INTERVIEW
KAZUHA「皆さんの期待を超えたいです」
LE SSERAFIM『ANTIFRAGILE』カムバック・インタビュー
2022.10.26
質問を受けると、少し悩んだ後ひと言ひと言続けられたKAZUHAの答えには、「さらなる高み」に向けた無限の期待が込められていた。
韓国で過ごした初めての誕生日はどうでしたか。
KAZUHA:部屋にいて、ノックの音を聞いて出てみたら、メンバーたちがみんな集まってサプライズの誕生日パーティーをしてくれました。その日はみんな一緒にワカメスープも飲んで、怖いドラマも観て、話をして寝ました。メンバーたちが家族のように私の誕生日を祝ってくれたので、とても嬉しかったです。
メンバーたちと出会って1年も経っていないのに、どうやってそんなに早く親しくなったのですか。
KAZUHA:実は初めはメンバーたちに自分から声をかけることでさえ勇気が必要だったんですが、デビューしてからは話すことに対する緊張や怖さがずいぶんなくなりました。私がどんな話をしても、メンバーたちはよく聞いてくれて理解してくれるので、もっと楽に話せるようになりました。オリジナル・コンテンツの撮影をする時は、私がちょっと言葉を間違えても、メンバーたちが上手く活かしておもしろく受け入れてくれたりもしますし。ただおもしろくするだけじゃなくて、その状況をかわいく愛らしい雰囲気にしてくれるので、とてもありがたいです。
オリジナル・コンテンツの撮影はどうですか。視聴者の方々がKAZUHAさんのことを天性の「笑いの才能の持ち主」だと言っていましたが(笑)。
KAZUHA:オリジナル・コンテンツの撮影をする時は、何かを考えたらダメです(笑)。何も考えずに話さないといけません(笑)。私は『LENIVERSE』の撮影が一番好きなんですが、特に最近公開された「ネットカフェで起きたこと」のエピソードがすごくおもしろかったです。SAKURAさんは今日も待機しながらその映像を見ていました。ドラマでばかり見ていたネットカフェに実際に行ったのが初めてだったので、すごく不思議でしたが、私はゲームが上手くできなかったので、ちょっと残念ではありました(笑)。
コンテンツの撮影もかなり慣れたようですね。カメラの前で自分を表現するのが、少し自然にできるようになりましたか。
KAZUHA:撮影のたびに私の新たな姿を発見しているような気がします。初めてのコンセプトで撮影する時は、いつも難しいので、どうしたらもっと上手くできるか悩んでいますね。表情の練習をしながらまねをしてみたりもしましたが、まねをしたら結局自分のものではないと思ったんです。どんなコンセプトでも、自分に合った表現をするのが重要だと思います。
今回のアルバムでも「これは自分の表現だ」と感じた瞬間がありますか。
KAZUHA:「ANTIFRAGILE」の「忘れないで 私が置いてきた toe shoes」という部分は、メンバーたちも聴いてすぐ「ここはKAZUHAさんのパートだね」と言っていました(笑)。私だけができる振り付けや表現があるということがとても嬉しかったです。そして私たちの話でもあります。他のメンバーたちの話を盛り込んだ「ばかにしないで 私が歩んできたキャリア」という歌詞もありますよね。ですので、歌う時もっと責任感が生まれました。「もっと高く楽しく/私が望んでいた世界の一番上に」という歌詞も、「FEARLESS」の「上がる next one」に続く、「衝撃を受けてもっと高いところに行きたい」という、以前よりもっと強くなったメッセージが込められているようで、気に入りました。
今回のアルバムで、最も共感して「私の話」だと感じたのはどの曲でしたか。
KAZUHA:「Good Parts(when the quality is bad but I am)」です。ミスしても大丈夫という話なんですが、もちろん私もミスをしたらずっと気になってしまいますし、心苦しくはあります。ありのままの自分を受け入れて愛するのはとても難しいことじゃないですか。でもシンプルに考えてみたら、他の人たちは私のミスをそこまで気にしていないのに、自分一人だけ落ち込んでいるのかもしれないと思ったんです。既に過ぎた過去を考えるのに時間を費やすよりは、次はどうしたら良いか、ポジティブに考えるほうがずっと良いと思います。
自分がしたい、聞きたい話が込められた歌をKAZUHAさんの声で自ら歌っているのですね。
KAZUHA:デビュー前からアイドルは「ポジティブな考えを人々に伝える職業」だと思っていました。その仕事を私が自らやっているというのが本当に不思議ですね。今は私がアイドルになってこうして活動していますが、実は私も以前はファンの皆さんと同じ気持ちを持っていましたし、今も同じです。ですので、自分の話を(一方的に)伝えるというよりは、ただ同じ視線で一緒に共感できる歌を歌っているんだと思います。
バレエの動きを活用した振り付けも、本当にKAZUHAさんだけができる表現ですよね。
KAZUHA:グループ・パフォーマンスで私がそういう動きができるというのは、本当に光栄です。今はまだ私がバレエができる時期なので、「できる時にもっと見せよう」という思いでパフォーマンス・ディレクターの方と話して、振り付けにバレエの動きを入れることになりました。
