
「めちゃくちゃポイントですね」。HARUTOのWeverse LIVEを通しての音楽の楽しみ方はそのように直観的だ。イントロのビート、歌詞一行から「おいしい」サウンドを捉える感覚は、長い間自分の嗜好を鍛え上げてきた結果だ。寝ている時でも起き上がって録音し、メンバー一人ひとりの好みまで考慮しながら制作作業をする彼にとって、音楽は最も率直な日記であり、原動力だ。何かを作ることを恐れていた少年を今のHARUTOへと導いたK-POP、その中でさらに堅固なものとなった彼ならではの「感覚の冴えた」音楽の嗜好について聞いた。
子どもの頃からK-POPを聴いて育ったと聞いています。
子どもの頃ダンススクールで「ガラガラ GO!!」で振り付けを習って初めてBIGBANGの先輩方を知りました。
その曲に夢中になった母のおかげで、その時からBIGBANGの先輩方の曲をたくさん聴いていました。
最近Weverse LIVEでのK-POPリアクションが話題になっていました。
時代の流れが僕に追いついてきた…冗談です(笑)。
LIVEをしながら冗談で「サイバー・モテオーラだ」なんて言っていますが、僕が普段から地道に続けてきた音楽の勉強を評価してくださったおかげで得られた幸運だと思っています。
TREASUREが活動していないのに、周りから「最近よく見ています」という言葉をよく聞くので、「ああ、何か今上手くいっているんだな」というのが感じられました。
でも、不自然になるんじゃないかと思って、周りの反応を意識しないようにしています。
K-POPリアクションLIVEはどのように始まったのですか。
普段からLIVEをする時は曲をずっとかけているんです。そうするうちにK-POPもかけてほしいというコメントを見て始めたんですが、その反応が良かったんです。
Weverse LIVEで曲を選ぶ時の基準はあるのでしょうか。
自分がただ良いと感じる曲ならずっと聴いていようと思うんです。
Weverse LIVEでは、ファンの皆さんも気軽に聴けるような曲を中心に流すようにしています。
僕が好きな音楽の中には、少し実験的だったり、好みが強く出る曲もあるので、そういう曲はあえてタイトルを言わないこともあります(笑)。
それでもファンの方たちが探してコメントで教えてくれますけど。そんな時、僕のLIVEを見にきてくださる方たちはセンスが良いなと感じます。
リアクションをする時も、曲を細かく分析してくれる姿が印象的でした。
リアクションのために勉強を始めたわけではありませんが、そもそもジャンルやルーツを知らない状態でLIVEを行うと、物足りなさがあると思うんです。
でも、音楽をたくさん勉強したことで良い反応がもらえたと思うので、「根拠のあるブレイクだ」と敢えて言えるかと思います(笑)。
そのように音楽を細かく分析する習慣はいつから始まったのですか。
実は事務所にラッパーとして入ったわけではないんですが、あるスタッフの方がラップをやってみたらと言ってくださったので、始めることになりました。
もう少し頑張らないとなと感じていたので、周りのアドバイスを聞いて、変声期の頃にわざと大声を出してみたり回復させたりする過程を繰り返しながら、今の低い声を作りました。
そして「低い声のラッパーには誰がいるだろう?」と思いながらさまざまな曲を聴いて、ラップの繰り出し方や作詞の構造といったことをたくさん研究しました。その癖があるので、今も分析し続けているんだと思います。
曲を聴く時、特に惹かれるポイントがありますか。
誰が聴いても「ここだ」と思えるポイントがある曲に惹かれます。
RIIZEの皆さんの「Bag Bad Back」でもビートが止まってSHOTARO先輩の「シュッシュッ」が聞こえてくるので、誰もがこれがポイントだということがわかりますよね。
ILLITの皆さんが歌った「Billyeoon Goyangi (Do the Dance)」の「ユラユラ ニャオン」も誰が見てもポイントですし。
KiiiKiiiの「404 (New Era)」はイントロの「タンタンタン」の部分で、すでに完璧だと思いました。
Hearts2Heartsの皆さんの「STYLE」も本当に好きなんですが、曲の最後にサビのメロディを使わずに、新たに作ったその部分がすごく良いです。
話したらキリがないですね(笑)。僕も曲を作る時、そうやって作ろうと思っています。「誰が見てもポイントだ」と感じられるように。
