韓国美術
RMはソロアルバム『Indigo』のアルバムジャケットに、ユン・ヒョングン画伯の絵を配置したり、「静物」という美術分野にインスパイアされて「Still Life(with Anderson .Paak)」を作ったほど、美術からインスピレーションを得ている。美術に対するRMの関心は、2018年の海外ツアー当時、ホテルでばかり時間を過ごすのがもったいなくて訪れたシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)から始まった。世界的な博物館を訪問していて、ある日ふと自分のルーツは韓国だということに気づいたRMは、韓国の画家に対して関心を持つようになった。以降「The Art Basel Podcast」で明かしたように、時間ができるたびに韓国の美術館や展示を観に行き、韓国美術と美術分野を深く愛好している。彼はイ・ジュンソプやキム・ファンギのように有名な画伯はもちろん、あまり知られていない韓国の多くの作品を観て回っている。また初めて購入した作品であるイ・デウォンの「山」、作業室や家のあちこちに飾ってあるユン・ヒョングンの「青茶色」シリーズ、展示回に貸し出して話題になった彫刻家クォン・ジンギュの「馬」をはじめ、韓国の作家たちの作品を多く所蔵している。またRMの美術に対する愛情は、作品の所蔵に留まらず、その作品を大衆に紹介し、美術を広く伝えることに繋がる。彼は所蔵品を自ら「キュレーティング」と表現するぐらい、Instagramで積極的に共有することはもちろん、展示会に訪問したことを伝え、多くの人々が美術に関心を持つようにする。また彼は「美しい美術の本」を読む文化の拡散のために、絶版になった美術本を再発行し普及してほしいと、国立現代美術館に寄付をしたりもしている。「ニューヨーク・タイムズ」紙が彼を「芸術後援者」に選定した理由だろう。
読書
RMは本を愛している。メイクをしてもらいながらも、ご飯を食べながらも、メンバーたちとふざけていても本を読む。『In the SOOP - BTS編』では、大部分の時間を本を読みながら過ごしており、最近公開された「All Day(with キム・ナムジュン)」の中で、彼の家のリビングの片隅はいつでも読めるように出してある本でいっぱいだ。また作家キム・ヨンハが彼の本棚について「簡単に読める本ではありませんでした」と言うほど、小説、詩集から心理学や哲学、歴史学、美術図録など、さまざまなジャンルの本を読んでいる。『風景の深さ』、『蜂蜜と遠雷』、『その夏の終わり』、『All About Saul Leiter』、『ミッドナイト・ライブラリー』、『<効果的な利他主義>宣言!』など、彼が最近言及した本だけを羅列しても、彼の幅広い読書範囲が確認できる。RMが本を寄贈して、メッセージカードに「本ほど何かを容易く深く知ることのできるものはないと思います」と書いた言葉は、彼にとっての読書の意味を推し量らせる。スマートフォンで多くの情報を容易く得られる時代に、彼は本を通して作家の世界を、または本により整理した知識の体系や世の中の観点を深く掘り下げ、理解する。例えばRMは、最近ウイスキーを飲む時、ウイスキーに関する本で勉強しながら飲むと明かしている。何であれ「マニア活動」をするように学ぶRMのやり方は、読書という最も古典的な趣味生活でありまた勉強法と合っているように見える。
インテリア
RMはデビュー当初から作業室のインテリアが変わるたびに、写真をアップしたりLIVE配信をして紹介するほど、インテリアに愛情を持っている。作業室の名前が「Mon studio」から「Rkive」に変わったように、内部のインテリアもまた何度も変化を経ているが、「マニア活動」の延長線上にあるという点で、そのインテリアの仕方は一貫している。芸術家カウズ(KAWS)のフィギュアのマニアだったデビュー当初には、彼の作業室はあらゆるフィギュアで溢れていた。大小のフィギュアだけでなく、時計やクッション、ポスター、ラグマットまですべて「KAWS」ブランドで統一したRMの初期の作業室を見ると、作業室紹介LIVEの中で、「フィギュアを集め始めてから、作業室が博物館みたいに変わりましたね」という彼の言葉を充分に理解できる。その後RMが芸術に関心を持つようになってから彼の作業室は次第に変化しており、「KAWS」のポスターが掛かっていた場所は「ユン・ヒョングン画伯」の作品が占め、モノトーンの家具は彼が好きな作家ジョージ・ナカシマの木材の家具に置き換わり、フィギュアの横には彫刻品や盆栽が一緒に置かれた。彼がSNSを通して公開した一番最近の作業室は、美術館と言っても差し支えないほどに、作業室の内部と外の廊下が芸術作品で溢れている。RMはそうして絶えず自身の空間を変え、その空間には現在彼が関心のあるものが反映されている。
