INTERVIEW
EJ「同じ場所にとどまることなく、動くようにしてくれる存在がグループです」
&TEAM『First Howling : WE』カムバック・インタビュー
2023.06.27
EJは自分の考えをひとつひとつ口に出し、慎重に文を紡いでいく。穏やかに染み込み、いつの間にか大きな響きとして残る回答は、彼自身の仕事に対する向き合い方に似ている。
最近EJさんを楽しませる関心事がありますか。
EJ:もともと映画やドラマを観るのが好きだったんですが、本に変わった感じです。『今夜、世界からこの恋が消えても』という映画を観たかったんですが、観られなかったんです。そしたら偶然、本屋で原作を見つけたので読み始めたんですが、小説もおもしろいと思えて、何冊か読んでいます。『不便なコンビニ』という日常小説も読んだり、今はファンタジー小説も読んでいる最中です。そこまで長い趣味ではないんですが(笑)、移動のときや仕事から帰って寝る前に何ページか読んでいます。
食を楽しむこともEJさんのもう一つの趣味のようですね。「&DAY_OFF」では日本でお一人で飲食店を訪れていましたが、よく行くおいしいお店もできたのでしょうか。
EJ:日本の宿舎の近くにお肉料理のお店があります。TAKIさんとFUMAさんと3人で行ったんですが、とてもおいしかった記憶があって、一人でも行ったり、YUMAさんとFUMAさんとまた行って食べたりもしました(笑)。僕はもともと家にばかりいた人なんですが、日本で暇があるたびに、旅行気分で新しいところを探してみるようにしています。道の途中でおいしそうな飲食店に入ったり、見たことのないメニューを食べてみたりもします。そうして何も考えずに出かけて、おいしいものを食べて帰ってくるのが好きです。
メンバーともお互いにちがう食べ物や文化を教え合うこともありますよね。今回の韓国活動で楽しみにしていることがありますか。
EJ:実は僕も韓国で経験していないことがたくさんあります。渓谷に行って遊んだり、南山タワーにのぼったり、映画館にも行ってみたいですね。活動は期待半分、心配半分です(笑)。ほかのアーティストの方々の映像やファンカムもたくさん見て、みんな楽しみにしていますが、韓国活動は話を聞いただけで、やってみる前なので、不安もあります。それでも、多くの方に&TEAMを知ってもらえる活動になれたらと思います。僕が韓国人なので、ほかのメンバーをちゃんとフォローできるかどうかわかりませんが(笑)、メンバーは本番に強いので、あまり心配はしていません。
最近、韓国語の勉強の面で大いにメンバーの役に立っているのではないかと思いますが、どんなことを教えてあげていますか。
EJ:主に「この発音で合っていますか?」、「こういう単語はいつ使うんですか?」と聞かれたら、教えてあげています。僕も『&AUDITION -The Howling(以下、「&AUDITION」)』が始まる前は、日本語で話すことに慣れていなくて、聞き取ることはできても僕の考えを話すことができませんでした。でも『&AUDITION』を始めたら、日本語で会話をしなければならなかったので、話すようになってから伸びたような気がします。それで、メンバーにも韓国語で自分の考えをたくさん話すことが早く伸びるノウハウだと教えています。
今ではEJさんはコンテンツを進行したり、冗談を言ったりするくらいの日本語の実力を身につけられましたよね。
EJ:僕も最初は、自分が言っていることが正しい言葉なのかどうかもわからず、このタイミングで言っていいかどうかもわからない、そういう悩みがあって話さなかったんです。でも、あまりにももどかしいですし、僕の考えを言いたくて(笑)、とりあえず間違ってもいいから話したいことを話すようになってから、むしろ整理ができたような気がします。僕もとりあえず話してみて、とりあえず投げかけてみるほうです(笑)。僕は未だに日本語を間違えるときがあるんですが、そうするとメンバーがまた整理して話してくれるんです。それを頭の中で考えて、次に意識しながら話してみることが役に立ちました。
今回のアルバム『First Howling : WE』のタイトル曲「FIREWORK」は、韓国語と日本語のバージョンともに収録されましたよね。
