
「Poet | Artist」 - SHINee
ナ・ウォニョン(ポピュラー音楽批評家):「Poet | Artist」でSHINeeに可能になった「詩的許容」とは何だろうか。不在の人の声を現存させる魔法が1世紀前からレコーディング技術のおかげで「許容」されていたのなら、JONGHYUNが生前にガイドとして残した声がブリッジで口ずさみながら登場するソロ区間は、もともと可能だった詩的許容を実に久々に具現化したものに近い。(なにせ、SHINeeのJONGHYUNを偲んでいた我々は、「Lock You Down」でも彼が残した言葉をまた聴くことができたから。)むしろ「Poet | Artist」での詩的許容は、JONGHYUNの声が聴こえていない時に行われる。レコーディング・ビハインド映像で4人のメンバーがいたずらに愚痴をこぼしたように、この曲におけるJONGHYUNの存在感は彼の懐かしい声だけでなく、音響にも詰まっている。同名の2ndフルバルバムの収録曲のように、洗練された感じできらめく電子音、そこでよろめくように押して引くリズム、そのグルーヴに合わせて音節をしっかり押さえたり流したりする語感、マックスウェルからZion.Tまで彼の愛したR&B歌手に似た歌い方まで。「Poet | Artist」は、そうしてJONGHYUNが自身の存在感を随所に出す曲だ。そしてSHINeeの「詩的許容」は、そんなJONGHYUNの音楽を成立させる多様な構成要素を取り入れることで行われる。
SHINeeの4thアルバムを始める「Odd Eye」や5thアルバムを始める「PRISM」のように、JONGHYUNがSHINeeの収録曲に作曲として参加する場合があったが、SHINeeのトラックの中で今回ほどJONGHYUNの跡がぎっしり残っている曲はなかっただろう。それぐらいメンバーは、過去に残してもらったガイドに入念に従いつつ、JONGHYUNを構成していたいろんな特徴を改めて自分たちの声に込めて現在に移してくる。最終的にはJONGHYUNの声が前面に出されていない時でも、音の組み立ての隙間からなぜか彼が聴こえてきそうな、もう一つの魔法が繰り広げられるようになる。これによってJONGHYUNがSHINeeのために書いた曲「Poet | Artist」は、ついにSHINeeがJONGHYUNのために歌う曲になり、過去と現在、そして存在と不在の堺を越えて「僕に反応する 君に反応する」という歌詞の通り、彼らがお互いにお互いを許容する曲になる。実のところ、「壁なんてない 僕たちの間には/人の目にどう映ろうが」とも歌う通り、SHINeeという名前を構成する彼らは、すでにお互いに青い星の光のように染まっていた。「Poet | Artist」はその事実を我々に事新しく、かつ胸いっぱいに改めて教えてくれるだけだ。

『あの星に君がいる』 (Netflix)
ペ・ドンミ(『シネ21』記者):宇宙飛行士のナニョン(韓国語吹き替え版声優:俳優キム・テリ)は、火星から帰らぬ宇宙飛行士となった母の跡を継いで火星に向かうことを希望するも、思いがけず韓国に帰ってくることになる。ナニョンは宇宙船に搭乗するために研究を続ける中、母の遺品であるレコードプレーヤーを直そうと鐘路一帯を歩き回っていたところ、アナログ機械を修理する青年ジェイ(韓国語吹き替え版声優:俳優ホン・ギョン)とぶつかる。急速にキャラクター間の距離を縮めた映画は、2人の距離が離れては徐々に近づいていく過程を繊細に描く。ナニョンとジェイはレコードプレーヤーを直すために一緒に部品を探し回り、ふと手が触れ合い、一緒に食事をしながら呼び方を整理し、予想しなかった雨で一つの傘に入ることになる。
ところが、別れの瞬間がやってくる。母の影を一生追ってきたナニョンは、劇的に火星行きの宇宙船に搭乗するきっかけを作り、ジェイも心の中の夢だったミュージシャンとしてデビューする機会を得る。2人は心が冷めてもいないときからそれぞれの目的を目指して離れてしまう。しかも地球と火星。お互いの存在を知らなかったときより遥か遠く。逆説的な点は、距離が離れていけばいくほど2人の愛がさらに強烈に感じられるという事実だ。誰かと距離を置いてこそ鮮明に認識できるものがあり、それと離れてこそ落ち着いて自分の中から微かに聞こえてくる声があるように。
街で偶然出会った男女に芽生えた愛、地球と宇宙と記憶という時空を超えた異質なイメージの和、起源のわからない抽象的イメージの氾濫。これらすべてが淀みなく流れるハン・ジウォン監督のアニメーション映画『あの星に君がいる』は、あなたを予想しなかった場所に連れていってくれるだろう。ストーリーを複雑にひねらなくても、十分深い感情を伝えられるのが映画というメディアだという事実を、この作品は証明する。映画を発明したリュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』がそうだったように、映画はいつも非現実的で、驚くべき芸術だ。『あの星に君がいる』は、現代的ストリーミングサービスのNetflixから公開されたデジタル映画であるにもかかわらず、初期の映画のような情動を届けてくれる。特に、ナニョンが火星で酸素濃度が落ちていくときに見えてくる幻想的で美しいイメージの連続は、2人の愛を特別な形で高揚させる。初期の映画が何も言わずに人々を驚かせ、感動させたように、ただイメージの力だけで。
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