BIGBANGから今の第四、第五世代までK-POPの流れをずっと見守ってきましたよね。アーティストとして最近感じられる変化はありますか。
昔のK-POPはグループごとの色がしっかりあるのが良かったとしたら、最近はハウスやテクノのように海外で先に流行り始めたジャンルをK-POPスタイルに変えているように思います。
流行を大衆化しているのが最近のK-POPだと思います。
ご自身でも曲を作っているだけに、トレンドを把握するためにいつもさまざまな曲を聴いていらっしゃるようですね。
メロディは韓国のヒップホップからずいぶん影響を受けていて、ビートは海外の音楽が持つムードに、より耳を傾けるようになりました。
例えば、僕はニュージャズをよく聴くんですが、そのジャンルの曲に出てくるシンセの音があるんです。ちょっとミニマルでかわいいサウンドなんですが、それが出てくると曲も聴かずにすぐにプレイリストに入れるくらいです。
実はもともとプレイリストを作っていませんでした。でも好きな曲ばかり探して聴いていると、似たようなものばかりになってしまって(笑)。それで最近は見やすいようにジャンルや好きなアーティスト別にまとめて作っています。
音楽をディグるHARUTOさんならではの方法はありますか。
ディグるのは暇な時にたくさんやっています。周りの知り合いの方からもたくさんおすすめしてもらっていますし。
ファンの方たちからどこでディグるのかと聞かれるんですが、実は前にあまりにいろいろと探していたら、今はアルゴリズムでよく出てくるので、良い曲があったらダウンロードします。ですので、はっきりとはお答えできないんです(笑)。
ファンの皆さんにお届けしようと、もっと一生懸命やっているようにも思います。
ファンの皆さんに音楽を共有することによって何を伝えたいのですか。
「自分の好みに気づいてくれたらいいな」というのがあります。
僕のLIVEを聴いて、自分の好みを見つけ、それをもとにディグるのもいい方法ではないかと思うんです。僕もそういうやり方で見つけていますし。
音楽の好みについてHARUTOさんならではの確固たる基準があるようですね。
はい、確かに。自分だけの好みは絶対持っていたいなと思います(笑)。
ですので、とにかくいろいろなものをたくさん聴いてみようと思っています。
音楽がとても好きで、絶えず何かを聴いたり作ったりしている分だけ、音楽をより好きになっているように感じるので。
自分の好きなものに導かれてここまで来たので、これからも自分の好みに合わせて、聴き、作りながら生きていきたいです。
時々好きな曲に自らヴァースを書く過程をLIVEで見せてくれたり、作ったヴァースをアップしてくれたりもしますが、それがHARUTOさんならではのリスペクトの仕方のように思いました。
「この曲を聴くと制作したくなるな」と思ったのが、CORTISの「FaSHioN」、KiiiKiiiの「404 (New Era)」、LNGSHOTの「Moonwalkin’」、この3曲でした。
「フィーチャリングのような感じでパッと出てきたらおもしろいな」と思いました。
純粋に曲に対するリスペクトと、僕が見せたいという意欲が込められた作品だと言えると思います。
以前、韓国語で歌詞を作るほうがもっと楽だとおっしゃっていましたが、理由がありますか。
ライムも合わせやすいですし、略語を使えるパターンが多くて楽しいです。
歌詞の最初の行に「帽子(moja)」を入れたら、次は必ず「-o-wa」にしなければならなくて。こうして、ライムを合わせる際の自分なりのルールがあるんです(笑)。
歌詞を書く時、日本語と韓国語を合わせて書いたりもするんですけど。
日本語だけど、韓国語でライムが合うように書いた歌詞があるんですが、そのライムが合った時の快感はハンパじゃなかったです。
TREASUREのメンバーたちと制作作業をする時はどうですか。
最近はJEONG WOOさんとよく作業をしていました。
JEONG WOOさんが自分の曲の好みをみんなに知ってほしいと言っていたので、「あ、僕はJEONG WOOさんの曲の好みがわかっているから、JEONG WOOさんのための曲を一度書いてみよう」と思って、ただひたすら書いてみた曲があったんです。
それをJEONG WOOさんが聴いて、「いや、これは一緒にやらなきゃ」と言って一緒に作ることになりました。