まだバレエに馴染んだ動きが体に染みついていると思いますが、K-POPの振り付けをこなすのは難しくはありませんか。
KAZUHA:バレエをする時は、流れに合わせてやわらかい動きをみせることが重要でしたが、K-POPの振り付けでは、瞬間的に短く強い力を使わなければならないので難しいです。特有の「感じ」を活かすこともです。でも、どちらもそれぞれちがう魅力があって楽しいです。
「ANTIFRAGILE」の振り付けはどうでしたか。ヒップホップのリズムが強いので、拍子を合わせるのが難しかったと思いますが。
KAZUHA:初めて聴いた時は、本当にすごく速くて(笑)、ディテールに気を配る時間もないぐらい、速いリズムの中にある動きを全部しなければならないのがとても難しかったです。「FEARLESS」よりもっと細かく合わせなければならない角度やタイミングがあるので、グループ練習も本当にたくさんしましたし。
最近はどんな部分に重点をおいてパフォーマンスの練習をしようと思っていますか。
KAZUHA:慣れていないやり方のダンスなので、練習し続けないとまた元に戻ってしまうかもしれないじゃないですか。それで練習しながらも、自分の姿が映っている映像を何度も確認します。以前撮った練習映像を今見るととても下手だと感じますが、たぶん数か月後に今の自分の姿を見たら、同じように感じると思います。でも自分を冷静に見てこそ、自分に足りない点がわかるじゃないですか。もちろん大変な時もありますが、「このままもう少しやってみよう」というマインドでずっとやっています。
どうしたらご自身を冷静に見られるのでしょうか。
KAZUHA:自ら冷静に、自分の足りない部分を見つけなければなりません。それでもグループ練習をする時はメンバーたちがずいぶん助けてくれます。一人だったら絶対できなかったと思いますが、メンバーたちと一緒にやるので、私に足りない部分も他のメンバーたちに補ってもらうことができるので嬉しいです。振り付け練習の時間には、メンバー同士で細かい部分まで息を合わせようと本当にたくさん努力して、最終的には5人の動きが正確によく合うパフォーマンスを作ろうとしています。まだずいぶん足りないところはありますが、お互いに助け合いながらできるというのが、グループの強みだと思います。
ドキュメンタリーを見ると、メンバーたちとビデオ通話で初めて挨拶を交わすシーンもありますよね。今改めてそのシーンを見てどんな気持ちでしたか。
KAZUHA:とてもぎこちなかったですね(笑)。あの時は私は韓国語ができなくて、メモに予め書いておいた自己紹介を読んだんですが、準備した自己紹介をちゃんと読んで、自分の気持ちをメンバーたちに伝えるのが一番大きな目標だったので(笑)、とにかく無我夢中でした。実際他のメンバーたちからしたら、それまで本当にたくさん準備してきたのに、私がどこからか急に現れたわけじゃないですか。私という存在を気まずいと感じるかもしれないですし、また私に対して複雑な感情を抱くかもしれないと思ったので、ちょっと慎重になりました。メンバーたちは初めから本当にやさしくて親切に接してくれたんですが、その時は私が韓国語が上手くできないこともあって、私から声をかけるには勇気がなくて、すぐに仲良くなるのは難しかったです。でもある瞬間、私の心の壁がなくなったと感じた時から、メンバーたちが本当に楽に感じられました。メンバーたちはいつも変わらない姿でよく接してくれましたし、私が自らその壁を越えることができたのが大きかったですね。
どうやってその壁を越えることができたのですか。
KAZUHA:オリジナル・コンテンツを撮る時、私がミスをしても、メンバーたちがそれをおもしろい状況に仕立ててくれて、愉快なやり方で受け入れてくれたのがありがたかったです。それでいつもグループの雰囲気が良いですし、一緒に活動する過程でお互い新たに発見する部分もありました。これからメンバーたちともっと仲良くなって、家族を超える、そんな関係になると思います。それほど私たちのケミストリーは良くなり続けているんじゃないでしょうか(笑)。お互い衝突することがあるかもしれませんが、そんな瞬間も経験しながら、私たちグループはもっと強くなると思います。「FEARLESS」の活動の時もそうでしたし、今回のカムバックの準備をする時も、メンバーみんなが同じ気持ちを持っているということが感じられました。そんなお互いの気持ちを感じるたびに、本当に家族のようなグループだなと思います。
「Good Parts(when the quality is bad but I am)」の歌詞のように、ミスしても大丈夫でいられる理由ですね。
KAZUHA:はい、そういう雰囲気が作られたということがとても良かったです。最初私はただ一生懸命ついていきながら、自分の目の前にある、しなくてはならないことを一つ一つするのに忙しかったんです。それでも経験が積み重なっていって、「FEARLESS」の最後のテレビ出演の時は特別なステージをしたくて、一緒にアイデアを出して考えたりもしました。スーツを着て、振り付けも少し変えて、ジャケットの中にハートをつけるイベントもしましたし。とても楽しかったんですが、メンバーたちも私と同じ楽しさを感じているのが見えて、もっと胸がいっぱいで嬉しかったです。
