
『EUNCHAEのスター日記』
イ・イェジン:LE SSERAFIMの最年少メンバーであるHONG EUNCHAEは、昨年5月デビュー以降、年上メンバーにたっぷり愛されながら、長い間、夢見てきたアイドル生活を存分に楽しんでいる最中だ。望んでいたステージに立ち、オリジナルコンテンツで思い出を作り、音楽番組のMCとして番組進行までテキパキとこなすなど、任された仕事をしっかりやり遂げると同時に、ただただ幸せそうなEUNCHAEの姿を見ていると、アイドルEUNCHAEの成長日記をリアルタイムで覗いているような気分になる。KBS2『ミュージックバンク』の最年少MC、「赤ちゃん頭取」ことEUNCHAEが楽屋で出演者に会い、レジャーシートに座ってインタビューをするウェブバラエティ『EUNCHAEのスター日記』は、彼女がプロのアイドルを超えた「アイドル界の国民的MC」に生まれ変わる過程を収めるためのもう一つの成長記録だ。
EUNCHAEが直接カメラを持って廊下を通り、ゲストの楽屋にお迎えに行く道中、どうしたらいいかわからず緊張している様子は、毎回のエピソードで欠かさない場面だ。ゲストと最初に挨拶を交わし、一緒にインタビュー場所に移動するとき、視聴者にまで伝わる恥ずかしく決まり悪い空気はおまけ。新しい人との出会いに人見知りし、時々ゲストが進行をしているような状況が繰り広げられるなど、少しばかり不器用な「赤ちゃんMC」だが、だんだん自分だけのスタイルと魅力で雰囲気を和ませ、EUNCHAEにしか引き出せない会話を進めていく。かわいいスタイリングよりは、ステージでかっこよく見せたいと思う数多くのアイドルグループの最年少メンバーが持つ悩みから始まったEUNCHAEの「ツインテール嫌団」募集、相手が「T」であること自体が寂しく思えるほど感性的な人として必ずしなければならない「MBTI」の質問など、EUNCHAEの性格とキャラクターをもとにゲストとちょっとした共感ポイントを見つけながら行われる会話は、予想外のEUNCHAEとゲストのケミストリーを醸し出すおもしろさを生み出したりする。そうしてEUNCHAEとゲストがお互いに「やっと話しやすくなる頃」には終わるところが『EUNCHAEのスター日記』の醍醐味だ。これまで『EUNCHAEのスター日記』を訪れたゲストの中でもEUNCHAEと「親友」の会話が気になるならNMIXXのKYUJIN編とKep1erのHUENING BAHIYYIH編を、EUNCHAEの「芸能人友達作り」の過程が気になるならaespa編を、大先輩の前で特に緊張し、さらにかわいく感じられる姿がほしいならEXO編を、何よりもなかなか見られないEUNCHAEの「先輩らしさ」を見たいなら&TEAM編とBOYNEXTDOOR編をおすすめする。
「Plastik」 - OTOT
ナ・ウォニョン(ポピュラー音楽批評家):「21st century electronic duo」という紹介文と同名のアルバムとは裏腹に、エレクトロニック・デュオとしてのOTOTの電子音楽は、ふと聞くと今世紀より前世紀に近いように聞こえる。毎拍に合わせてまっすぐに叩かれるドンとタン、サウンドの角張った波形にきっちり合わせた声音、かわいい幽霊になって周りをポンポンと漂う声のサンプル、明快な旋律の着実なループによって動く展開、さらにはラップトップの代わりに置かれたアナログシンセサイザーとドラムマシンまで。これらがとてつもなく大切な理由は、韓国の大衆音楽には「前世紀のエレクトロニック」があまりにも遅く訪れ、充分な力を発揮できないまま今世紀に来てしまったためだ。Lee Sun-kyuとKo Beom-junのペアはOTOTとして最初のシングルを発売した2016年にも、まるで前世紀のとっくに前からいつもそうしてきたかのように、巧みな腕前で強力な電気作用を起こした。この自然なつながりは、15年ぐらい前のHot Potatoの4thアルバムやPeppermint Clubに遡る協業と、Ko Beom-junのThin_GoやLee Sun-kyuのプロデューシングといった個人作業が支えてくれているおかげだ。だとすると、OTOTは1990年代後半、インディー・ロックから始め、2000年代にさまざまな電子音楽を聴かせてくれた同年代の音楽家たちの組み合わせ(例えば、Ftone SoundやMozosonyon)を遅ればせながら円熟したものに具現化したというわけだ。最近、公告音楽として使われ、認知度を上げた「OO」の欠片が秘められた「Plastik」は、つぶやく機械の声といろんな形のシンセ音を交互に配置しつつ、キックドラムとスネアの一定した4拍の上のハイハットを区間によってちがうように刻んでいきながらスピード感を調節する。そうすることで、鮮やかで明るいサウンドはふと急ピッチで歪んではまた輝くことを繰り返し、このような運動が漂わせる緊張感はアルバムの最初から最後まで(うごめく蜘蛛の姿をユーモラスに描写する「Spider」のように)絶え間なく移動する。その道のりはどことなくIDIOTAPEからAhn Maruまでにわたる同時代の韓国エレクトロニカの主な断面とよく交じり合っていき、そうしてベテランの奇妙な時代錯誤は二重三重に巡り巡って再び「21世紀電子音楽の2人組」にふさわしくなる。
無断転載及び再配布禁止