INTERVIEW
「ICONIC BY MISTAKE」コディ・クリチェロ監督インタビュー
混乱と逆転が生み出した連帯の世界
Credit
キム・リウン
インタビューキム・リウン
写真SOURCE MUSIC、BELIFT LAB、HYBE x Geffen

「ICONIC BY MISTAKE」のミュージックビデオで、LE SSERAFIM、ILLIT、KATSEYEのメンバーたちは、自分たちに向けられた視線の中でもユーモアを失わない。墓地で石像にキスをし、ふざけて歯を引き抜き、草原を飲み込みそうな炎の前でギターを弾き、マシュマロを焼いて食べる。誇張と既存概念の逆転、混乱によって生み出されたこの世界は、コディ・クリチェロ(Cody Critcheloe)監督の手によるものだ。ミュージックビデオの監督であり、写真家、そしてマルチメディア・プロジェクト「SSION」として活動するミュージシャンでもある彼に、「ICONIC BY MISTAKE」が構築した世界とその裏側にある美学について聞いた。

KATSEYEとは「Touch」と「Gnarly」のミュージックビデオでタッグを組みましたが、一方でLE SSERAFIMやILLITとは今回のプロジェクトで初めてコラボすることになりました。3組のグループそれぞれに対する印象はいかがでしたか。
コディ・クリチェロ:私は3組ともすべて本当に好きです。3組が一つの強烈な曲の中でコラボできるという点がとても楽しみでした。各グループは今回のコラボで全く異なるエネルギーをもたらしてくれました。ILLITは、私が求める美学と自然に調和するグループのように感じました。彼女たちには、繊細でありながらも独特で、どこか風変わりな魅力があります。そんな雰囲気は、1990年代のオルタナティブロックのミュージックビデオ特有の感性を思い起こさせるんですが、それは私が常に惹かれてきたビジュアル的な感覚とも通じるものがあります。

一方、LE SSERAFIMには、大胆なロックスターのエネルギーがあります。私もロックから大いに影響を受けてきたので、そのエネルギーに共感できました。そしてKATSEYEは、大胆でカリスマ性あふれる自信を持っていて、それ自体がとてもポップです。彼女たちには飾らない魅力があって、メンバーそれぞれが優れたユーモア感覚もあります。

監督はSSIONという名前で独自の音楽世界を構築していらっしゃいましたが、ミュージシャンであり監督という視点から、「ICONIC BY MISTAKE」の音楽をどのように解釈したのかお聞かせください。
コディ・クリチェロ:この曲にはどこか脅威的でありながらも、大胆なエネルギーが込められています。パフォーマンスも自信と反骨精神、そして権威に対する挑戦という情緒をベースにしているので、ビジュアルもそれと同じエネルギーを表現しようと思いました。でも、結局最も重要なのは、音楽が持つ感情や情緒に合わせることです。私も長年ミュージシャンとして活動して、音楽を中心にビジュアル世界を構築してきたので、アーティストやプロデューサーの方々に深い親近感を抱いています。ですので、常に曲の本質を描き出そうと努めています。歌詞を単にそのまま再現するのではなく、その裏側にある音楽が実際に伝えようとしていることを捉えようとしています。

歌詞のメッセージがとても明確なだけに、ビジュアルはもう少し暗示的で、予想外の方法で表現したいと思いました。そうすることによって、聴くことと見ることの間に緊張感を生み出そうとしました。私はそのような対比にいつも興味を抱くんです。「ICONIC BY MISTAKE」は、私には、弱点のように見えるものを、むしろ自分だけの強みに変える過程を思い浮かべさせます。この表現にはある種超然としたものがあります。結局は深い自信として感じられる、規範に縛られない態度です。世の中がどんな苦難を投げかけてきても、結局はそれさえも自分に有利な方向へと変えてしまう、めったに揺らぐことのない回復力を象徴しているようにも思います。アイコンと呼ばれるようになることは、意図的に追い求めたからといって成し遂げられることではありません。むしろ偶然のように、自然についてくるものなんです。だからこそ、より強力に感じられるんだと思います。

今回のミュージックビデオでは、3組のグループが持つ固有の特性や物語がよく反映されているように思います。例えば、ILLITが登場するシーンが、「Cherish (My Love)」で登場した「親知らずクラブ」のモチーフを新たに解釈しているように。そのように、各グループのアイデンティティや物語を反映した仕掛けを通して、何を表現しようとしたのでしょうか。
コディ・クリチェロ:実はそれは、最初からこのプロジェクトの核となるアイデアの一つでした。各グループのアイデンティティはそのまま維持しながらも、一つのより大きな物語の中でともに存在できる世界を作りたかったんです。LE SSERAFIMの墓石のシーン、ILLITの親知らずのモチーフ、そしてKATSEYEのさまざまな視覚的レファレンスは、すべてファンの皆さんには馴染み深く感じられながらも、より大きな物語の中では新たな意味を持つように設計されました。各グループがこれまで披露してきたモチーフやアイデアを取り入れつつ、それを「ICONIC BY MISTAKE」という世界の中で新しい方法で表現しようと思いました。

