
FEATURE
BO RAが音楽で自分を表現する方法
Cherry BulletのBO RAが語るボーカルと自作曲
2023.04.19
Credit
文. イ・イェジン
写真. FNC Entertainment
ガールズグループ・ボーカル・サバイバル番組『V-1』、日・中・韓ガールズグループ・デビュー・プロジェクト『Girls Planet 999:少女祭典』、バーチャル・ガールズグループ・デビュー・サバイバル・バラエティ『少女リバース(RE:VERSE)』。サバイバル番組に参加するたびに「レジェンドを更新」するステージを披露し、「メインボーカル」としての存在感をアピールしたCherry BulletのBO RAは、いつも挑戦を恐れない。最近は歌はもちろん、曲の制作にも熱中しているというBO RAに会い、自身が歌を歌うことについて、そして自作曲について話を聞いた。
歌手になるまで
BO RA:ピアノを専攻していた母のおかげで、音楽が身近にある環境で育ちました。自然とピアノと声楽を学びました。ピアノは、私は指が短いので(笑)、母ほど上手くは弾けなくて興味をなくしましたが、声楽は好きでした。母がピアノを弾いてくれて、私が隣でよく歌を歌ったんですが、それがとても楽しかったんです。その時から「私は歌が好きなんだな」と感じるようになりました。そうやって声楽と歌を続けてきて、中学校に入学した頃、勉強に集中するためにしばらく中断したんです。その時歌と音楽への恋しい思いをすごく感じて、「ああ、私は歌をずっと続ける人になりたいんだな」と初めて思うようになりました。でも母が幼い頃から音楽をずっとやっていて、とても大変だったそうです。つらくて大変な道だから、私にはなるべくそういう生き方をしないでほしいと言っていたんですが、それでも私は歌がすごくやりたかったので、母に内緒で学校のバンド部でボーカル活動をしていました(笑)。バンド部でいろいろな楽器とボーカルを合わせて歌を完成させる、合奏の過程がとても楽しかったんです。みんなの前でステージをする時の喜びも本当に大きかったです。その時はっきりと「私はこうやってずっと歌を歌いながら、みんなに影響を与えてまた影響を受ける、そんな人になりたい」と感じて、母にバンド部の活動をしているということも、私の夢が歌手だという話も正直に話しました。
歌の練習
BO RA:曲自体がとても好きだったり、真似てみたいスキルのある歌を聴くと、まずその歌をたくさん聴いて歌ってみます。歌によってメロディと歌詞から感じられる、その曲だけの感性があるじゃないですか。それをまず先に把握してから、最初にどんな声を使ったらいいかを掴んでいきます。例えば「今日は行かないで(原題)」は、弱い心の中で、本当に相手に去ってほしくないというその切なさがはっきりと表現される声とはどんなものがあるだろうかと考えながら研究しましたし、「Maria」はメッセージが希望的な内容で、曲自体が爽やかでサイダーのような要素があるので、その感じを表現するためにもう少し鋭く、力のある声を出さなきゃと思って練習しました。最初は原曲の歌手が表現する方法とディテールをそのまま真似してみて、その中でバリエーションを少しずつ持たせながら、私の声で歌った時一番聴きやすい歌い方を探して練習するスタイルです。例えばBLACKPINK先輩の「Kill This Love」を歌っていて、「これを私がアコースティックに変えたらどんな歌になるだろう?」と気になったら、ラップ・パートをメロディカルに変えてみて、その中で原曲が持っている華やかで強烈な雰囲気を出す歌い方を考えてみるというふうにです。ですので、私はカメレオンのように、歌によってさまざまな雰囲気を出せるボーカルスタイルを持っていると思います。
BO RAの一番の特技、高音
BO RA:母の音域は私より高いんです(笑)。母や声楽の先生の歌を聴いて育ったので、幼い頃はその方たちが出す声が平均値だと思っていました。そのうち時間が経って、歌謡曲をたくさん歌ってみながら、高音域の歌もそれほど難しく感じられないという経験が積み重なるうちに、私は比較的高い音を出せるんだということがわかりました。遺伝的な影響があるんじゃないかとも思いますが、子どもの頃から声楽をやってきたので、音域が少しずつ広がったこともあると思います。高音が上手くこなせるよう練習も本当にたくさんしているほうです。細い声を出す高音とパワフルな声を出さなければならない高音を分けて、交互に練習してもいます。
変化と成長
