
FEATURE
メイク、BLACKPINKのもう一つの「AREA」
メイクから見るBLACKPINKの影響力
2022.10.05
Credit
文. イ・ジヨン
デザイン. チョン・ユリム
写真. YG ENTERTAINMENT
「とにかくBLACKPINKの人気が高いので、メイクやファッションやさまざまな部分で彼女たちをずいぶん真似ているようです。『Pink Venom』が発表された時も、TikTokに、ほぼすべてが『Pink Venom』のカバー・メイクやカバー・ダンスなくらい、関連動画コンテンツが本当に多かったです」。韓国文化、トレンド、ビューティーなどの韓国関連コンテンツを制作するインドネシアのYouTubeクリエーター、デボラ(Debora)は、BLACKPINKがK-POPとK-メイクに持つ影響力について話す。彼女の言葉通り、BLACKPINKのニューアルバム『BORN PINK』の先行発売曲「Pink Venom」は、タイトル・ポスター、コンセプト・ティーザーなどが公開されるたびに、SNSでメンバーたちのメイクが連日話題になった。一例として、ビューティー・クリエーターのジュシカ(Jooshica)が制作したタイトル・ポスターのメイク・カバー映像は、再生回数148万回(9月22日現在)を記録した。TikTokでは「blackpink pink venom makeup filter」という名前のビューティー・フィルターまで登場した。さらには「Pink Venom」のカバー・メイクを扱う「Pink Venomメイクチャレンジ(#pink venom makeup challenge)」があったほどだ。#blackpink pink venom、#blackpink filter、#blackpink outfits in pink venom、#maquillaje(makeupのスペイン語) pink venom、#pink venom makeupなど、「Pink Venom」はもちろん、BLACKPINKのメイクとビジュアルを扱った関連TikTok映像の合計再生回数は1億3,270万回(9月22日現在)に達する。
去る8月31日、BLACKPINKのメンバーROSÉは、ビューティーブランド雪花秀(ソルファス)のグローバル・アンバサダーに抜擢された。雪花秀側ではROSÉが出演するアンバサダー・フィルムに、K-POPに主に登場する「世界観」の概念を取り入れ、K-POPのミュージック・ビデオ解釈専門YouTuberとコラボし、映像についての解釈をYouTubeにアップするプロモーションを行った。雪花秀グローバル・アンバサダーの運営を担当するBAチーム担当者ペ・ユリ氏は、映像の企画背景について、「『雪の中で咲いた花』という意味を持つブランド名であり、ブランドの哲学を盛り込んだフレーズに着眼し、土・雪・花の3つの要素でブランドの始まりと旅路を映画のように美しく描きたかった」とし、「ターゲット顧客が関心を持って集まっていそうな領域(Music/Trendy/Hip Place/Art&Culture)を扱うチャンネル及びプラットフォームを通して映像が発信され、バイラル効果で拡散されることによってトレンドを形成したかった」と説明する。彼女の望み通り、マニフェスト・フィルムの再生回数は289万回(9月22日現在)、グローバル・ブランド・アンバサダー・フィルムは107万回(9月22日現在)の再生回数を記録し、SNSで拡散中だ。ROSÉを通して「ブランド固有のコアは守りつつ、もう少しモダンで洗練されたブランドのイメージが構築」されることを望んだというペ・ユリ氏の言葉通り、BLACKPINKのようなK-POPのスターは、SNSと出合い、ビューティーブランドの核心的なイメージは維持しながらも、全世界にブランドを知らせることができる。消費者データ調査会社オープンサーベイの「ビューティー・トレンド2022」によると、アメリカの消費者の42.9%がK-ビューティーを知っているか、または製品を購入した経験があり、K-ビューティーを知った主要情報チャンネルとしてはSNSが1位で、40.4%を占めている。このうちYouTubeが57.3%、Instagramが56.5%、TikTokが41.5%だ。そしてBLACKPINKはK-POPアーティスト関連のSNSの中でも特別な存在だ。BLACKPINKのYouTubeチャンネルの登録者数は8,200万人(10月4日現在)で、全世界のアーティストの中で1位だ。InstagramではLISAが8,272万(10月4日現在)フォロワーを突破しており、K-POPアーティスト及び韓国国内芸能人全体の中で1位だ。BLACKPINKはTikTokでも3,430万(10月4日現在)フォロワーで、韓国国内フォロワー数の順位で3位だ。
「主にTikTokのアルゴリズムを通してK-POPやK-POPのカバー・メイクに接しているようです。韓流のおかげで化粧もK-POPのメイク・カバー・コンテンツもたくさんありますし」。デボラの説明のように、SNSでBLACKPINKなどのK-POPアーティストのメイクは、急速に全世界のメイク・トレンドに影響を及ぼしている。大韓化粧品産業研究院の「2020コスメティック・トレンド・リポート – インドネシア」によると、韓国ドラマやK-POPを通してインドネシア国内の韓流の人気が急増していることにより、「韓国スタイル」のメイクは一つのトレンドとして定着した。デボラは「もともとインドネシアのローカル・コスメティック・ブランドは、アイシャドウもグレーのような色を使っていましたが、K-POPカバー・メイク映像などを見て、韓国メイクを真似るために、主に購入する化粧品や色合いがずいぶん変わったと思います。Shopee(東南アジア最大のeコマース・プラットフォーム)にも、韓国のコスメ・ブランドの店がたくさん入っていますし」と話す。K-POPアーティストの影響力は音楽とミュージック・ビデオだけでなく、K-POPファンたちのメイクまで変え、ファンたちのメイクはそれぞれの国で新たな流行を呼び起こし、その国のメイク・トレンドを変えてもいる。
