TOMORROW X TOGETHERの公演には、この3年間彼らが歩んできた足跡が刻まれている。昨年、オンラインで開かれた「ACT : BOY」が少年たちの成長を見せたなら、「ACT : LOVE SICK」ツアーは少年たちの恋の始まりと終わり、それによる傷と変化が込められている。セットリスト、ステージ演出、スタイリング、パフォーマンスに至る公演のあらゆる部分にグループのヒストリーが凝縮されており、観客に直接会ってその話を伝えるコンサートは、すなわちTOMORROW X TOGETHERの世界だ。すでに公演を楽しんできた後、もう一度余韻に浸りたい人、またはこれからの公演を待っている人のために、TOMORROW X TOGETHERの初めてのワールド・ツアー「ACT : LOVE SICK」のツアー・レポートを準備した。
1. ツアー・スケジュール
2. セットリスト
ソウル公演を除くツアーのステージは、ダンサーなしでただ5人のメンバーが完成する。TOMORROW X TOGETHERのパフォーマンス・ディレクティングを担当しているBIGHIT MUSICのキム・スビンディレクターは、「初めてのワールド・ツアーであるだけに、5人の有機的なところに重きを置きました」と今回のパフォーマンスの方向性について述べた。「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori」のダンス・ブレイクは、メンバーが腕を組み合わせて作ったハートが壊れ、空の上に手を伸ばす振り付けにより、愛する相手のために何でもできる「問題だらけの love sick」の状態を表現する。キム・スビンディレクターはこの振り付けについて、「メンバーの強みである感情表現力を最大化させたパフォーマンスで、オープニングからテーマをはっきり見せようとしたもの」と説明した。今回のツアーを通してパフォーマンスを初めて披露した「What if I had been that PUMA」は、所々に組み込まれたかわいいポイントで雰囲気を盛り上げる。「確率は fifty-fifty」でBEOMGYUがコインを上に投げる仕草を見せ、「頭の中で繰り返されるこおり鬼」では実際にこおり鬼をする時のように胸の前でバツを作る。「一番年下のメンバーが年上のメンバーを選ぶ感じになると、おもしろそうだと思いました」。キム・スビンディレクターの企画意図の通り、毎回の公演で「Pick your 答え A or B」の歌詞に合わせ、HUENINGKAIがYEONJUNとSOOBINの間でどちらを選ぶのか見守ることがファンには一種のルーティンにもなった。公演会場を回りながらファンと触れ合った「Thursday’s Child Has Far To Go」での動線は、メンバーの意見が多く反映された部分だ。特に、この曲をプロデューシングしたBEOMGYUは、「最初は、ユニット曲なので3人だけで降りることになっていましたが、僕たち5人みんなでファンの皆さんと長く一緒に楽しめる時間を作りたいとお願いしました」と、その中に込められた思いを説明した。
4. MOA
「MOAの応援がものすごいです!」。「Magic」のステージを終えたとたん、メンバーはこのように叫んだ。前回のファン・ライブも対面で行われたものの、新型コロナ感染防止のためにすべての応援方法は拍手に替えられた。これについてHUENINGKAIは、「MOAの皆さんも声を出して応援したほうがステージをもっと楽しめるはずなので、いつも気にかかっていました」と普段の思いを述べた。オム・ヘジョンLPは、今回のツアーを準備する過程について「休むタイミングなくパフォーマンスを続けて、ライブをしなければならないので、メンバーも『できるんだろうか』とずいぶん悩んでいました」と話した。そんな心配が無駄になるぐらい、TOMORROW X TOGETHERとMOAが発揮したシナジーで150分の公演時間がぎっしり埋められた。特に、「MOA棒でのウェーブ」はメンバーが「集まって練習したんじゃないですか?」という反応を示すほど、西から東へ、東から西へ、3階から1階への全方向で完璧にウェーブが作られた。「貴重なお時間を割いて、僕たちに会いに来てくださったわけですから、その時間を無駄にしないように頑張りました」というTAEHYUNの話の通り、メンバーは暑い中、公演会場を訪れ、応援を送ってくれるファンのために、数え切れないほど練習を繰り返した。良い公演を完成させるためのメンバーの努力は、現場でも続いた。BEOMGYUは「イヤモニで声が聞こえるので、頑張って楽しもうと声をかけ続けて、お互いに力になってあげました」と、ステージ直前まで5人のメンバーが息を合わせる方法について話した。「Sweat」を歌いながらMOAが揃ってスローガンを手にし、フラッシュを照らす公演のエンディングは、メンバーが選ぶ最も美しい瞬間だ。SOOBINは「歌を歌っているのは僕でしたが、僕が慰められている感じでした。何度も見たら淡々と慣れてくるはずなのに、歌うたびに込み上げてきます」と当時の感情を伝え、TAEHYUNは「この上ない完璧なエンディング」と表現しながら「練習生の時に1番を作り、デビューした後で2番を付け足して完成した」曲が持つ意味についても説明した。公演のすべての瞬間からTOMORROW X TOGETHERがMOAに、MOAがTOMORROW X TOGETHERに伝えたい真心がそのまま感じられる。アメリカ・ツアーの最後の都市ロサンゼルス公演のスローガンの通りだ。MOA will shine like a star for TXT, TXT will shine like a star for MOA.
5. +1
アメリカでの最後の日程だった「ロラパルーザ」公演は、TOMORROW X TOGETHERにとって緊張とときめきが一体となったもう一度のチャレンジだった。HUENINGKAIは最初、「ロラパルーザ」に立つという話を聞いた当時のことについて、「信じられませんでした。早くその日が来てほしいとまで思うほど、とてもステージを披露したかったです」と話した。「朝8時にリハーサルが終わるや否や入場されて、5列目ぐらいまでほぼ全員がMOAの方でした。ステージに立つまであと9時間ほどあるのに、朝早くからMOA棒とスローガンを手にしていらっしゃる姿を見て、とても感謝しました」と、SOOBINはその時間を共にしてくれたファンに対し、感謝の意を表した。「Good Boy Gone Bad」と「Frost」を終えた後、続く「Anti-Romantic」は、メンバーがステージを楽しむようになった瞬間だ。YEONJUNは「緊張が少し和らいで、ちゃんとファンの皆さんが目に入った時でしたが、同じ気持ちで手を振りながら歌を一緒に歌ってくださる姿が僕の夢見ていた風景だったので、感激しました」と感極まる気持ちを説明し、TAEHYUNは「みんなが同じグルーヴに乗って、本気で僕たちの音楽を楽しんでいることが感じられました」と、観客からもらったエネルギーについて話した。「汗まみれになっていながらも、無我夢中でステージを披露する感じにしびれました。ここで死んでもいいと思えるほど、頑張りました」というYEONJUNの話のように、30分を超える時間、全力を尽くしてTOMORROW X TOGETHERの音楽を、パフォーマンスを、情熱を披露した「ロラパルーザ」は、メンバーにとって、そしてこのステージを一緒に楽しんだ全員にとって、文字通り「最高の日」として残った。
無断転載及び再配布禁止