1. ツアー・スケジュール
2. セットリスト
「ENHYPENは、コロナの時期にデビューした分、ファンたちに対面で向き合う機会が多くはなかったグループでもあります。今回の公演が全世界のファンたちに対面で会う初のツアーなだけに、難しく見せてはいけないと思いました」。ホ・セリョンLPは、グループが持つ特性が公演のビジュアルの具現化において及ぼす影響について説明する。「アルバムの物語を視覚的に表現する時、もう少し易しい方向性を持ちながらも、コンセプトが明確に見えるよう解き明かすことに重点を置きました」という言葉通り、ENHYPENがこれまでのアルバムを通して披露したストーリーは、明確なコンセプトが表現されているさまざまな「衣装」を通して具現化された。例えば『BORDER』と『DEMENSION』シリーズで披露した「ヴァンパイア」的な要素は、「Drunk-Dazed」-「One In A Billion」-「FEVER」に繋がるパートで披露したブラウス・コーディネートで表現されていた。その衣装についてホ・セリョンLPは、「ENHYPEN特有のヴァンパイア的な姿を最大限に」して見せることに重点を置き、服が濡れた時、まるで「血に染まっていく、血痕のように」見えるようバーガンディ色のシルク素材のブラウスを選んだ。
同時に最近のアルバム『MANIFESTO:DAY 1』で披露した「Z世代という2000年代生まれが持っている、特有のパワフルでヒップな魅力も共存する姿を見せたいと思いました」と言うように、スポーティーなスポーツルックや、デニムジャケットを活用したカジュアルルック、メンバー別の特色を活かしたスクールルックを披露してもいる。衣装だけではなく、ヘア、メイクなど全般的なビジュアルは、「メンバーたちが、流れ上この衣装がもっとインパクトがあるように見せるためには、本人たちがどうすべきか、ヘアやメイクにもアイデアをとてもたくさん出すほう」だというホ・セリョンLPの言葉通り、メンバーたちの積極的な意見をもとに完成された。HEESEUNGは「特にビジュアルの部分で意見をたくさん出しました。ヘアスタイルの参考写真も自分で準備して見せましたし。コンサートを観る時ENGENEの皆さんも、僕たちが自ら準備して、一つでももっと気を配った部分が感じられると信じています」と話す。メンバーたちがステージの上でENGENEたちにさまざまな姿を見せようとする気持ちは、彼らのビジュアルに具現化されており、それは毎回の公演ごとにひと味ちがった、観る楽しみを提供した。
「ENHYPEN」というグループが持つ特性がビジュアルで具現化されたように、パフォーマンスもまた、現実世界で「一糸乱れぬキレキレの群舞を踊るENHYPEN」であると同時に、「ヴァンパイアという世界観を持ったENHYPEN」を見せる、もう一つのやり方だ。ENHYPENのパフォーマンスディレクションを担当するBELIFT LABパフォーマンスディレクティングチームのキム・ソングァンディレクターは、今回のツアーを通して始めて披露する「One In A Billion」のパフォーマンスについて、「ヴァンパイアの感じが振り付けのニュアンスから漂ってくるように準備しました。そして曲自体がファンに対する言葉だと思い、もう少し劇的に表現できるように作りました」と、企画意図を説明する。彼の言葉通り、劇的な表現においてヴァンパイアの血の晩餐を連想させるテーブルを活用した振り付けは、パフォーマンスに一層没入させる要素として作用した。JAYはそのパフォーマンスについて、「オリジナルストーリー『黒の月: 月の祭壇』のOSTとして出た曲なので、作った趣旨に合わせて雰囲気を持っていこうと思いました。舞台セットや小道具もさまざまに活用しながら、ミュージカルを観ているような感じを与えたかったです」と、表現の方法について語った。さまざまな小道具の活用について、キム・ソングァンディレクターは「今までやってきた年末ステージをご覧になると、私たちは小道具をたくさん使用しているんです。それで小道具を使用する部分においては、メンバーたちが上手くこなしてくれるだろうという信頼があります」と話す。続けて「メンバー同士お互い気を配りながら『ここ、気をつけて。この部分はこう使って』とコミュニケーションもたくさん取りつつ練習したおかげで、スムーズにこなしていました」というキム・ソングァンディレクターの言葉は、メンバーたちがそれまでどんな気持ちで練習に臨んでいたかを推測させる。
今回の公演を通して初めて公開されたもう一つの曲「FEVER」のイントロ・パフォーマンスもまた、ファンたちの爆発的な反響を呼んだ。キム・ソングァンディレクターは、「襟を噛むポイントの振り付けでヴァンパイアの感じを強く与えたいと思いました。同時にそのような振り付けで、デビュー当時のメンバーたちのイメージから少し抜け出し、『もう成長した大人になるんだ』というイメージに映ってほしいと思いました」と、企画意図について説明する。メンバーたちの成長は、以前披露していなかった大胆な振り付けを試みるだけでなく、どんな状況でもパフォーマンスを完璧にこなすメンバー個人個人の力量的な部分での成長とも繋がる。アメリカ公演の時、サブステージを含む一部のセットが縮小された状況の中でも、それをきっちり補ってステージを埋めていったようにだ。それについてメンバーたちは、「かえって僕たちが準備したものをもっとよく見せられましたし、僕たちの本当の実力をお見せできる機会だったのでもっと良かったです。ENGENEの皆さんの歓声と応援で空間がすべて満たされました」と感謝の気持ちを伝えてもいる。
無断転載及び再配布禁止