EJ:普段は僕がメンバーに、日本語で歌を歌うとき「この発音で合ってる?」と聞くんですが、今回はメンバーも韓国語の歌を歌うとき、僕によく聞いてきました。でも僕も、韓国語で話すときと歌を歌うときでちがうじゃないですか。それで、韓国語ではどう歌ったらもっとかっこよく聞こえるか、工夫と勉強を改めてするようになりました。
EJさんは「FIREWORK」をどうイメージし、レコーディングされたのでしょうか。
EJ:「FIREWORK」はどこか胸がいっぱいになって、思いっきり駆け出していかなければならない感じがしました。僕はまず歌詞を読みながらその意味を考えて、歌を歌うほうです。デビューアルバムは「僕はこのままで大丈夫だろうか」と自ら自覚し、変わりたいと心を決めるものの、行動はしていない段階なんです。今回のアルバムは、僕が探す君に出会うために動き、考えたことを行動に移したものだとイメージしました。「あのときよりもっと成長した自分になって、この歌を歌っているんだ」という印象を受けたんです。僕がデビューアルバムを準備しながら物足りなさを感じた部分が多かったので、ボーカルの練習を集中的にしました。全部満足できるとは言えませんが(笑)、自ら成長したのが感じられて、今の方向のまま頑張ってみようと意を決するようになった時間でした。
EJさんが持っている柔らかい印象とはちがい、荒い感じを出さなければならない「Road Not Taken」は大丈夫でしたか。
EJ:レコーディングのとき、プロデューサーのSomaさんがいつも「もっと、もっとやってみて、もっと」とおっしゃるんです(笑)。でも「Running with the pack」もありましたし、「Scent of you」も少しは力強く歌う部分があって、慣れてきたと思います。僕は、普段はほかの人に強く話すほうではないんです。ですが、レコーディング・スタジオに入ったら、思いっきり怒ってみたり、ややイライラした感じで歌ってみたりするのが案外おもしろいですし、時にはストレスも解消される感じがするのでいいと思います。「こんな声も出せるんだ。自分にこんな姿もあるんだ」と思うようになります。
「Road Not Taken」はパフォーマンスの面でも強烈ですよね。
EJ:はい、ものすごいです(笑)。メンバーと合わせていくうちに、少しずつ慣れてきたと思います。「Road Not Taken」は大きく動く部分もありますし、静的でありながら強烈さを見せなければならないので、そういうところを適切に表現できるように気を配りました。「FIREWORK」は文字通りキレキレの群舞で休める部分がほとんどなく、体力的に大変である一方、「Road Not Taken」はメンバーがみんなでひとつの絵を描いたり、誰かは上にジャンプしたり、肩に乗って後ろに反らして歌を歌ったり(笑)、そういうところが大変でした。それでも、メンバーがやりやすいようにお互いに声をかけ合っています。「全然痛くないから、心配しないで走っていいよ」、「全然重くないから、遠慮なく乗っていいよ」と声をかけて、走ったり乗ったりする人もどうしたら重くなく感じられるか気を配りながら練習するから可能なことだと思います。
&TEAMのパフォーマンスはかなりの練習量とメンバー間の信頼を基盤にしているわけですが、そういう点でEJさんはリーダーとしてどんな役割をしてあげようとしたのでしょうか。
EJ:最初は「僕が何をすればいいんだろう」という悩みも多く、リーダーというものが難しく感じられるばかりでした。リーダーだからメンバーに何かをしてあげようとするよりは、メンバーが意見を気兼ねなく言えるように場を設けたり、うまく集中できないときに集中しようという雰囲気を作るようにしています。未だに難しいんですが、僕にできるのはそういう部分のような気がします。リーダーは僕が難しく思っているところを必要とするので怖かったですし、それくらい大事な役割だと思いました。それでも、メンバーと周りの方々が信じて任せてくれたわけじゃないですか。それがとてもありがたいですし、その役割が務まると信じてくれたわけなので、さらに勇気を出して臨むことができました。
リーダーというものをEJさんなりのやり方で受け入れられたのではないかと思いますが、どのような過程があったのでしょうか。