監督は、パフューム・ジーニアス(Perfume Genius)、ロビン(Robyn)、イヴ・トゥモア(Yves Tumor)、キング・プリンセス(King Princess)など、さまざまなアーティストとコラボをしながら、神話、帰属意識、矛盾、そして幻想と現実の境界といったテーマを扱ってきました。一方、最近はKATSEYE、BTSのj-hopeとのコラボに続き、「ICONIC BY MISTAKE」を通してK-POPとの接点をさらに広げています。これまでの制作経験が、K-POPとのコラボにどのような影響を与えているのかについてお聞かせください。
コディ・クリチェロ:私はK-POPの制作作業が本当に好きなんです。私がK-POPで最も高く評価している点は、音楽を中心に一つのビジュアル世界を構築することに大変な労力を注いでいることです。世界観や象徴、イースターエッグ、そしてより広い芸術的ビジョンを構築しようとする真摯な意志が感じられます。そういう部分は、もともと私の個人的な制作を行う際にも、自然と追求してしまう方向性でもあります。

もう一つの興味深い点は、K-POPが全世界を舞台にしながらも、ビジュアルや音楽において独特な、予想外の試みを決して諦めないということです。もしかしたら、予想外のテーマの組み合わせかもしれませんが、シュールなストーリーテリングや神話、矛盾、そして世界構築に対する私の創作的な本能は、K-POPという生態系の中でも自然に発揮されていると思います。

以前から監督のミュージックビデオでは、特定の神話にひねりを入れて現実を表現する演出がよく見られました。例えば「To Die In L.A.」では、LAという街を取り巻く常套句や幻想を織り交ぜ、かえってその空間の本質を映し出し、SSIONとして発表した「Inherit」は、華やかさを最大限に表現し、ショービジネスの空虚な裏側を捉えていました。今回のミュージックビデオでは、エンターテインメント産業のどのような神話、あるいは現実を再現しようとしたのか、それを「mistake」という概念と結びつけて、どのように覆そうとしたのかについてお聞かせいただけますか。
コディ・クリチェロ:ミュージックビデオ全般にわたり、繰り返し登場する警察や監視、そして絶え間ない評価と検証は、エンターテインメント産業に対する包括的なメタファーと言えます。でも、その中で状況を主導しているのは、結局アーティストたちです。彼女たちは絶えず監視され、評価され、分析の対象となりながらも、決して受動的な存在にとどまりません。そして、その力は結局彼女たちが持つ態度から来ています。彼女たちは遊び心があり、超然としていて、周囲の混乱も意に介しません。彼女たちは自分たちが絶えず分析されているということをよくわかっています。でも、その視線をプレッシャーとして受け止めるのではなく、むしろそれを主導権として活かします。彼女たちに迫るどんな予想外の状況も、結局は彼女たちの強みとして作用します。ミスや偶然、そして不完全ささえも、誰かをアイコンにする要素になり得るということです。

「ICONIC BY MISTAKE」のミュージックビデオで、メンバーたちは誰かに見られているということを知りながらも、各自の選択に従って行動します。例えば、LE SSERAFIMは穴の中に落ち、ILLITはふざけて歯を抜き、KATSEYEはトウモロコシを投げて火をつけます。それらの選択は論理的ではなく、時には過激でグロテスクにも見えます。そのように予想を裏切り、ユーモアと違和感を同時に誘発する行動とイメージを通して、どのようなムードを具現化しようとしたのでしょうか。
コディ・クリチェロ:最も重要視した点の一つは、メンバーたちがミュージックビデオの中で自ら選択し、行動する主体として感じられるようにすることでした。それは最初から私だけでなく、3組のグループ全員が重要に考えていた点でした。メンバーたちが誇張され、馴染みがなく、時には異様にすら感じられる状況に置かれることを望みましたが、そのすべてのシーンには常にユーモアが込められていることも望んでいました。核となるのは、その真剣ささえもユーモアと風刺を内包しているという点です。今回のミュージックビデオで、アーティストたちは決してその不条理さの犠牲者ではありません。むしろそれを主導し、楽しんでいます。そんな遊び心のおかげで、それらのイメージは単に暗く異様なだけに感じられることはありません。

私は自分の作品において、既存の規範をひねり、覆すのが好きです。時にはそういった要素をよりさりげなく表現することもありますが、「ICONIC BY MISTAKE」ではそれをより大胆に押し出すほうが自然に感じられました。今回のミュージックビデオに登場する多くのアイデアは、ややもすると純粋なキャンプ(camp)美学として受け取られるかもしれませんが、私はミュージックビデオ全体が暗く不吉な雰囲気を醸し出しすことを望みました。そのために、既存のキャンプ美学をねじ曲げる新しい視覚言語を作り出すことが重要でした。