JUNG HWANさんとは「YELLOW」のミュージックビデオを撮影していた時だったかな。すぐに出かけないといけないスケジュールだったんですが、寝つけなくて、「作業する人?」と聞いてみたんです。そうしたらJUNG HWANさんが「はい」って言って、一緒に作った曲もあります。
メンバーごとに一緒に作業するスタイルも違うようですね。
メンバーと長い間一緒にいるので、どう伝えればいいかわかっていて、それを考えながら話します。
例えばJEONG WOOさんの場合は、作業に没頭できるよう、部屋から出られないくらい僕が付きっきりで一緒にやらないといけません。
JUNG HWANさんとは優しく話をして、曲の中でポイントを入れるようにしていますし、ASAHIさんは曲が完成された状態でラップを書いてくれるよう頼むことが多いです。
では、メンバーたちと作業する時、HARUTOさんならではの好みを維持する方法はあるのでしょうか。
もともとメンバーたちが僕と作業する時にやりたかったこと、何らかの感情を解消できる時間になったらいいなという思いで、メンバーたちの好みをいろいろと反映させていました。
でも最近はむしろ、メンバーと一緒に音楽を勉強するという感覚です。
JEONG WOOさんと作業した時は、偶然僕がR&Bをよく聴いていた時期だったので、メロディを上手く作ることができました。
JUNG HWANさんと作業した時は、僕の好みを押し通そうとしたんですが、実はJUNG HWANさんも今そういう曲を聴いていたんです。
そうやって偶然に一致することもありますし、楽しく作業しています。
以前『SINGLES』誌のインタビューで、音楽の制作が充電になるとおっしゃっていましたが、どのような点で充電だと言えるのでしょうか。
僕が聴いている音楽を僕が作れるということから得られるドーパミンと、自由に歌詞を書けることから来るドーパミン。
またそれを聴きながら仕事に行った時に感じる癒やし、そういうものが僕のエネルギーを充電してくれる気がします。
仕事の延長というよりは、感情を綴る日記のような感じですね。
今考えていることや抱いている感情を歌で表現したらかっこいいじゃないですか(笑)。
僕の部屋のベッドのすぐ脇に机があるので、寝ている時でも、すぐに起きて録音します。
後でまた聴いた時、「あ、この時はこういう感情だったんだな」と振り返れるんです。ですので、僕の歌は日記のようなものです。
映画やドラマよりも日常の中で得るインスピレーションのほうが多いです。僕が生きてきたことや抱いた感情が歌になるのでおもしろいですね。
僕が音楽を愛する理由の一つでもあります。
ですので、歌詞では嘘をつきません。No cap。
K-POPファンとして育ってアーティストになり、さまざまな音楽の楽しさを伝えられるようになった今、HARUTOさんにとってK-POPはどんな意味があるのでしょうか。
今でも僕がアーティストとして活動していることが不思議です。
K-POPは僕を聴く人ではなく作る人にしてくれたジャンルです。
僕はもともと何かを作ることをすごく怖がっていた人間で、一人で作っても誰にも聴かせたりしなかったんです。僕のそういう内気な姿を変えてくれたのがK-POPだと思います。
ですので、K-POPと他の曲を区別しないで、音楽を一つのものとして考えてくれたらという個人的な願いがあります。僕もLIVEのおかげで良いK-POPをもっとたくさん知ることができました。
HARUTOさんのK-POP LIVEは今後も続くのでしょうか。
僕はただ音楽そのものが大好きで始めたので、ずっとWeverse LIVEを続けても飽きないと思います。
好きな人には勝てないじゃないですか。そういうことだと思います。
Weverse LIVEを通して僕の本当の姿をお見せできて感謝しています。
この機能がすごく好きなので、長いこと続けていきそうです。
これからどんなアーティストになりたいですか。
今でも先輩方が立ったステージで公演をする時や、若いファンの皆さんをステージの上から見る時、「ああ、先輩たちには僕がこんなふうに見えていたんだな」と思って不思議です。
子どもたちに夢を与えられるのがアーティストだと思うので、もっと何かしてあげたいですし。
「音楽に対する理解度が違う」ということを感じさせるアーティストになりたいです。
「ああ、この人はこんなにまでできるんだ」というのをお見せします。耳で楽しいだけでなく、驚きも感じていただけるようにしたいです。
僕はいつも「感覚の冴えた人」です。