EJ:最初から最後まで難しいところが多かったんですが、そのたびに逆にメンバーに聞いてみました。なぜなら、僕もリーダーという役割について知っていることがなく、何をしたらいいかわからない状態だったので、聞ける人がメンバーしかいなかったんです。「僕がどのタイミングで挨拶をしたほうがいいと思う?」と聞くと、メンバーも積極的に意見を出してくれます。それから、FUMAさんがサブリーダーなので、気軽に頼りにして聞くことができました。わからないことがあったら、一人で考えるよりFUMAさんのもとに行きます。すると、FUMAさんも「そうだね。そういうときはどうしたらいいんだろう」と一緒に悩んでくれるだけで安心できましたし、励ましになりました。
そのようにしてメンバーの意見を聞いたり、悩みを分かち合うことは、EJさんにとってどんなふうに感じられたのでしょうか。
EJ:僕は自分とちがう考えを聞くのがおもしろいので、そんな性格がメンバーの話を聞いたり、遠慮なく話せるようにすることに役立ちました。逆に僕の考えを話すことには慣れていなくて、難しくも感じられました。もともと一人で悩んで、時間を過ごすことが好きだったんです。ですが、メンバーと一緒に会話をしながら「僕はこう思うんだけど」と言ったとき、メンバーが「その考え、いいね」と言ってくれると、「僕の考えが正しかったんだ」と確信を持てるようになるということを改めて感じました。それで、「どうすればこのグループがもっと楽しく活動できるだろうか」といった悩みについては、メンバーを頼りにしています。
EJさんがより気兼ねなく頼りにしているメンバーもいますか(笑)。
EJ:わからないことがあれば、年上メンバーに聞いて頼りにしているように思いますし、やはりNICHOLASさんが同い年なので、一緒にいるだけで心地いい雰囲気で、心の支えになります。年下メンバーのことは世話を焼いてあげたいですし、年上メンバーには年上だけに礼儀正しく話すところがありますが(笑)、NICHOLASさんはわざわざ言わなくてもわかってくれたり、意地の悪いいたずらも一緒に楽しんでくれるので。FUMAさんとはグループ的に悩みを分かち合っているとすれば、NICHOLASさんとはアーティストとして、アイドルとして、どうしたらいいかアドバイスもし合っています。「こういうときかっこよくて、こういうとき上手だから、こういう部分をもっと表現したらいいんじゃないかな」と、お互いにとって先生になったり、気の置けない友達になるときがあります。
一方で、年下メンバーにはどんな存在になってあげようしていますか。
EJ:実際いくら年下メンバーに「気兼ねなく意見を言ってね」と言っても、年上ですから(笑)。気兼ねなく言えるように気にかけて、小さいことひとつでも「MAKIさん、TAKIさん、HARUAさんはどう?」と聞いてみます。時には僕より大人びていて、年下メンバーに見習うところがずいぶんとたくさんあります。むしろ僕がリーダーとして大きくグループに寄与しているわけでもないのに、リーダーだからと言って譲ってくれるとき(笑)、ありがたいですね。それから、僕は他国で暮らしているわけですから、僕がどこかに行くと話すと、メンバーが「一人で大丈夫?」と聞いてくれたり、付き添ってくれたりするときもとてもありがたいです。
そんなメンバーと&TEAMとして共にするということは、EJさんにどんな影響を与えているのでしょうか。
EJ:『&AUDITION』をしながら「僕の仕事は一人では絶対にできないことなんだ」と感じました。ほかの人たちと会話をして、支え合って、人としてもっと成長できた感じです。僕が常に客観的に見て、常に上手にこなせるわけではありませんから。僕の方向がずれているときはメンバーがちゃんと支えてくれるので、自分を見直してみて、進むべき方向を自ら判断できるようになります。グループでは僕が一人で立ち止まりたいときに立ち止まって、進みたいときだけ進むわけにはいかないじゃないですか。立ち止まるときも一緒に立ち止まって、一緒に進んでいかなければならないのがグループなので、怠惰でいられません。一グループのリーダーとして、アーティストとして、人として。同じ場所にとどまることなく、動くようにしてくれる存在がグループだと思います。&TEAMは僕を成長させる存在です。