大衆文化
「ドラマをリアルタイムで観ようと早く家に帰った」とか、「番組が終わったら何を楽しみに生きるんでしょうか」と話すRMの姿は、どこか身近に感じられる。彼はMnet『STREET DANCE GIRLS FIGHTER』の放映当時その番組を視聴していて、応援しているクルーが脱落するや悲しむ文章をアップし、ENA『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が放映されている時は、メンバーたちとドラマの中の挨拶の仕方を真似る姿が映っていたかと思うと、YouTubeチャンネル『Psick Univ』の「PSICK SHOW」に出演し、本人も「Psickfam(『Psick Univ』チャンネル登録者の愛称)」だと言い、コンテンツのタイトルをすらすらと並べ立てて出演陣を驚かせてもいた。特に映画『別れる決心』は、何度も鑑賞したのはもちろん、脚本集を読んで、映画の中のセリフを引用してSNSにアップし、さらには「『SUCHWITA』EP.1 SUGA with RM」に映画の登場人物「キ・ドス」が飲んでいるウイスキーを持ってきて作品の話をするほど、熱狂的な姿を見せた。そしてついには彼が出演中のtvN『知っておいても役に立たない神秘的な人間雑学事典』で、『別れる決心』の脚本を書いた脚本家チョン・ソギョンに会った時、RMは彼女にファンだと恥ずかしそうに話し、MCチャン・ハンジュンが驚くほどにたくさんの質問や感想を繰り出したかと思うと、最後まで「『成功したファン』になって良かった」と話した。彼が多くの人々に愛されるように、彼は自分が好きな作品やクリエーターたちのファンでもある
盆栽
RMはいろいろな植物を育てているが、その中でも小さい鉢に植えて栽培する盆栽に対する愛を何度も語ってきた。作業室に盆栽を置いて、イラストレーター、ティボー・エレム(Thibaud Hérem)に「チェリー」の絵を依頼してもいて、アルバム『BE』の写真で、自身の部屋を表現する小道具として盆栽を選んでもいる。「2019 BTS FESTA バンタンニュース」で初めて紹介した彼の盆栽は、紅梅の「梅の赤ちゃん」、真柏の「チンチン」、桜の「チェリー」、もみじの「鴨」だ。毎朝水をやり、名前を呼んで言葉をかけるRMの盆栽に対する愛情は、『In the SOOP - BTS編』で見ることができる。彼はそこに「梅の赤ちゃん」を連れてきた。旅行先に向かう車の中でも、ずっと鉢を手に持っており、宿に到着するや否や荷物をほどく前にまず水をやった。RMは盆栽について、「一つの命を責任持って面倒みることで、大きな喜び」を感じると話す。同時に「毎日水をやりながら、自らをチェックすることができる」という彼の言葉通り、『In the SOOP - BTS編』では四季の花を咲かせる盆栽を見ながら、「君もこうして一生懸命生きているんだから、僕も一生懸命生きなきゃ」と誓ったりもした。そうしてRMは「春になれば花が咲き、秋になれば紅葉に染まる」小さい木の世話をして、自分の内側を見つめる。
人
RMはtvN『知っておいても役に立たない神秘的な人間雑学事典』の出演について、「知的好奇心が強くて、知的な方々からたくさん学びたくて」出演することになったと話す。彼はずいぶん前からEPIK HIGHの「Fly (Feat. Amin. J of Soulciety)」を聴いてヒップホップを夢見たとTabloに対する尊敬を表してきて、ナズやエミネムもまた常に「子どもの頃のヒーロー」だと言及している。また本や美術などを通して多くの芸術家の生き方を勉強してもいる彼は、アーティストとしての創作はもちろん、人生の方向を掴むことにおいて、自分に先立って同じように悩んだ芸術家の人生を通して学んでいるとも言える。そして彼は「彼ら(尊敬する芸術家たち)よりスキル的に秀でる自信はありませんが、僕のオリジナルの周波数があると信じる気持ちがあるので、僕のアルバムとエミネムのアルバムが同じ日に同時に出るとしても、自分を維持することができると思います」と話す。それは「他人と比較する癖を直したい」というファンの文章に、「それは本能。自分さえまっすぐ立っていれば大丈夫です。自分が知っている範囲を超えた世界はあらゆるところにあります」と答えたのと同じ意味だろう。他の趣味がそうであるように、RMは人を通しても自分の内側を見つめる。そして『知っておいても役に立たない神秘的な人間雑学事典』に出演して、他の分野の専門家たちと人について語り合う。RMはそうして自分の「心の拠り所」を作り、その土台の上に立っている。
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