今おっしゃったその美学は、人物に典型的に美しく焦点を当てるK-POP固有の演出手法とは違いがあるように思えます。今回のミュージックビデオを通して、どのような新しい美学を表現しようとしたのか、そして同時にK-POPのどのような魅力を維持しようとしたのか、ご説明いただけますか。
コディ・クリチェロ:私がK-POPで最も好きな点は、ストーリーテリングの深さです。世界観や象徴、そしてファンが自ら解釈し、意味を読み取ることができる多様な層が存在するという点が魅力的です。何よりも私が守りたかったのはまさにその点でした。ビジュアル的には、慣習的な美の基準から抜け出そうと思いました。メンバーたちには皆独自の美しさがあるので、むしろあまり洗練されることなく、予想外のやり方で彼女たちを見せることにも自信がありました。そのようなやり方は自由さをもたらしてくれるんです。そのおかげで、メンバーたちはより遊び心を持って、人間的で、豊かに自分を表現することができました。

私は美の基準に挑戦するのは健全なことだと考えています。むしろ荒削りな部分や予期せぬ瞬間のような不完全さこそが、ものごとを生き生きとさせるんです。そして、そのようなメッセージが、無意識のレベルであっても、既存の規範からもう少し自由になれる勇気を人々に与えてくれることを願っています。

「ICONIC BY MISTAKE」のミュージックビデオには混乱があふれていますが、その混乱が生み出すものは、結局は連帯のように思います。ミュージックビデオはLE SSERAFIMが歌い始めた曲をILLITが引き継いで歌うシーンから始まり、その後は皆が一緒に集まってキャンプファイヤーをするシーンで締めくくられます。監督は「ICONIC BY MISTAKE」で、連帯というテーマが究極的には何を意味しているとお考えですか。
コディ・クリチェロ:私にとってその意味は、最後のキャンプファイヤーのシーンで最もはっきりと表れています。あらゆる混乱を乗り越えた後、結局は皆が一つになるんです。驚くほどシンプルながらも愛らしく、どこか滑稽でもあります。アメリカではそういう瞬間を、冗談めかして「クンバヤ(kumbaya)・モーメント」と呼んだりもします。その華やかさと非現実性のすべての下には、結局は互いにつながっているという感覚、そしてともに何かを経験するという感情があります。

最後のキャンプファイヤーのシーンの後、パトカーが突入して来て、再び物語の最初に戻るという暗示が登場します。そのような構造は、まるで現実の循環性を表しているようにも見えますが、一方では、ミュージックビデオ全体に表れている、メンバーたちの主体性をベースにした果てしない抵抗、あるいは楽しい連帯についての暗示のようにも見えます。その二つの解釈について、監督のご意見はいかがですか。
コディ・クリチェロ:その解釈は二つとも可能だと思います。このミュージックビデオは、始まりと終わりがはっきりと存在していない、一種の「夢の論理(dream logic)」をもとに構成されているんです。物語は再び最初に戻り、そうして果てしなく続く瞬間の集合となります。それが抜け出せない繰り返しのように感じられるか、あるいは自ら絶えず新たに作り出していく瞬間のように感じられるかは、見る人次第だと思います。

最後に、今回のプロジェクトを振り返って、最も印象深く記憶に残っている瞬間や経験があればお聞かせください。
コディ・クリチェロ:韓国で制作する経験は、いつも私に多くのインスピレーションを与えてくれ、とても大きな意味があります。3組のグループすべてに共通して印象深かった点は、メンバーたちが今回のプロジェクトが追求する情緒や方向性に深く没入していたという点です。全員が最高の作品を作り出すために、同じ方向を向いていましたし、プロジェクト全体にわたり真のコラボが成し遂げられていると感じられました。

「Gnarly」に続いて再びコラボすることになった韓国の制作会社アンビエンス(AMBIENCE)にも感謝の言葉を伝えたいです。いつも期待を超える結果を生み出し、野心的なアイデアを現実へと具現化してくれたことに、特に感謝の意を表したいです。そしてKATSEYEと制作作業をする過程で、ウンベルト(Humberto Leon、KATSEYEのクリエイティブディレクター)、ジョアン(João Moraes、KATSEYEのビジュアルディレクター)、ジェイ(Jay、HxGイン・ジョンヒョン首席クリエイティブプロデューサー)ともとても親しくなりました。三人とも私が深く尊敬し、大切に思っている方々です。私が初めてK-POPと縁を結ぶことができたのも、まさに彼らのおかげです。

韓国のスタッフの方々の献身ぶりは本当に印象的です。私が韓国で制作作業をするのが大好きな数多くの理由の一つでもありますし。「ICONIC BY MISTAKE」のミュージックビデオがこうして完成したことに大変満足していますし、今回の機会を得られたことに心から感謝しています。私は完成した作品に対する確信があります。そしてその確信がファンの皆さんやこの作品を見るすべての人々にも伝わるだろうと思っています。

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