そんな大切なグループに出会うまで、Mnet『I-LAND』と『&AUDITION』という2回のオーディションを経てこられました。簡単ではない選択だったと思いますが、今振り返ってみると、どのようなお気持ちですか。
EJ:「自分はどこにそんな勇気があって始められたんだろう」と思うるほど(笑)、大きな勇気が必要な挑戦だったと思います。ですが、当時は僕に与えられたチャンスだったので、それを断る理由がありませんでした。それに、共にしてきたメンバーと一緒にデビューできるチャンスだったので、それだけでやってみようと決めたように思います。あまりいろんなことは考えませんでした。とてもいいチャンスでしたし、チャンスを逃したくなかったので、掴みました。準備する中で厳しい過程がありましたが、今思えば、大きな成長の糧になりましたね。
『I-LAND』の当時、「発展の可能性が見える」という言葉からプレッシャーを感じたりもしましたが、『&AUDITION』ではEJさんがほかのメンバーをリードするという成長が見られました。
EJ:『I-LAND』の当時は、自分自身にもどかしさを感じるところもあったり、発展の可能性があるという言葉がプレッシャーに思えたりしていました。今思えば、「そのときの僕は幼かったんだ」と思います。そういう悩みがひとつひとつ積み重なって今に至るわけですが、一生懸命頑張ってここまで無事に来られたなと思います。今は「これからどう進んでいけばいいんだろう」ということを考えています。
EJさんがそのような悩みと努力を傾けるほど、この仕事に魅力があったわけですね。デビューし経験してみて、いかがでしたか。
EJ:デビュー前に僕が思っていたアイドルはキラキラ輝いていて、現実世界にいなさそうな存在でした。事務所に入って、ほかの練習生の仲間に会って、デビューして、活動してみたら、その裏にものすごい過程があるということを知りました。ですが、むしろそういう部分にさらに強い魅力を感じています。見えないところでもたくさんの努力と汗水を流して(笑)、準備した結果を人に見せる職業が魅力的に感じられます。練習生のときは準備したものを見せて評価を受けていたので、デビューをしても大して変わらないだろうと思っていました。練習したものをお見せして、上手にこなさなければならないという考えに慣れていました。ですが、いざステージに立ってみたら、ステージを見ながら楽しんでくださるファンの皆さんがいらっしゃって、僕もプレッシャーに思っていた場が楽しくおもしろくなりました。「ファンの皆さんを楽しませよう、もっといいものをお見せしよう」という気持ちになって、練習のときもさらに欲が出ます。
そのようにEJさんに欲を出させてくれるLUNÉは、今ではどんな意味になっていますか。
EJ:最近ファンツアーをして、「僕を、そして僕たち&TEAMを愛してくださる方々がこんなにたくさんいらっしゃるんだ」と気づきました。LUNÉの皆さんの応援と愛が思ったよりもっと励みになり、慰めになります。それで、僕もその分だけ恩返しできるように、そしていろんなところで応援してくださるLUNÉの皆さんに会いにいけるように、頑張りたいと思います。もちろん、コンサートやツアーのような大きな目標もありますが、僕たちがどのように成長していくのか、ひとつひとつお見せすることが夢です(笑)。
Credit
文. ユン・ヘイン
インタビュー. ユン・ヘイン
ビジュアルディレクター. チョン・ユリム
コーディネイター. イ・イェジン
ビジュアルクリエイティブチーム. チャン・イェスル、上田紗英子
写真. LESS/Assist. イ・スジョン、パク・スンソク、チョン・ジュンソ
ヘア. イム・ジョンホ、キム・ミンヨン、キム・ミンウク
メイク. ペク・ヒョンア、イ・ジミン
スタイリスト. キム・ビョンギュ
アーティスト運営チーム. ソン・ビョンチョン、佐藤学、望月健太、松本千尋
Weverse Magazine
EJ:“不停留在一个地方,让人行动起来的存在就是组合”
&TEAM 《First Howling:WE》回归访谈
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