「FEARLESS」の活動をしていて、一番印象深かったステージはいつでしたか。
KAZUHA:事前収録を予めしておいたら、生放送の時は収録をしないで、FEARNOTの皆さんの前で1番だけ歌うステージができるんです。カメラを見なくてもいいので、イヤモニも外してFEARNOTの皆さんの顔を見ながらステージをしたことがあるんですが、本当に私たちを応援してくださる気持ちが伝わってきました。普段はカメラを見ているから感じられなかった、ステージの上での楽しさを感じられました。
先日延世大学の学園祭「AKARAKA」のステージにも立ちましたね。初めての大学祭のステージはどうでしたか。
KAZUHA:観客の方々とあんなに近くでステージをするのは初めてだったので、夢を見ているような気分でした。それから、みんなで一緒にステージを楽しむ雰囲気がとても良かったです。次は私もメンバーたちのように、観客の皆さんともっと積極的にコミュニケーションできたら良いなと思いました。大学祭のステージは初めてだったので、そんなふうにファンサービスをしても良いのかわからなかったんです(笑)。「Sour Grapes」を歌う時、観客の方々がライトも点けてくださって、「私もついにこの光景を見られる日が来たんだ!」と思いました。本当に実感が湧かなかったですし、そうやって私たちのステージを楽しんでくださる方々がたくさんいるというのが本当に幸せでした。
観客の方々からもらうパワーが、KAZUHAさんがこの仕事をする一番大きな理由だと言えるでしょうか。
KAZUHA:はい! バレエをしている時も同じでした。観客の方々がステージを観て喜んでくださり、楽しんでくださる、その雰囲気が好きです。ステージの上での時間が本当に夢のようで、観客の方々の前で公演をするととても楽しいです。だからこそ、練習している時よりもっと集中してできるんだと思います。
活動をしていると、つらかったり疲れる瞬間もあると思いますが、また起き上がれる勇気をどこから得ているのですか。
KAZUHA:もっと成長し続けたいという気持ちです。いつも応援してくださるFEARNOTの皆さんのことを考えると、「今止まることはできない」と思います。デビュー前は「私のことを好きになってくれる方々がいるのかな」と思っていたんですが、いざ活動を始めてステージに立ってみたら、LE SSERAFIMを好きでいてくださる方々が本当にたくさんいらしたんです。デビュー・ショーケースで初めてアイドルとしてステージに立って見た光景が、たくさんの人たちがものすごく期待のこもった表情で私たちを見つめている姿でした。そうやって私たちに向けた期待を感じるたびに、それを超えたいと思います。
ファンの存在がKAZUHAさんにとって既に大きな意味となったようですね。
KAZUHA:私は関係をずっと維持しながら一緒に成長する、「ファンとアイドルの文化」が好きです。ファンの方々に「FEARNOT」という名前がついた時も、本当に「家」みたいだと感じました。私たちを応援してくださる方々がそばにいつもいると思うと、安定感を感じるんです。「FEARLESS」を聴いて元気が出たとか、運動をする時「FEARLESS」を聴くというFEARNOTの皆さんの話を聞くと、私たちの音楽でたくさんの方々に少しでもパワーを与えられたように思えてとても幸せです。
「ANTIFRAGILE」の核心となるあの振り付けのように、KAZUHAさんはステージでパワーを与えるヒーローですね。
KAZUHA:はい(笑)。私も他のステージを観るたびに、心の中から湧き上がるエネルギーを感じます。子どもの頃ステージに立ったアーティストの方々を見て、私もすてきなアーティストになりたいと感じていたように、私がステージに立った姿を見る方々もそんな気持ちを感じてくれたら嬉しいです。
Weverse Shop
2nd Mini Album ‘ANTIFRAGILE’
Credit
文. ソン・フリョン
インタビュー. ソン・フリョン
ビジュアルディレクター. チョン・ユリム
プロジェクトマネジメント. イ・イェジン
ビジュアルクリエイティブチーム. キム・ソンヒョン、ガブリエル、チョ・ユンギョン、キム・ユジュ、ペク・ユビン、ムン・ソンウン(SOURCE MISIC)
写真. モク・ジョンウク/Assist.パン・ギュヒョン、チャン・ジョンウ、イ・ジュンミョン
ヘア. ハ・ミン、オ・ユミ(BIT&BOOT)
メイク. チェ・スジ、キム・ミンジ(BIT&BOOT)
スタイリスト. ホン・ハリ/Assist.チョ・スビン、パク・ジュギョン(Punksnotdead)
セットデザイン. チェ・ソユン、ソン・イェヒ、キム・アヨン(Da;rak)
アーティストマネージャーチーム. キム・アリ、ソン・ナヨン、シン・グァンジェ、イ・ウンジュ、イ・ヒョヨル
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無断転載及び再配布禁止
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