「ジェスビー」の愉快なデビュー挑戦記
パク・スミン:『文明特急(MMTG)』のプロジェクトシリーズ『華麗なるジェスビー(Great Jaessbee)』は、ジェジェ(JAEJAE)、スンホンス(SeungHeon)、ガビ(GABEE)が「ジェスビー(Jaessbee)」という一つのユニットとしてデビューするまでの過程を収める。「男女混合グループとしてデビューします。300万ウォンで」という予告編のタイトルからも分かるように、制作予算の300万ウォンは、3人からしても苦笑いが出てしまうほど少ない金額だが、その予算内で音源制作やミュージックビデオの撮影など、全てを自分たちの手で解決せざるをえない状況であるにもかかわらず、彼らは楽しみながら夢中になってデビューに向かって突き進む。ダンサーとして数多くのステージ経験があるガビだが、主人公としてステージに立った経験は全くなく、「自信」をつけるために野球の応援団でセンターに立ってステージマナーを学び、スンホンスは生まれながらの才能と歌唱力を緊張せずに披露するために、精神的支柱だった恩師とのメンタルトレーニングを通じて自らの「臆病さ」を克服していく。その間ジェジェは、チームのリーダーであると同時に『MMTG 文明特急』のPDとして、メンバーに欠けている部分を補えるよう様々な場を提供し、現役アイドルであるチョンハ(CHUNG HA)、少女時代のテヨン(TAEYEON)にオファーをかけてトレーニングや助言を求めるなど、まるでプロデューサーのようにチームを引っ張っていく。このように、個人の弱点を克服する成長のプロセスと、個性が際立つ彼らがチームとして何とか足並みを揃えて進む過程を愉快に収めることは、それ自体が「ジェスビー」の物語になる。
「ジェスビー」として最初のミッションは、槐山(クェサン)唐辛子祭りと秋風嶺(チュプンニョン)歌謡祭のステージに立つことだ。地域の祭りのステージ出演料で足りない制作費を補うというのが当初の目的だったが、「私たちが楽しむためにするんだよ」というジェジェのひと言で始まったプロジェクトが、「もう一度だけ(練習)しよう。もう一度だけ」というガビの言葉に表れるように、何度も練習を重ねている分、そのステージも期待できそうだ。もちろん上手くやりこなすだろうが、完璧なステージでなくても大丈夫だ。「どうにかやり遂げる」という別名「クイーンのマインド」から来る情熱で、全員が本気で準備したその過程を知っているからだ。毎週日曜の12時に新たなエピソードが公開されるので、彼らが本気で進むこのデビューの旅路を応援する気持ちで、一緒に追いかけよう。
『This Is How Tomorrow Moves』 - Beabadoobee
ランディ・ソ(ポピュラー音楽解説者):この8月、イギリスのZ世代(Gen Z)のミューズでありミレニアム世代を「懐かしいあの頃」に連れていってくれる若きシンガーソングライター、ビーバドゥービー(beabadoobee)のニューアルバム『This Is How Tomorrow Moves』がリリースされた。10代の頃からTikTokなどのSNSではすでにスターだったが、テイラー・スウィフトの〈エラスツアー(THE ERAS TOUR)〉のオープニングアクトとして世界の大都市を渡り歩いてから、大型アーティストへとレベルを上げつつある印象だ。長期にわたって曲制作のタッグを組んできたジェイコブ・バグデン(Jacob Bugden)に加え、伝説的なプロデューサーのリック・ルービン(Rick Rubin)が加わり、より安定感のあるロックアルバムが完成した。いつものように全曲ビーバドゥービー自身の作詞・作曲である。
彼女の声からまず聴こえてくる特徴は、自然さとあどけなさだ。これらがパーソナルな歌詞と調和して、特有の少女性を表現している。今では20代半ばになり、前作に比べて歌詞観も成熟を見せているが、私にとっては依然として少女のようだ。ここで重要なのは、「一人称の少女」だという点である。ポップ産業界はいつでも「少女」を対象化したがるが、自分のストーリーを歌いながら、その道具として2000年代のグランジの影響を受けたポップロックを取り入れるアーティストは、煩わしい対象化の視線によって見つかる前に、他の少女、同時代の少女、あるいは自身の少女時代を記憶し、そのスペクトラムの上にいるミレニアルの女性たちに目配せをする。
卓越したメロディー感覚により、どのトラックを聴いても引っかかることがない。誰かに贈るのにも最適なアルバムだ。
『死者の結婚式』 - ジェイミー・リン・ヘンドリックス
キム・ボクスン(作家):トレバーは人間のクズのような奴だ。幸いなことに、もう死んでいるが。ご心配なく。これはネタバレではない。小説『死者の結婚式(原題:It Could Be Anyone)』で作家ジェイミー・リン・ヘンドリックス(Jaime Lynn Hendricks)は、最初の章でこれら全てを知らせてから物語を始めるからだ(正確に言えば、作家ではなくトレバーの殺人者がその事実を知らせてくれるのだが、視点については後述することにしよう)。トレバーは自らの結婚式で死ぬ。新婦フィオナの5人の親友にとっては、むしろ幸いなことだった。この世を去った新郎は、真の意図を隠して結婚し、フィオナ一家の一員になるために5人の友人らを脅迫していたのだ。トレバーはセキュリティーガードとして働きながら得たスパイ顔負けの技術を活用して彼らの弱点を突き止め、フィオナの前で自分が実はおぞましい人間だという事実を漏らせないようにしてきたのだ。
ここから物語は、5人の友人の視点を一つずつ順に追っていき、逆転に次ぐ逆転、回想や謎かけのような暴露によって物語の断片を一つ、また一つと埋めていく。視点の転換によって、トレバーが作中そのような目に遭って当然な人間であったとはいえ、5人の友人エマ、アリー、イーサン、ダッチ、ビージェイもまた、さほど褒められた人間ではないということが明らかになる。振り返ってみると、彼らがそれほど簡単に脅されるほどのことをしているという事実がすでに手がかりだったかもしれない。
実際、最後のどんでん返しが少し期待外れではあった。しかしこの小説の魅力は、結末よりもその旅路にある。出てくる登場人物たちはよい人間ではないが、間違いなく読む楽しさを与えてくれる。結末もそこまで驚くようなものではないが、その過程で出てくる逆転の数々は悪魔のようにスリリングだ。正直に言うと、犯人についての自分の予想が外れたことが少し悔しかったのかもしれない。
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