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文. オ・ミンジ
写真. ENHYPEN YouTube

「幼稚園から帰ってきて夕食までの時間に、近所の公園で」父親と野球を楽しんだ幼稚園児NI-KIは今、ENHYPENのメンバーとして世界を巡り、メンバーたちと野球を楽しんでいる。所属事務所の社屋でプレイするゲーム『MLB The Show』に、バッティングセンターでの勝負、ドジャー・スタジアムでのLAドジャース始球式、大好きな読売ジャイアンツのホーム球場である東京ドームでのライブまで。これまでの人生とその中にある野球について、NI-KIが話してくれた。

 

父との思い出

NI-KI:小さい頃、父が4番バッターのユニフォームを着ている写真を見たことがあります。4番バッターは上手い人の打順で最も重要な役割のひとつなので、その写真がきっかけで野球が好きになりました。幼稚園から帰ってきてご飯を食べるまでの間、近所の公園で父と野球をしたことを思い出します。何歳のときかは思い出せないんですが、脚にある傷跡も、父みたいになりたくて駐車場で一人練習していた最中に転んでできた傷です。

 

野球ゲームの楽しみ

NI-KI:野球ゲームは、家ではあまりしないんですが、事務所に行ったときにします。事務所のアーティストラウンジの休憩スペースがすごくよくて、そこにPlayStationがあるんです。レコーディングの待機時間に一生懸命練習した後、休憩するタイミングでそこに行って、メンバーたちと1対1ゲームをします。野球ゲームはJAKEさんと、『FIFA』や『UFC』はHEESEUNGさんと遊んでいます。HEESEUNGさんは野球ゲームが得意じゃないので、あまり参加しません(笑)。PlayStationをやるのはそもそも3人だけですけど、野球ゲームでは僕が1番、2番がJAKEさん、3番がHEESEUNGさんです(笑)。

野球ゲームより前に楽しんだゲーム

NI-KI:今、PlayStationは僕とJAKEさん、HEESEUNGさん、それからごくたまにSUNGHOONさんがするくらいです。でも、前にメンバーの間でNintendo Switchが流行ったことがありました。そのとき、皆で『マリオカート』や『あつまれ どうぶつの森』(以下、『あつ森』)でよく遊んでいました。特に『あつ森』は、メンバーたちと離れて一人で寝ることになったときにすごく怖くなって、それを紛らわせようと本当にたくさんやりました。怖くて寂しいときは『あつ森』です(笑)。 


野球ゲーム『MLB The Show』だけの魅力

NI-KI:ホームランを打ったときの「やったぞ」という快感! 野球ゲームは、ボールが飛んで来たときにピッタリ合わせることが大事です。それが本当に難しいんですけど、タイミングと角度と位置がピッタリ合ったときに見られる特殊演出があるんです。それを見たくて何度もやってしまいます。キャラメイクにも興味はあるんですが、時間がかかりそうなのでまだ挑戦してません。もしするなら、大谷選手のように投手も打者もできるキャラクターを作ってみたいですね。ああいう二刀流プレイヤーは多くないんです。

「LAエンジェルス」始球式の夢

NI-KI:メンバーたちが、LAドジャースの試合で始球式をしたじゃないですか。試合で見ていた選手たちに実際に会えることがとても不思議で、自分もやってみたいと思いました。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を見て本当にカッコよかったので、まずグローブを買って、選手の皆さんがするように肩を痛めないよう肩の筋肉をタオルでほぐすところから始めて、硬いボールを投げる練習をしたり。ですので、僕も始球に挑戦したいです。試打はまだちょっと不安です(笑)。「LAエンジェルス」でも(始球を)してみたいしですし、選手の方々と一緒にキャッチボールもしたり、そのチームにいる大谷選手にも会ってみたいです。


大谷翔平選手の魅力

NI-KI:野球は僕の本業から離れた分野、それほど上手ではないスポーツです。そこから来る魅力のおかげで、野球が趣味になったようにも思います。大谷翔平選手は、僕とは他の職業だとはいえ、練習する姿や本業に対する情熱から、とても多くのインスピレーションを受けています。自分自身に厳しい姿もカッコいいですし、トレーニングにも励まれていて日に日に体つきもよくなられて、性格もよくて、本業に対する情熱もある方のように思えて、そういう積極的な姿に魅力を感じます。スポーツだけでなく、舞台装置を作ってくださる方や照明を扱う方のように、僕ができない分野や知らない知識を持っている方を見ると、尊敬の気持ちが湧きます。


