間がいかにして一枚のアルバムにまとめられたのか、そしてその感情がいかにして音楽になったのかについて、プロデューサーSlow RabbitとBIGHIT MUSIC A&R 2チームのキム・ボラムチーム長に聞いた。

ニューアルバム『7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns』はTOMORROW X TOGETHERのメンバーがデビュー以来7年間感じてきた想いからスタートしましたね。
キム・ボラム:これまでのアルバムで語ってきた一つの世界観が幕を閉じた後、次にどのような物語を展開すべきかについて社内であれこれと模索していました。その時、シヒョクさんが当時あった「再契約」という大きなモメンタムをアルバムに盛り込もうと提案してくれました。メンバーが自分たちの話を自然に持ち出せる格好のテーマで、いろんな意味でTOMORROW X TOGETHERだけの今の話ができそうな気がしたんです。そこで、メンバー一人ひとりとかなりの時間をかけてインタビューを行いながら本格的にアルバム制作に取り掛かり始めました。
インタビューの内容を振り返る中でシヒョクさんが「フォークバンドPoet and Village Chiefの『Thorn Tree』という歌がメンバーの今の想いと通じるところがある気がする」と話してくれました。「僕の中にはあまりにもたくさんの僕がいる」という歌詞はメンバーが感じてきた複雑な想いを表しているようだし、7年間がむしゃらに走ってきて、再契約を機にこれまでの日々を振り返るこのタイミングが、風に打ちつけられていたいばらがしばし動きを止める瞬間みたいじゃないかと。早速みんなで歌詞を見ながら曲を聴きましたが、歌とメンバーのインタビューの内容が重なり、私やドヒョンさん(プロデューサーSlow Rabbit)もこの歌が次のアルバムのいい出発点になりそうだと直感した気がします。物語を上手に盛り込みながらもTOMORROW X TOGETHERらしいアルバム名にするべきだという方向性に基づいて『7TH YEAR: A Moment of Stillness in the Thorns』というタイトルもシヒョクさんが提案してくれました。これまでのアルバム名とは全く異なるフォーマットである点が目新しい一方でTOMORROW X TOGETHERならではの色を表せるタイトルだと思いました。
インタビューでメンバーと交わした会話は今回のアルバムにどのように反映されましたか。
キム・ボラム:メンバーは再契約の時の気持ちをとても率直に話してくれて、それには心に響くものがありました。7年間、いい瞬間もあっただろうけど、期待と違ったり、つらかったりする瞬間もあったはずで、これからもそうだと分かっていながらも再契約に踏み切ったわけですよね。願いの中には叶えられないものもあるだろうけど、それでもこの仕事が好き、もっと上手くやりたい、この人たちとならずっと一緒にやっていきたいと決心した。メンバーそれぞれ程度の差はあっても、心を決めるまで全員同じような過程を経たのだろうと思いました。ある意味、決して心地よいと一概には言えないような感情を受け入れ、大きな決断を下したメンバーはだいぶ大人になったと思いましたし、この物語には誰もが共感できるものがあるような気がしました。
例えば、収録曲「Dream of Mine」には「それでもやりたい、それでもこの人たちと一緒にやっていきたい」という想いを込めました。またメンバーの一人は「僕たちはどうしてこうなんだろう?」と思っていたのが、ある時ふと「あ、これが僕たちなんだ」に変わったと話してくれましたが、その想いは「So What」に反映されています。「Bed of Thorns」には「つらいと分かっていてもやり続ける」という意志を込めました。この曲はアメリカで作業しましたが、アルバムのテーマの説明を聞いた現地スタッフの方たちが「You’ve made your bed, now lie in it(自分で作ったベッドだから、そこで横になりなさい)」ということわざの話をしてくれました。それで、たとえいばらのベッドでも自分で作ったからには喜んで横になろうというメッセージを込めました。
「Bed of Thorns」はアルバムの幕を開けるトラックでもありますが、選択に伴う結果をありのまま受け止めるというメッセージを音楽的な雰囲気と歌詞で表現した曲のように感じました。
Slow Rabbit:「Bed of Thorns」は今回のアルバムを構想する中でいち早く決まったトラックで、タイトル曲の候補でもありました。TOMORROW X TOGETHERがこれまで試したことのないミステリアスな電子音と1990年代のテクノの重くない909のソースを使ってシヒョクさんと共に作業しましたが、その質感が今の感覚からすると、かえってユニークに聴こえました。エネルギーの雰囲気は異なりますが、その中でも強さを伝えることができると思いました。そのため、結果としてアルバムの始まりを飾る曲として最も適していると判断し、1番トラックに収録しました。目を閉じてイントロを聴いてみると、まさにいばらに打ちつける風が止まった瞬間の不思議な感情が味わえるはずです。メンバーはアイドルになる道を選んだためにつらいこともあったけど、結局は再びそのベッドに横になってアイドルとして生きていくわけじゃないですか。そこが感動的でした。