BO RA:デビュー当初は自分に対して確信がありませんでした。「私が今こうやって歌うのは合っているの?」、「私はどんな声を持っている人なの?」、そういうことについて混乱が少しあったので、「この歌をちゃんと歌わなきゃ。練習した分上手く歌わなきゃ」という気持ちでいっぱいの状態で歌を歌っていました。でも今は私の歌を気に入ってくださる方たちが増えたので、自分自身に対する確信も生まれましたし、活動をしてきて、私が持っている声の表現の幅についての理解がもっとできているんです。私が持っている声の種類がこれくらいだとしたら、その中で歌に合わせて声をもっと上手く活用できる人になれたことが感じられて、もっと余裕ができた状態で自由に歌を歌っているように思います。
そうするうちに、以前歌った「今日は行かないで」や「My Sea」などの場合は、たくさんの方々が気に入って認めてくださっていた曲でしたけど、時間が経って改めてモニタリングしてみると、「これはこう表現してみても良かっただろうに」と思って、自分がどう変わったのかを見せたい気持ちになりました。特に『V-1』で歌った「今日は行かないで」は、私が本当に一人で上がった初めてのステージだったので、本当に緊張しましたし、自分自身を信じられない状態で歌いました。それでも自分が今感じている緊張が、相手が去っていってしまうんじゃないかと恐れる気持ちが込められた曲の感性とある程度上手く合っていると思いながら表現しようとしたんですが、もう一度カバーした時はもう少し落ち着いて冷静に、伝えようとする感情に集中できました。「My Sea」は高音のパートが印象的だったという反応が多くて、褒めてくださってありがたかったんですが、この曲が持っているストーリーを伝える部分には心残りなところがあって、この曲がどんな状況や感性を盛り込んでいるのか、もう少し細かく語ってみたくて、もう一度歌ったりもしました。何か歌を歌う時は、「もう少し上手くできるだろう」という気持ちが常に私の中にあるみたいです。
3度のサバイバル番組
BO RA:初めてサバイバル番組に出た時は、本当に怖かったです。ある人は生き残って、ある人は落ちるという競争の環境を、練習生の時からすごくつらいと思っていたんです。歌を歌ってフィードバックを受けて、それがある結果に繋がる状況が精神的にはつらくはありましたが、即座に私の歌についてのフィードバックがされるので、「私がこういう歌をこういうふうに歌った時は、こんな反応があるんだな」というメカニズムがもっと確実になり、私の歌についてももっと確信が持てたきっかけでした。特に『Girls Planet 999:少女祭典』には、私が「Cherry Bulletのメインボーカルとして活動しているBO RA」として参加したので、「本当に上手く歌わなきゃ。私はCherry BulletのメインボーカルBO RAなんだから」という思いが常に頭の隅までいっぱいの状態で、練習を本当に一生懸命しました。でもマスター(審査員)の方たちがいつも「BO RAは信じられる」と言ってくださって、参加者の人たちからも「BO RAさんがいるから安心します。心強いです」という話を聞くうちに、だんだん自分があまり責任を重く感じなくてもいいし、楽しんでもいいんだと思うようになりました。「他の方たちが私を信じてくれるぐらい、私も自分をもっと信じて、楽に歌っても良いんだな」って。
『少女リバース(RE:VERSE)』、「JIPSUNHUI」の声
BO RA:その中ではキム・ボラではなく、「JIPSUNHUI(ジプスニ)」として歌を歌って声を出すということだったので、とても自由でした。「私が何を言っても歌をどう歌っても、それはスニがやっていることなので、スニの魅力を全部見せれば充分」だという思いで少し気を楽にして、ただ面白く楽しんでいました。私が思っていた以上に「JIPSUNHUI」を本当に応援してくださって、「私が声でのみ存在する時も本当にたくさんの方々が喜んでくれるんだな。自信を持って歌っても充分な声を、私は持っているんだな」ということを改めて認識できました。スニの歌は終わって、これからはBO RAの声でまた皆さんにアプローチするので、あの声を忘れないで、Cherry BulletのBO RAの声としてまた記憶してくださると嬉しいなと思いました。
カバー曲と「Stardust」
