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文. ソ・ソンドク(ポピュラー音楽評論家)
写真. BIGHIT MUSIC

JUNG KOOKはデビューアルバム『GOLDEN』の活動(いわば、golden arc)を、この夏の「Seven (feat. Latto)」からスタートさせていた。それもそのはず、今考えてみれば「Seven」には、『GOLDEN』の制作スタイルと価値が色濃く含まれている。エクスプリシット(explicit)バージョンには、単にスラングや敏感な表現が入っているのではなく、恋愛に結びつく性的なニュアンスが込められている。ポップミュージックの世界ではありふれているが、K-POPには存在しないかのように思われていた領域が、ある日突然巨大な存在感で現れた。JUNG KOOK自身の「末っ子」という昔からの(あるいは永遠の)ポジションのため、人々がそれを意外に感じたのではない。大半の韓国メディアは、“I’ll be f**king you right”について、知らぬ振りをしたように見えた。英語詞の曲ということも幸いしたのだろう。部屋の中の象(the elephant in the room)について「僕を何歳だと思ってる?」と問い返したのはJUNG KOOK本人だった。 

先日の『GQ』インタビューで本人が語ったように、「成熟を感じられたなら、それはいいことだ。意図的なものでもなく、自然に出てきたもの」。自然なものゆえ、わざわざ新たなエクスプリシットトラックを作ろうとしたり、今度はどんな意味を込めようかと悩む必要はない。『GOLDEN』に収録された楽曲は、恋愛の感情的な流れに従っている。恋が始まる瞬間を歌う「Closer to You (feat. Major Lazer)」や「Yes or No」を経て、「3D (feat. Jack Harlow)」と「Standing Next to You」の溢れる自信、「Hate You」の絶望、「Too Sad to Dance」、「Shot Glass of Tears」の破局へと続く。

制作プロセスにおいてJUNG KOOKは、ソングライティングやプロダクションのクレジットに名を連ねない。その代わり、信頼するソングライターやプロデューサーとの協業を行う。前者は、昨今のスタジオで曲が作られる様子からするとむしろ珍しく、後者は当然のことだ。「Seven」を作ったアンドリュー・ワットとサーキットは「Standing Next to You」で再びピークを見せ、ショーン・メンデスは「Hate You」の共同制作に名を連ねた。エド・シーランは「Yes or No」でギター演奏にも参加している。そしてJUNG KOOKは、自らの嗜好の中でよい音楽を選別し、ポップボーカリストとしてのポテンシャルを最大限に発揮する。「Seven」のUKガラージや「3D」の2000年代スタイルが、若きアーティストにとっての「レトロ」のラインがどこにあるかを教えてくれたとすれば、「Standing Next to You」のファンク/ディスコは、アッシャーを越えてマイケル・ジャクソンにまで遡る。ポップの時間軸だけでなく、ダンスに近いアプローチも見られる。メジャー・レイザーが参加した「Closer to You」にレゲエトーンを感じたかと思えば、「Please Don’t Change (feat. DJ Snake)」は、DJ Snakeがジャスティン・ビーバーに新たな全盛期をもたらした頃を思い出させる。
アルバムという形式には、ときに過度な修飾がついてしまうものだ。芸術的な野望、有機的な構成、自我の投影などがそのよい例だ。しかしアルバムは、何と言ってもその時期のアーティストが生み出す一つのポートフォリオだ。よいアルバムは、そのポートフォリオが何を残したかを自ら証明する。『GOLDEN』は、歴史的な成功を収めたボーイバンドのメンバーが、純粋なポップスターに生まれ変わったケースだ。歴史は繰り返されると言うが、我々はグループの最年少メンバーが華々しいソロキャリアを打ち立てるのを何度も目撃してきた。ロビー・ウィリアムズ、ジャスティン・ティンバーレイク、ハリー・スタイルズは、いずれもチームで一番若いメンバーだった。これには一種の社会的な理由を見ることができるだろう。10代半ばに活動を始めた彼らは、数年間のグループ活動を経て、人気と資源を兼ね備えた若きポップスターとして爆発的な力を持つに至る。それがグループの「末っ子」に与えられる特権なのかもしれない。

しかし、K-POPで末っ子理論の最新バージョンを見ることになろうとは予想していなかった。BTSの世界的成功は一種の始まりだ。そこから、世界最高レベルのポップクリエイティブとのコラボレーションや100%英語詞で歌った曲のグローバル・リリースを実現し、そのプロセスで作家症候群に縛られることなく自らの好みを提示できるポップスターが現れたのだ。JUNG KOOKは『GQ』インタビューで、成功をこう定義する。「成功が他人からの視線によって定義されるとは思わない。自分自身に満足と幸せを感じ、苦難と挫折を体験するすべての瞬間に、成功が存在する」。アルバム『GOLDEN』は、おそらくそれ自体が成功であり、一方でこれから訪れるより大きな満足、幸福、苦難、挫折の小さな瞬間に過ぎないだろう。繰り返される歴史の中で、予想しやすい賭け(betting)だ。