KAZUHAは昨年まで15年間バレエをしてきた。しかし今年から、ガールズグループLE SSERAFIMのメンバーとなった。その選択をした思いを聞いた。
デビューまであと少しですが(インタビューはデビュー前に行われた)、最近の気分はいかがですか。
KAZUHA:コンテンツが公開されて、皆さんがとても関心を持ってくださるので、すごく不思議な感じです。それとアイドルの話をするYouTuberの方たちもいらっしゃるじゃないですか。そういう方たちの動画を普段からよく観ていたんですが、今はその方たちが私の話をしているのが不思議です(笑)。
KAZUHAさんの姿が初めて公開された「LE SSERAFIM『KAZUHA』」では、KAZUHAさんがバレエをしている姿が出ていました。バレエをまた踊った時どんな気持ちでしたか。
KAZUHA:実は久しぶりにバレエをすると難しいんですが、あの時は映像がきれいに映るように、撮影前にバレエの練習をずっとしていました。映像の撮影をした時が、たぶんバレエをやめてからそれほど経っていないときに、すぐ撮影したものなんです。それでバレエをする姿をきれいにお見せできたと思います。映像が完全にバレエのコンセプトで、私がどんな人かを見せられる映像だったので、今までやってきたバレエを自然に見せたいと思いました。そしてバレエをやっていた時も、こうしてセットを組んだスタジオで撮影したことはなかったんですが、こういう新しい映像を通して、もっとかっこいい姿を見せたいと思いました。
バレエはいつから始めたのですか。
KAZUHA:3歳からです。たぶん韓国の歳で言うと5歳だと思います。
とても幼い頃に始めたのですね。
KAZUHA:はい、最初は私が習いたいと言ったわけではなかったんです(笑)。母が家の近所にあったバレエスタジオに私を入れて、それで自分もよくわからないうちに習い始めました(笑)。子どもの頃は友だちと楽しく遊びながら習う感じでした。そしてだんだんコンクールにも出るようになって、バレエをプロとして踊る人もいるということを知りました。そんな姿がかっこいいと感じましたし、「私もあんなふうにプロとしてバレエを踊りたい」と思っていました。
長い間バレエをしてきて、オーディションに応募するのは、大きな決断だったと思います。
KAZUHA:バレエを続けながら、今後「私の人生でバレエだけをすること」についてずいぶん悩んでいました。もちろんバレエをしている間、その過程が楽しくて、学ぶことも多いのは良かったんですが。同時に「これが本当に私がやりたい夢なのか」という思いもずっとあったような気がします。そうするうちにだんだん、K-POPのような他のジャンルで、いろいろな表現ができるステージをしたいという気持ちが生まれました。でもいざ新しいことを始めるとなると簡単ではなくて、留学もしていたので、どうすればK-POPの世界に入ることができるかもわからず、とてももどかしく思っていました。そんな中、コロナでK-POPのオーディションがすべてオンラインに変わったんです。
思ってもいなかったきっかけができたのですね。
KAZUHA:はい。その時学校のバレエの授業がそんなになかったこともあって、家にいる時間も長くなったので、いろいろと考えたり悩んだりずいぶんしました。そうするうちに「バレリーナ」という職業も魅力的だけれど、今の仕事がもっといろいろと夢を広げられる仕事だと感じるようになりました。ずいぶん悩んだりもしましたが、「まずやってみよう!」という感じで、オーディション映像を送りました。
どんな映像を送ったのですか。
KAZUHA:BTS先輩の「Dynamite」の振り付けの映像とバレエの映像を一緒に提出しました。「Dynamite」のダンスブレイク部分があるんですが、それがとてもかっこよくて、一度やってみたかったんです(笑)。オーディションの準備をしながら、BTS先輩のステージを観ていて感動も受けました。皆さん同じ振り付けなのに、メンバーの方々がそれぞれ持っているカラーがちがって、もっとかっこよかったです。特にJIMIN先輩の振り付けを見ながら、「美しい」と感じました。あんなふうに舞踊とK-POPの振り付けを調和させて表現する人がいるということが感動的でしたし、そんなステージにすごく関心が湧きました。