BO RA:私がガールズグループとして活動する中で、Cherry Bulletが持っているコンセプトとアイデンティティに合わせているとしたら、もう少しちがうカラーと表現法とともにいろいろな姿を見せたいので、曲のカバーをたくさんしています。その中で最近私の誕生日にアップした「Stardust」が、個人的に本当に満足でとても気に入っているカバー映像です。私が普段歌っていた曲とはちがう歌唱法で歌えた曲なので、もっと響きがあってたっぷりとした呼吸を使ってみたんです。ボラが本当にしたい話、見せたい感性がLulletの皆さんにダイレクトに伝わったら良いなという思いで、演出や編集だけでなく、撮影場所や衣装も自分で探してレンタルして準備しました。最初から最後まで私が作ったストーリーだからか、これまで私がやってきたカバー映像より、もっと自然な私の姿がいっぱい詰まっていると思います。Lulletの皆さんにそんな私の自然な姿と、心地よく歌う声を伝えたいと思いました。「聴いて、聴いてみてよ(笑)」。
自作の曲を作る楽しさ
BO RA:私は芸術高校を出たので、作詞、作曲を学校で習いました。宿題で歌詞を書いてくるとか、メロディをつけるとかをするのが楽しかったんです。その頃から少しずつ趣味のようにやってきました。Lulletの方々が私たちに書いてくれた手紙を見ると、「あ! これは私が歌詞にすべき文章だ!」(笑)と思って、急にメモ帳を開いて作詞をしたりもします。そうやってLulletの皆さんが私に送ってくれた素敵な言葉を一つに集めて縮約した歌が「From to」です。最近はMIDIを勉強中なので、メロディ・メーキングもやってみています。作詞に特に意欲がたくさんある方なんですが、近頃は素敵な歌詞と良いストーリーを盛り込んだ歌がとても多いので、「この作詞家の方はこういうストーリーをこういうふうに表現するんだな。私だったら同じテーマをどうやって表現できるかな」と考えながら、研究したりもしています。歌詞を書く時、現実的な話よりは現実とかけ離れた感じで、あるテーマを持ってあらゆることを自分の思うままによく比喩して、事柄を隠喩的に表現しています。小説も現実的な話はあまり好きじゃありません(笑)。はるか遠くの宇宙に旅立っているといったSF、ファンタジーのジャンルをメインに読んでいるので、そういう本が、私が作詞をするのに参考になっています。ある状況や話を、すごく温かみがあってキラキラした感じで解釈し、またそう作りたいと思う傾向があると思います。
前は本で見つけた印象的な表現だけで作詞をしてみたりしたんですが、最近は「自分が本の中の登場人物になって、その状況を歌にしてみたらどうかな」と思ったりもしています。作家のチョン・セランさんが書いた『地球でハナだけ』という本の中の登場人物が私はとっても好きなんですが、特にその中で宇宙から来た人の気持ちを歌にしたくて挑戦してみたりもしましたし、ドラマ『二十五、二十一』のナ・ヒドとペク・イジンはどんな歌を歌うかなと気になったりもしました。本やドラマ、映画がもともと好きなので、その中からアイデアを得たりもして、影響を本当にたくさん受けています。
BO RAとHAE YOONの歌詞、「A Winter Star」
BO RA:ファンの方たちはご存知の自作曲「私の夜明けになって(原題)」が、星になった人について書いた曲なら、「A Winter Star」は今私の星になってくれている人たち、寒くて暗い時も私を暖かく照らしてくれている人たちについての物語です。心に寒い冬が来たという状況設定と、冬の星という素材を私がまず提案して、HAE YOONさんと全体的にトーンを調節していきながら歌詞を書きました。私はとても理想主義だとしたら、HAE YOONさんは現実的な人です。私は物語がもっと美しくて、比喩と隠喩を混ぜてキラキラした感じを出したいとしたら、HAE YOONさんは現実的に人々の心に触れることのできる物語を書きたがるので、歌が理想的過ぎず、また現実的過ぎず、ちょうど良いバランスで調節できて、二人ともすごく満足でした。本当に事務所の人の手が入ることなしに、私たち二人だけで書いた曲が音源として発売されたのを聴きながら、私がこれまで作ってきた曲も正式にお聴かせできる機会ができたら嬉しいなと思いました。
挑戦の理由
BO RA:目標は一つです。私の歌を聴いて私のステージを見る人たちに、応援と慰めを贈れる、本当に良い風を吹かせられるアーティストになりたいです。Lulletの皆さんにとって、心から誇らしく思える歌手になりたいです。
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