ENHYPEN vs.マネージャーチームの勝負

NI-KI:バッティングセンターにいる動画をWeverseに載せたことがありました。JAKEさんとHEESEUNGさん、僕でアーティストチーム、そしてマネージャーチーム、こうチームを分けて勝負したんです。その日のために木製のバットまで買いました(笑)。ただ、球速を90キロに設定したせいで手がすごく痛くて。でもその日は僕たちが勝ちました。その日のMVPはHEESEUNGさん。その日はですよ、その日は! 『EN-LOG』を見ていただければ分かりますが、速度とコントロールは僕のほうが上です。普段、野球では僕がチームで一番なんです。

『EN-LOG』で一段落した野球ブーム

NI-KI:今回のVlogも、ENGENEの皆さんに野球をしている姿を見せたくて撮ったんですけど、前からネタバレを結構していたんですよ。撮る前から防具も買って、投球フォームやグローブを慣らすところも見せましたから。その撮影のとき、球速100キロ出せるまで帰れないというコンセプトにしたんです。速度計も持っていって、100キロ出るまで続けることにしたんですが、1時間で成功しました。すごく大変でしたけど(笑)。野球は、『EN-LOG』でもうお終いにすることにしました。僕はもっとやりたいんですけど、JAKEさんが大変そうなので。一緒にやってくれる人が飽きたら、僕も飽きるみたいです。ボウリングも、昔は週に2、3回は行って、マイボールまで作ったんですけど、メンバーたちが腕が痛いと言っていたので、一緒にプレイする人がいなくなり、僕もしなくなりました。


新しい趣味と関心事は「ファッション」

NI-KI:性格上、何かにハマるとそればかりするほうです。歌や振り付けも、好きなパートをずっと練習してしまいます。前回のアルバムでは「Bills」がとても気に入って、自分のパートを何度も練習して、レコーディングも満足するまでやりきりました。愛着が湧くと、ずっと続けるタイプです。最近はファッションにハマってるんですが、今回PRADAのアンバサダーにもなりましたし、ツアーを回ると写真もたくさん撮って、撮られるじゃないですか。ばっちりキメた姿で撮りたいという思いもありますし、写真もたくさんアップしたいですし、ENGENEの皆さんにもカッコいい姿をアピールしたいので、そういう流れでファッションに関心を持ちはじめました。それから、スタイルやブランドをたくさん研究すれば、自分にもっと似合う衣装がどんなものかも分かりますよね。これから衣装のフィッティングをするときも、今までより多くの意見を出せると思います。


NI-KIのユニフォームファッション

NI-KI:今度東京ドームに(公演をしに)行くじゃないですか。東京がホームの「読売ジャイアンツ」を応援してるんですけど、時間があればチームで一番好きな岡本和真選手のユニフォームやタオルを買いたいです。実は、ユニフォームは記念に買うので普段はあまり着ないんです。クローゼットに入れておいて、ダンスするときにオーバーサイズで着るとヒップでカッコいいので、たまに練習着として着ることもありました。でも、メンバーたちにイジられるのでもう着ません(笑)。


練習室の壁に隠された秘密

NI-KI:これを言ったら怒られそうですけど(笑)! 野球じゃなくてサッカーをしているときに、練習室の壁の内側に木材が入っているんですが、それを折ってしまいました。それで、壁にボールが当たると折れたところの音だけ違います。皆でサッカーしていたら「バキッ」って音がして、最後に蹴った人が折ってしまったんです。そのとき、最後に蹴ったのが僕だったような…。事務所から注意するように言われていますが、最近はしていないのでご安心ください。僕も年を取って、身体を使うと少し疲れるようになってきました(笑)。

野球場からENHYPENの公演会場へ

NI-KI:リハーサルのとき、観客席に行くこともあるんです。ドーム公演をするときは必ず客席のほうに行って、芝生があるかを確認するんですけど、芝生が敷かれているのがとても不思議でした。人工芝はたくさんありますけど、僕たちは試合用の本物の芝を使えないので、JAKEさんと触ってきました。この前のSUMMER SONICのステージも野球場だったんですけど、後ろに芝生があったんです。なので、JAKEさんとバスから降りて急いで触ってきました。


ドーム球場がENGENEでいっぱいになる瞬間

NI-KI:デビューオーディション番組が放送された頃から、新型コロナによりファンの皆さんと物理的な距離がどうしても遠くなることが多かったです。今はENGENEの皆さんと一緒に大きな声を出すことができ、コミュニケーションも取れるので、その時間がとても大切です。ステージに立つ3時間、その会場がいっぱいになるじゃないですか。その姿を見て、思わず泣きそうになる瞬間があります。だからツアーでは、その日のステージやミスで悔しい思いをしても、小さなミスのせいでネガティブになるより、ミスを経験したからこそ作れるより良いパフォーマンスのことだけを考えようと思っています。そして、時間を置いて考えを整理することで悩みを解決しています。失敗や悔しさも、成長過程の一つだと思っているので。