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©️ HBO
『ベティ/スケート・キッチン』(Wavve、日本ではU-NEXTにて配信)
ユン・ヒソン:公園は男の子たちでいっぱいで、外の世界は大人たちの法則が支配している。スケートボードをする少女たちは、どこへでも行けるように見えて、どこにも容易くは行けない。実際の女性スケートボーダーたちの話から始まった映画『スケート・キッチン』をシリーズ化したHBOのドラマ『ベティ/スケート・キッチン』は、失敗する少女たちの話だ。かわいい服は好きじゃなく、男友達の彼女と恋に落ち、雨が降る日も練習できる空間を探し回りながら、彼女たちは常に悩み、よくつまずく。だがスケートボートとは、転ばない人ではなく、転んでもまた起き上がれる人の方がもっと上手になれるもの。そして誤った選択によってつまずいた友人を、責めずに待ってくれる友人がいれば、つらい時間も少しは耐えられるのだ。その時間は、いつ終わるのかとうんざりしていても過ぎたとたん懐かしくなる、夏のような時期だろう。秋が始まる直前、あまり深まる前に、Wavve独占でシーズン2が公開された。
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©️ ATNINE FILM
『成績表のキム・ミニョン(原題)』
イム・スヨン(映画専門誌『シネ21』記者):高校時代の友情の深さは過大評価だった。いや、正確には実際より美化された偏見により、偏狭な解釈がされることもある。『成績表のキム・ミニョン』は、修学能力試験(大学入学共通テストのような試験)と大学入試の結果により、本意ではなくすれ違う関係を、一生続くだろうと思っていた友情がすぐに味気ないものになってしまった経験を、それでもどうしようもなく友だちが好きだった記憶を、率直に振り返り、その関係の多面性を扱っている。修学能力試験を100日後に控えて、寄宿舎の3人のルームメイトが1年3か月の間続けた「三行詩(あいうえお作文)クラブ」を一時中断したところから始まるこの映画は、彼女たちが親密だった頃を推測の領域に置いておき、亀裂の兆しを繰り返し、積み重ねることに集中する。概して二十歳という年齢は、人間関係の分岐点となる。ミニョン(ユン・アジョン)は大学に行き、ジョンヒ(キム・ジュア)は故郷に残りテニスクラブでアルバイトをし、スサンナ(ソン・ダヒョン)は海外に留学し、別の道を歩き始める。せめてビデオ通話ででも繋がりを維持しようとするが、すでに物理的に離れている相手には取り残されたような思いが募っていき、久しぶりの再会は温かさよりはぎこちない空気が流れる。『成績表のキム・ミニョン』のすばらしさは、不器用な瞬間さえも恥じらわない映画の真摯な態度が、かえって少女たちの属性を立体的に捉えているところにある。普遍の十代を描き出した現実的な映画美術と、シットコムを持ってくるなど、果敢な実験性が絶妙な調和を成し、青春を対象化せず、当事者として感じる。昨年全州国際映画祭韓国コンペティション部門大賞、ソウル国際女性映画祭観客賞を受賞し、『わたしたち』、『はちどり』に続く韓国インディーズ映画として話題を集めた作品だ。
「Kill For Your Love」 - ラビリンス
ソ・ソンドク(ポピュラー音楽評論家):ラビリンス、またはティモシー・リー・マッケンジー。イギリスで2010年にデビューしたが、その名が大衆的に広く知られたのは、HBOの人気シリーズ『ユーフォリア』のサウンドトラックを担当してからだ。それに先立ち数年間、ザ・ウィークエンド、シーア、ノア・サイラスなどとのプロデュース作業、ディプロ、シーアとともにプロジェクト・グループLSDの活動を行っていた。おかげでラビリンスは、R&B、ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニックなどの境界をぼかす感覚的なアプローチに慣れ親しんでいる。『ユーフォリア』がテーマと表現の視覚的衝撃だけでなく、音楽的にも有名になったのは自然なことだ。彼は『ユーフォリア』の作業の合間合間に個人的な作品を公開している。「Kill For Your Love」は近々発売するニューアルバムの収録曲として公開された。イギリスのR&Bポップに、歌詞は1980年代のジャンル映画の想像力を加える。ミュージック・ビデオは、監督アーネスト・デスムビラの華やかな色彩と宇宙的な想像力を結びつける。俳優ナタリー・エマニュエルの非常に切実ながらも毅然とした感情が力を添える。作品はロマン主義の爆発だ。『ストレンジャー・シングス』の「Running Up That Hill」以降道に迷った人たちに贈る。
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