車で音楽を聴くと、曲と感情的に距離をおいて聴くことが多いように思います。いろいろな考えも整理できると思いますし。今回のアルバムを作りながら、BAEKHOさんの感情に対して距離をおくことができたと言えるのでしょうか。自己客観視のような。
最近は楽しいですか。
BAEKHO:とても楽しいです。アルバムを作る過程もとても楽しかったですし。スケジュールをこなす過程も楽しいですし、車で移動するのも楽しいです。バラエティ番組に出る時も、ニューアルバムを宣伝しなければならないこともありますが、収録をすればただただ楽しいです。一緒に楽しめる感じがあります。最近は楽しいことがだんだん増えているように思いますね。
すべてのことにもう少し落ち着いて、穏やかになったと言えるでしょうか。
BAEKHO:いいえ。できる限り落ち着こうと努力はしますが、うまくできていません。数日前にもイライラすることがあったんです。アルバムを準備していて、思い通りに事が運ばなくて、そんな気持ちになったんですけど、作業が思い通りに行かないのは当たり前なことじゃないですか。でも一人でイライラしていました。アルバムを出さなければならないからそうなのか、この頃ちょっとそうでした。でも、考えをできる限り整理しようと努力しています。例えば仕事をしていて誰かと問題があったら、問題があった人と会話をずっとしようとしたり。そうしながら僕が望む方向を説明しようと努力するんです。
そのような考えの変化はどうやって可能になったのでしょうか。
BAEKHO:僕の名前で出るアルバムですが、僕一人で作るものではありませんよね。その方たちと一緒に仕事をしているうちに、お互い信頼が生まれたから可能だったんだと思います。パフォーマンスを作る方の立場からすると、僕がじっと立っていると言ったら、すごく不安になるかもしれないじゃないですか。でも僕がダンスをしなくても、ステージのエネルギーで満たせると信じているということを僕が表現もしましたし、ありがたいことに僕を信じてもくれましたし。そうするうちに可能になりました。音楽を作る過程も同じでしたね。今回のアルバムは、アレンジする時何人もの人が集まってしたことが重要だったんです。一緒に曲を作る人たちにみんなそばにいてもらって、もし感情が高まると思ったら、ロックで使うギター・リフを演奏してほしいと言えば、ギターを弾く方がすぐ演奏してくれたり。
「絶対零度」がBAEKHOさんの現在の状態というよりは、そうなっていく過程だったようですね。ずっと熱かったり冷たかったりする中、そこでバランスを探る過程。
BAEKHO:はい、そうです。今回のアルバムのレコーディングが終わって、マスタリングして、発売を待つこの時間も(このインタビューはアルバム発売前に行われた)、温度が何回変わったかわかりません。努力していくものだと思います。感情がぱっと飛び出す時があるんですが、僕の仕事はたくさんの人と息を合わせなければならないので、抑えようと努力するようになります。この頃そういう部分をずいぶん感じていますね。
デビュー当初と比較すると、性格がずいぶん変わったと言えるでしょうか。
BAEKHO:変わり続けていると思います。生きているといろんなことが起きるじゃないですか。そんなことに対して、良かれ悪しかれ反応がないはずはないんです。僕もそうですし。喉が渇いたら水を飲まなければならないように、ある刺激があったら、その刺激に対する反応が僕の変化として表れているように思います。
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- BAEKHOが見つけた音楽の「絶対零度」2022.10.13