デビューアルバムの収録曲「Blue Flame」のパフォーマンスにも、バレエを連想させる動きがあります。K-POPの歌に合わせてバレエの動きを調和させるのはどうでしたか。
KAZUHA:実際バレエとK-POPの振り付けを上手くミックスするのは簡単ではありませんでしたが、その調和をできる限りかっこよく見せたいと思いました。私がK-POPを始めてまだあまり経っていないので、バレエの動きをしたらただバレエにしか見えないんですけど、それをしないとあまりにK-POP的にばかり見えてしまって。それでその中間を見せるのが、少し難しかったですね。
バレエとK-POPの振り付けのちがいもあると思います。
KAZUHA:体の使い方が少しちがうように思いますが、基礎をきちんとしなければならないのは同じです。バレエも基礎をきちんとしなければならないですし、K-POPの振り付けも基本をきちんとすることが重要だと思います。実際K-POPの振り付けを初めて習った時は、とにかく初めてなので難しかったです。ずっと習いながら、基本に忠実であるよう努力しました。それから、バレエをする時は、アイドルのステージのように撮影をたくさんしません。ステージがとにかく観客席とは距離があるので、観客に私の表情までは細かく見えにくいこともありますし。ですので、これまでは表情に気を配るよりは、動きにとても気を配っていました。でもK-POPの振り付けは、カメラ撮影やクローズアップもたくさんあるので、「これからは顔の表情にもしっかり気を配らなくちゃ」と思いました。
表情の練習だけでなく、歌やラップまでしなければなりませんでした。スカウトされた直後から、その両方を一緒に習うのは難しくありませんでしたか。
KAZUHA:ラップはこちらに来て初めてやったので難しかったです。それで、できる限り教えてくださる先生のラップを真似しようと思いました。そうやって練習しているうちに、ある瞬間先生のように上手くできるようになった気がします(笑)。歌も本格的に始めたのはこちらに来てからで、その前は歌を聴くのが好きで、趣味でカラオケに行く程度でした(笑)。
好きで聴いていた歌がありますか。
KAZUHA:私は最初にBLACKPINK先輩の歌を聴いて、K-POPにはまりました。最初に「BOOMBAYAH」のミュージック・ビデオをYouTubeで偶然観たんです。その時その映像を観て、「これってどんな世界なんだろう?」と驚いた記憶があります(笑)。そしてBLACKPINK先輩が大阪にいらした時、コンサートに行ってライブステージも観ました。
直接コンサートにも行ったんですね(笑)。
KAZUHA:実際にステージを観た時、感動的で涙が出ました。今までバレエの舞台はたくさん観ましたけど、バレエの舞台とはちがう感じでかっこよかったです。その時「私もあんなステージに立てたらいいな」と思いました。BLACKPINK先輩は、かっこいいのにきれいでカリスマ性のある、そんな人たちなので、あんなふうになりたいという気持ちがたくさんありました。かわいいスタイルじゃなく、かっこいい女性の感じです。
タイトル曲の「FEARLESS」を聴いた時、とても気に入ったそうですね。
KAZUHA:そうなんです。「FEARLESS」が今のK-POPにある音楽とは少しちがう感じを与える曲なので気に入りました。そしてきれいでかわいい姿ばかり見せるのではなく、自分の考えとストーリーを持って、かっこい姿を見せられる曲だと思いますし。歌が中毒性もあって、振り付けも真似しやすい部分もたくさんあるので、その分私たちがエネルギッシュにもっとかっこよく、ステージできちんとお見せしたいです。メンバーたちは今までみんな別々の場所でそれぞれ一生懸命生きてきましたが、これからはそのメンバーたちがみんな一緒に集まって、同じ夢を持って、恐れず前に進んでいくという私たちのストーリーもきちんと盛り込まれています。私がスカウトの連絡をもらった時、なぜ私に連絡をくださったのか気になっていました(笑)。でも今思えば、私たちのグループは「自分がやりたいことをやる」のに自由なので、グループの方向が私とよく合っていたのではないかと思います。私ももともとバレエをやっていて、今はやりたかったK-POPをやっていますから。
「FEARLESS」がご自身のストーリーだとも言えるでしょうか。すべてのことが新しい環境の中で、恐れることなく進んでいくという。