キム・ボラム:この曲を初めて聴いた瞬間、「これで決まりだ」と思いました。今回のアルバムでTOMORROW X TOGETHERのこれまでとは異なるサウンドを披露しようという話はずっとあったものの、どう異なるものを目指すかは具体化できていない感じだったんです。そんな中、Slow Rabbitさんが求められる変化の方向性についてこの曲をもって音楽的に説得してくれたので、今回のアルバムの道しるべとも言えるトラックです。

タイトル曲「Stick With You」もまた夢を離さず歩み続けるという決意を描いていますが、曲の始まりと終わりのコーラスパートが切なさを最大限に引き出しているように思いました。
キム・ボラム:メンバーとのインタビューで、結局はステージに立ち続けるのが彼らの夢で、彼らはこの仕事を本気で愛しているのだと感じました。その気持ちがタイトル曲に反映されたんだと思います。「Stick With You」は、表面的には「あともう一日だけ僕のそばにいて」と離れていく恋人を引き留める歌ですが、同時に「どこまで行けるか分からないけど、一日、また一日と引き延ばしながらもこの夢を離したくない」というメタファーでもあります。だからメンバーの物語であると同時に幅広く受け入れられる恋の話にすることができました。
作業を始めた当初のタイトルは韓国語ではなく、英語のみでした。しかし、大衆的な恋の歌に曲の幅が広がったことで韓国語の曲名の必要性を感じました。また、コーラスの歌詞と自然につながる表現がいいという意見もありました。そこで「一日 一日だけ」、「ここにいて 一日 一日だけ」、「一日だけ」などいくつかの候補を巡って悩んだ末に、大げさな感情表現でなく、略して「ハハド」と呼べる「ハルエ ハルマン ド(一日 あともう一日だけ)」で意見が合致しました。
収録を決めた時点では「Stick With You」のデモは未完成の状態でした。それでも曲の始まりと同時に流れてくるコーラスメロディーほど強烈なものはありませんでした。だからタイトル曲に決めた後、空いているトップラインを詰めていきました。
Slow Rabbit:トップラインを完成させた後、シヒョクさんから「すべてが完璧にいいメロディー」というフィードバックをもらいました。だからこの曲に確信が持てました。
TOMORROW X TOGETHERはメッセージと音楽的なサウンドが有機的に結びついているグループだと思います。今回のアルバムはその基調を保ちながらも、音楽的にはこれまでとは異なる電子音や典型的でない構成が目立っていました。今回のアルバムの制作にあたって、どのような変化が必要だと思いましたか。
Slow Rabbit:これまでTOMORROW X TOGETHERはロックサウンドをベースにした音楽を主にやってきましたが、活動を始めてから7年もの歳月が経ち再契約もしたので、今回のアルバムは音楽的にも成長や変化が求められると思いました。だからあえて耳慣れず目新しく感じてもらえる方向を目指して、電子音やこれまでは試したことのないサウンドを取り入れることにしました。
「Dream of Mine」も、最初デモをもらった時は1980年代のレトロな感じがもっと強かったのですが、あの時代のエレクトロニックでラフな質感を取り入れながらも、もう少しインディーズっぽくブラッシュアップしました。レトロというよりは昔のサウンドを今の感覚で組み替えたと言ったほうが近いです。
キム・ボラム:ただし、その過程でもTOMORROW X TOGETHERの色を見失わないことが何よりも大事でした。メンバーとのインタビューでも「僕たちの色を変えて手に入れた成功は僕たちのものではない」という話が出たんです。それだけこれまで積み重ねてきたヘリテージと色へのリスペクトが、メンバーと制作スタッフ全員にありました。だから変化を試みつつも自分たちらしくやっていこうというのが今回のアルバムの軸となる方向性でした。

グループのアイデンティティを守るという面では、音楽的にどのようなことを考慮しましたか。
Slow Rabbit:TOMORROW X TOGETHERの音楽はメロディーが強みで、エネルギーを表現する方法が他と一線を画していると思います。例えば、エネルギッシュなトラックでも繊細なボーカルを掛け合わせるなどして違う形でエネルギーを表現するのがTOMORROW X TOGETHERの色だと思います。そしてよくK-POPでエネルギーを強調する際に用いる音自体が強いリズムソースは取り除いて、軽めのソースを使いました。代わりにシンセサイザーを中心に今どきTikTokでよく聴くような、あえて歪ませたラフなエフェクトを取り入れるなど、新たなアプローチを試みました。
「21st Century Romance」を初めて聴いた時も、バイクのエンジン始動音がとてもユニークだったんです。でもメロディーはいかにもTOMORROW X TOGETHERらしくて、「これならTOMORROW X TOGETHERの新たなチャプターを切り拓くトラックにピッタリだ」と思いました。その後、TOMORROW X TOGETHERに似合うコードを求めてあれこれと変えてみたり、またこのグループの強みであるメロディーを上手く生かすために複数のバージョンをボラムさんに提示して「これはどうですか? それともこれは?」と意見を聞いて、ブラッシュアップし続けました。
