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文. イ・ジヨン、キム・ドホン(ポピュラー音楽評論家)
デザイン. チョン・ユリム
写真. AOMGOFFICIAL Youtube
​『CODE KUNST's Starry Ear Night』
イ・ジヨン:「この番組は(ゲストの)心を癒やし、ヒーリングをもたらすというコンセプトです。家に帰ったら皆、寝転がるじゃないですか。僕も家では寝転がってるタイプなので、こうやって横になって進行したほうが、見てくれる人もリラックスできるんじゃないかって」 CODE KUNSTは、「EP.1 KIAN84」編で番組のコンセプトについてこのように語った。「寝転がって撮影したい」というメッセージを美しくラッピングしたCODE KUNSTの願いどおり『CODE KUNST's Starry Ear Night』は、ホストであるCODE KUNSTがゲストと並んでベッドに腰掛け、リラックスした空気の中で悩みを分かち合い、ゲストの悩みに合わせた「セラピー」を提供する。ところが、自分の怖いイメージが心配だというイ・ドンフィには「やわらかセラピー」のうちヘアセラピーをお勧めし、髪にサーモンピンクのヘアピースを付けてソフトな印象を演出したり、感情表現が悩みだというDEXには、話し方の矯正によって豊かな感情表現を学べる「クッションワードセラピー」を勧め、すべての語尾に「ヨン(용)」を付ける「ヨンヨン話法」を教えるなど、一般的なセラピーとは程遠い状況が続く。ゲストたちも、はじめのうちは「これがセラピーだって?」と怪訝な顔をするものの、タイトルさながらに「輝く耳(Starry Ear)」で相手の話に耳を傾けるCODE KUNSTの態度は、時間の経過と共に「キャラクターを研究する方法」や「バラエティについての悩み」など、ゲストが心からの悩みを打ち明けるほどの深いコミュニケーションをもたらす。彼特有の、高くもなく低くもない穏やかなエナジーと共に撮影は進み、ゲストの話にしっかり耳を傾け共感できるその態度は、相手が誰であっても自分の本音をリラックスして打ち明けられる空気を作る。彼と会話をしているとなぜかリラックスできると話すゲストや、彼を見ているだけでも癒されるという視聴者たちの反応がそれを証明している。始まりは「ゲストの疲れた部分を癒す番組」だったものの、いつのまにか見る者の心までも癒し、「ヒーリング」の対象と領域を広げていく『CODE KUNST's Starry Ear Night』。15分前後という長くない尺で、CODE KUNSTが贈るもっとも淡泊で優しいセラピーだ。
​Park Soeun「2017」
キム・ドホン(ポピュラー音楽評論家):シンガーソングライターPark Soeunの青春は、きらめくこともなく、美しくもない。無謀な自信と無駄な期待に溢れ、アルコールとカフェインを浴びるように流し込む夜明けの街の片隅で、粘ついた気だるさと共に何度虚ろな朝を迎えたことだろう。後悔、挫折、無気力、怒り、醜い感情を抱えながら何度も座り込み、そのたびに平気な顔で、何の目的もない純粋な遊戯に向かって、何度靴のかかとを踏み潰したまま街に繰り出したことだろう。昨年、芸術として創造されるものが美しいものばかりであることが悔しい、不当だ、というメッセージを込めたフルアルバム『Recycle』をリリースしたPark Soeunが、ニューアルバム『Timeline』と共に帰ってきた。20代のわだかまった感情を時系列で振り返る収録曲のうち、大型音楽フェスで観衆を踊らせる「2017」が耳に飛び込んでくる。タイトルからして過去の話であることを隠そうとしないこの曲で、Park Soeunは喧しい現実の騒音にしばらく耳を塞ぎ、アルコールと人の力で皆が幸せそうに笑っていた過去に思いを馳せる。「ありふれていて軽い気持ち / それでいて他より危険なだけ」と警告した前作のロックナンバーのタイトル曲「Slipper」とは異なり、思う存分懐かしさに浸ることができる。それゆえいっそう憂鬱だ。明日のことを考えずに酔い、漠然と「楽しい」を吐き出していたあの頃は戻ってこない。我々はそれを、分かりすぎるほどよく分かっている。声の限りにこの曲を歌おう。「わたしは知ってる / 今日みたいなわたしたちは二度といないこと」