KAZUHA:スカウトの連絡を受け取った時、実は学校でバレエ団のオーディションの準備をしていた時期でした。「これからどんな場所でどんなことをするか」についてずいぶん悩んでいた時期でもありましたし。これから私に何ができるかもよくわからない状況だったので。「どこにも安定した道はない」と思いました。そんな状況の中でこれから「どんなことがしたいか」、ずっと考えていて、K-POPというこの新しい道、歌手の道を選択するのが正しいと感じました。私は悩みがあるといつも、日記にその悩みを書くんです。その時書いていた悩み、思っていたことを読み返すと、確実に私がやりたいのは「新たな道を行くこと」でした。だからこそこの道を選択できたんだと思います。
でも数か月で完全に馴染みのない世界に来たら、大変な部分がたくさんあったのではないですか。
KAZUHA:本当にちがいます。例えば、写真撮影だけ見ても、バレエのプロフィール写真の場合はオーディション提出用なので、顔だけちゃんと見えるようにパスポート写真のように撮るんです(笑)。でもこうしてアイドルのプロフィールを撮影する時は、表情も様々にしなければならないというちがいもあります。表情はずっと悩んでいる部分なので、一人で鏡を見ながら練習もずいぶんしています。
慣れない環境で適応しようとしたら、メンバーたちの助けが必要だったでしょうね。
KAZUHA:私がわからない韓国語の単語があるとき、毎回聞くのもどうかなと思うんですけど、SAKURAさんがそのたびに個別に教えてくれています(笑)。そして他のメンバーたちもみんなよくしてくれて、雰囲気も最初から良かったです。私が初めて来た時もみんなが歓迎する雰囲気を作ってくれたので、上手く適応できたように思います。初めて一緒に練習した時は、何だか無我夢中だったこともあって、「とにかくやろう」という気持ちで練習しました。初めて振り付けを習った時撮影した映像もあるんですが、今見るとあれは本当に公開できない映像です(笑)。でもデビューの準備をしていて、今まで練習生生活をしてきた年上、年下のメンバーたちが、振り付けをやる時たくさんアドバイスをしてくれました。毎回細かく教えてくれたので、メンバーたちから学ぶことも多くて、おかげで上手く適応できました。
年上、年下のメンバーたちの役割が大きいですね(笑)。
KAZUHA:そうですね。私は一人っ子なんです。実際には姉も妹もいないので、姉や妹のいる生活はどんなものなのかよくわからなかったんですけど、今は自然な日常になったような気がします。私は一人っ子で、留学も一人で行きましたし、実は一人で個人の時間を持つことも好きなんです(笑)。それでもこうして集まって、年上メンバーは雰囲気をリードしてくれますし、年下メンバーは愛嬌たっぷりでかわいいので、そういう生活がもっと楽しいです。最近メンバーたちと一緒にいる時間が本当に多いんですが、普段はいつもメンバー同士で理解し合って配慮し合いながら過ごしています。また、一緒に練習する時は、みんなが良いステージを創ろうという目標を持って、お互いフィードバックをし合ってもいますし。みんなが同じ目標を持っているグループだというのは、すごく特別なことだと思います。そういう点で私がこのグループに来ることができて、とても嬉しいです。
同じ目標を持った特別なメンバーたちと、ファンの方たちに会う日がもう間もなくです。これからどんな姿でファンの方たちと会いたいですか。
KAZUHA:私はまだ、K-POPアイドルの道をスタートしてあまり経っていないので、ファンの方たちにこれからますます成長していく姿を見せたいです。グループとしては、私たちの目標、夢に向かって走っていく、そんなグループの姿を見せたいですし。そして私がバレエをやっていた時も、舞台とダンスを通してたくさんの人に「元気やポジティブなエネルギー、感動を与えられる人になりたい」という気持ちがありました。今はK-POP歌手という別の道を進んでいますが、その気持ちは変わらず一緒です。いつもそういう気持ちを持って、ステージと音楽を通してたくさんの人たちに元気を与えられる、そんなアーティストになりたいです。
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