BTSもRMも、彼らについての「証明」を終えた。そしてRMは『Proof』の次を夢見ている。
『Proof』に「Young Forever(RM Demo Ver.)」が収録されています。メロディが最終バージョンとちがい、RMさんのミックステープ『mono.』の雰囲気が感じられました。内面の思考にふけっている感じでしたが、それから6年の間積み重ねられた思いだと言えばいいでしょうか。
RM:今は内面の思考ではなくて、確かに言うべきことがあると思います。何か確かに言うべきことがあるのに、それをずっと言えない感じがとても大きいです。このグループにいることで自分が得たすべてのことは、自分一人だったら得られないものじゃないですか。ですので、僕が一人で成し遂げなければならない部分については、自信があまりありません。だからこそ自分として生きること、BTSとして生きることについて考えなければならないんです。BTSは僕にとって家族なんです。危機が訪れたら、誰よりもお互いの味方でなければなりませんし、嬉しいことも共にしなければならないし、悲しいことも共にしなければなりません。そういうことの間に何をすべきかについて、考えなければならないんです。
美術についてコツコツと勉強した結論だとも言えるでしょうか。
RM:そうです。僕がたどり着いたのがそれです。結局は時間が経った時に、輝かなければならないと思うんです。何か「タイムレス(Timeless)」に近づいていかなければならないと思います。僕はまだ未熟で成し遂げたことがあまりにもないので、それが熱望したからといって獲得できる部分なのかはわかりませんが、とにかく念頭には置いておかなければならないと思うんです。それを意識しないで作業したら、間違いなくその時その時のことに押し流されて、今のようにアルゴリズムによってすべてのことがパッパッと変わる世の中で、振り返ってみたらかっこ悪い確率が高い、そんな感じです。世の中が本当に目まぐるしく変わるので、何年か過ぎただけでも捨てられる感じが多いですし、だからこそ永続性を持ちたいと思うんです。音楽が誰かに何かをできるかもしれないし、できないかもしれませんが、何かを成し遂げたアーティストや作家たちを見ると、結局は時流とは関係ない何かを、孤独に、あるいはその社会の中で、何かを守り抜いた人たちでした。
新しいことは、言語で規定できない境界の間から出てきたりしますからね。
RM:僕はただ地道に自分の道を行かなければならないと思います。それしかわかりません。自分が今描いているのが象なのか、そうじゃないのかを知るためには、描き続けなければなりません。それだけはわかっていて、その他は一つもわかりません(笑)。気兼ねなく自分を最大限見せるということが、どれほど難しいことかと思うんですが、それでも続けていれば、真心が通じることもあるんじゃないかと思いますし。未練や残念な思いを残さないためには、結局やってみるのであって、やってみなければ死んでもわからないというのが結論です。結局は自分のことをやってみなければなりませんし、それが実質的に具現化されなければなりません。ミックステープで例えると、2015年に見せたかったラッパーとしての姿と、2018年に僕がリスペクトする人たちの手をまた借りて、僕が見せたかった、僕の暗かったり憂鬱な面を見せました。でも「2022年は、僕が本当に純粋に何かを伝えようとする気持ちだけで充分なんじゃないか」、そういう期待をしています。
Instagramにアップした作業室周辺の写真が思い出されます。作業室の中から周辺にまで美術作品を配置して、その周りを歩き回る時の感想を残したように展示していましたが、その音が聞こえない写真の並べ方が、RMさんのようだとも思いました。
RM:僕の抽象的な考えを音楽で表現したいんですが、難しいです。時々僕も自分が気に入らないことがあります(笑)。
今まで見て読んだことについて音楽で表現しなければならないのですから、やってみたら結局何をしようとしていたのか、わかるのではないでしょうか。
RM:わあ、それはすごく慰めになるお言葉ですが、そんなふうには考えたことがありませんでした。僕もよくわかりません。ですから、やってみないとわからないと思います。自分で何かしらやってみて、反応が来ればわかるかもしれません。「あ! これかな?」って。
『Proof』で一度やりましたし、どんな作業であれ今後二度、三度やってみればわかるんじゃないでしょうか。
RM:はい。いろいろな作業をしていますから。どういう意味かわかるような気がします。二度、三度やってみればわかるだろうというのがとても良いですね(笑)。
あまりにも早くここまで来てしまったんですよ。BTSのメンバーとして生きてきましたから。
RM:ああ、わかりません。本当に(笑)。
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