キム・ボラム:「21st Century Romance」は元々2番のヴァースが空いていましたが、HUENINGKAIさんが手がけたバージョンがよかったので、それをそのまま使うことになりました。HUENINGKAIさんのガイドを聴いてからは「メンバーが歌えばもっとよくなるだろう」という確信も持てました。今回のアルバムは収録曲それぞれのジャンルやサウンドは異なっていても、アルバムを通して聴いた時、一つにつながっているように感じてほしいと思いながら作りました。「TOMORROW X TOGETHERらしさ」は残したまま、進化した感じがすればいいなと思いました。例えば、「21st Century Romance」はオルタナティブR&B系で「Take Me to Nirvana」はテクノをベースにしたエレクトロ・ポップですが、2曲続けて聴いてもサウンドの質感が完全にバラバラな感じはしません。そんな点を基準にしてアルバムの収録曲を1曲ずつ決めていきました。
「Take Me to Nirvana」は呪術を唱えるかのように繰り返されるコーラスメロディーとミステリアスな雰囲気が印象的な曲で、フィーチャリングしたVinida Wengのボーカルがその雰囲気を一層際立たせている気がしました。今回のコラボはどんなきっかけで実現しましたか。
キム・ボラム:今回のアルバムを制作する中で一番よく出てきたキーワードが「ミステリアスさ」でした。明るすぎず暗すぎず、悲しくも嬉しくもない、メンバーの複合的な瞬間や感情を盛り込みたいと思いました。Vinida Wengさんの声は「Take Me to Nirvana」のイントロでまるで呪文を唱えるような演出をして、アルバム全体に漂う「ミステリアスさ」を上手く引き出してくれました。
Slow Rabbit:ボラムさんが持ってきたデモを最初に聴いた時は「なんだろう?」と思いましたが、聴けば聴くほど引き込まれていきました。不思議な感じがしながらもトレンディーに聴こえました。2000年代のハウスとテクノがミックスされた曲なので、あの時代のノスタルジーを上手く表現できる声でありながら今の時代の感性を持つアーティストを探した結果、Vinida Wengさんに白羽の矢が立ち、コラボすることになりました。

今回のアルバムでは自然ながらも細やかな感情を伝えるメンバーのボーカルもまた重要な要素であると感じました。7年が経った今、TOMORROW X TOGETHERがボーカルの面で一番成長したと思う部分は何でしょうか。
Slow Rabbit:HUENINGKAIさんは以前は苦手にしていた裏声を今ではとても自然に表現できるようになりました。ボーカルの幅が広がってどんなジャンルでも歌いこなせるようになったと思います。SOOBINさんは元々声域が少し低めでしたが、「Beautiful Strangers」の頃から高くなってきて徐々にコーラスを任される場面が増えてきています。BEOMGYUさんは独特のトーンがとても魅力的で、今回のアルバムでは特に際立っていたと思いますし、これからもっと魅力のあるパートを担ってくれると思います。YEONJUNさん、TAEHYUNさんは元々ボーカルが上手で安定していて、いつも目立たないダブリングコーラスやガイドまで黙々とこなしてくれる、とても誠実なメンバーです。
最後にTOMORROW X TOGETHERの7年間を振り返る今回のアルバムの持つ意味についてお話しください。
Slow Rabbit:今回のアルバムは初心に立ち返って制作しました。デビューしたての頃にTOMORROW X TOGETHERが見せてくれていたユニークな感覚を盛り込んだアルバムで、実際に「久々のTOMORROW X TOGETHERらしさ」という反応もありました。TOMORROW X TOGETHERならではの個性をこれからも守り続けながらメンバーとずっと一緒にやっていきたいと思います。何よりもメンバーがいろいろと悩み抜いた分、大きく成長できたと思いますし、みんな心からTOMORROW X TOGETHERというグループを愛し、大切にしていることが感じられました。その想いが今回のアルバムにそのまま詰まっていると思います。
キム・ボラム:TOMORROW X TOGETHERは常に前へ進もうとするグループだと思います。これまでのアルバムでも、どうにかしてでも一歩前進しようとする少年の物語を描いてきましたが、今回のアルバムで自分たちの話をしようとなった時にメンバーは「先が気になるから、もっと前へ進んでみたい。僕たちはもっと上手くできると思う」と語りました。そうやってタイトル曲の歌詞のように「一日 あともう一日だけでいい」から自分の夢を追いかけようとする、明日へ進み続け成し遂げようとするその姿がTOMORROW X TOGETHERの色だと思います。その過程がとても美しく感じられ、応援したくなります。
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