BLACKPINKの「Pink Venom」のタイトル・ポスターは、ピンクとブラックをメインのカラーに設定した2つのバージョンで公開された。ピンクを中心にした最初のバージョンには、目と頬の周りにピンクのシャドウ、チークを使用し、愛らしいイメージを最大限に表現しており、ブラックを活用した2つ目のバージョンには、メンバーたちが強烈なアイラインとスモーキーなメイクとともにリップピアスまでしている。これについてBLACKPINKのメイクを担当しているWoosunのイ・ミョンソン院長は、「『BLACKPINKは、愛らしいカラーを使っても、力強いガールクラッシュでいられる』、そんな感じが出たら良いと思いました」と語る。彼女の話す通り「Pink Venom」のメイクは、タイトル・ポスターやミュージック・ビデオなどで強烈さと美しさを同時に表現している。メンバーたちのピアスは、「Pink」であり「Black」であるBLACKPINKのスタイルを集約して見せるツールだと言える。ミュージック・ビデオで、JISOOは唇の真ん中に太いタイプのピアスを、JENNIEは細いリングタイプのピアスを着用しており、ROSÉは唇の山に沿ってピアスが連想されるビーズをつけている。その後公開された「Shut Down」のミュージック・ビデオでは、LISAが唇の両端にリングピアスをして登場している。イ・ミョンソン院長は「唇の両端にピアスをしたのはLISAのアイデアです。LISAが自ら持ってきた案を参考にして、上手く運用したらかっこよくできそうだと思いました」と話す。メンバーのアイデアはピアスのようなユニークなアクセサリーの活用として具現され、これはBLACKPINKが披露できるスタイルの領域を広げた。ペ・ユリ氏はROSÉが雪花秀のグローバル・アンバサダーになったことについて、「ROSÉは今、BLACKPINKという空前絶後の記録を打ち立てているアーティストになっており、現在の位置に至るまで幼い頃から夢に向かって精進してきた、積極的で力強い女性のアイコンなので、雪花秀が求める先駆者的な精神と合っています」と話す。彼女の言葉通り、BLACKPINKはK-POPのスーパースターとして多くの人たちにとって羨望の的の存在であり、音楽やパフォーマンスを通して力強さと美しさを同時に表現できるほど、幅広いスタイルを受け入れることができる。彼女たちはステージの上でパワフルなパフォーマンスを見せられる、成功した女性であると同時に、日常で真似できるメイク・トレンドを提示することができる。BLACKPINKが全世界に及ぼす広範囲の影響力は、そこから始まると言える。
メンバーたちがBLACKPINKのアイデンティティを維持しながら、各自多様なメイクを試み、次第に増やしていくことのできる、メイクの幅を広げているという点は、BLACKPINKが彼女たちのメイクとスタイリングを愛する全世界のファンたちとの接点を作り出す部分でもある。BLACKPINKのメンバーたちはニュートラル・メイクや2アイライン・メイクなどで多くの人たちのメイクに影響を与えている。イ・ミョンソン院長はメンバー各自のメイクについて、「できる限りメンバーのビジュアルと各自の個性を活かす方向で、さまざまなメイクを試みています」と話す。ミュージック・ビデオや音楽番組のステージでのメイクと、ファッションショーをはじめとするイベント出席時のメイク、バラエティ番組に出演する時のメイクなど、状況別のメイクもまた明確なちがいを見せる。イ・ミョンソン院長は「イベントやバラエティのメイクは、本来の美しさ、ナチュラルさを表現するもの」で、「音楽番組やミュージック・ビデオのメイクは、照明や背景もとても強く、華やかなので、ナチュラルにメイクをしたら埋もれてしまいます。行き過ぎないけど、でも照明に飛ばされないようにするのがポイントです」と、それぞれのちがいについて話す。BLACKPINKは去る8月28日(現地時間)、アメリカで開かれた「2022MTVビデオ・ミュージック・アワード(VMA)」のレッドカーペットで、色調を落としたニュートラル・メイクを披露しており、「Pink Venom」のミュージック・ビデオではピンク、薄紫色、時にはカーキ色まで使用した大胆なスモーキー・メイクを打ち出した。その分メイクをする時にBLACKPINKを見て参考にできるオプションが増えた。デボラは「最近インドネシアではナチュラルメイクが人気なのですが、JISOOがそういったナチュラルメイクをよくするので、真似てみたいと思いました。化粧をしているようなしていないような自然な感じがとてもきれいです」と話す。BLACKPINKが好きな多くの人たちは、メンバーたちのさまざまなメイクの一つを選んで、彼女たちを通して自分がしたいメイクを見つけると同時に、憧れの対象のイメージを反映することもできる。
「Black」と「Pink」が同時に可能なBLACKPINKのイメージは、彼女たちのスタイルに一貫性を持たせる。同時に彼女たちは「Black」と「Pink」という極端な範囲の中で、自然なイメージを強調したニュートラル・メイクから強烈なスモーキー・メイクまで、何をしても似合うグループになった。その点でBLACKPINKのメイクは、彼女たちが何を成し遂げたのかについての最も視覚的な例だろう。「BLACKPINK IN YOUR AREA」という彼女たちの叫びのように、彼女たちは多くの人々の心に深く入り込み、その影響力をもとに彼女たちだけの「AREA」を広げていった。「Pink Venom」のミュージック・ビデオのように、韓服と伽椰琴(カヤグム、韓国伝統の琴)からオールドスクール・ヒップホップ・ファッションまでが一つの作品の中にすべて入っていても似合うグループ。つまり「Black」と「Pink」を同時に表現するグループとは、「Black」から「Pink」まですべての色を表現するグループだという意味だ。多くの人たちに、より多くの、より大胆な色を与えられるグループ。
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