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『ストリート・レストラン・ファイター』が問う商いの本質
今週のバラエティー、音楽、図書
Credit
チョン・ダナ、カン・イルグォン(音楽評論家)、キム・ボクスン(作家)
デザインMHTL
写真tvN

『ストリート・レストラン・ファイター』(tvN)
チョン・ダナ:
「これまで使ってきた店の名前は捨ててください。新しい看板が皆さんの名前になります」。シェフとしての知名度、有名番組への出演歴、人気のフードブランド代表といった肩書きは、『ストリート・レストラン・ファイター』では通用しない。あらゆる挑戦者が「売上」ひとつで自分の力を証明しなければならない。新たな屋号、看板、メニュー、インテリア、さらには立地の選択まで自ら手掛ける挑戦者たちに与えられるのは、30万ウォンの材料費と自分自身の実力、そして共に店を切り盛りするオープニングメンバー1人のみだ。

ルールはいたってシンプルだ。限られた時間と予算の中で、最大限の満足を引き出すこと。世宗(セジョン)市の官公庁街で行われた「100万ウォン売上レース」のブラインドミッションで、挑戦者たちは、早く、コスパよく、それでいて美味しい昼食を求める会社員らの心をつかまなければならない。「このエリアで何をすれば通用するのか? それはお客さんたちが判断してくれる」というイ・ヨンボクの言葉通り、財布を開いて、売上という成績表を渡す審査員は客だけだ。その過程で、料理は芸術ではなく戦略の領域になる。プロのシェフではないという理由で最弱参加者として名指しされたホン・ソクチョンは、公務員には女性が多いという点に着目し、「甘エビとアボカドのタルタル」で売上を伸ばす。フレンチの巨匠イム・ギハクは、会社員の昼休みが限られていることを考慮し、あらかじめ用意した食材にソースをかけて提供する「クッパ式システム」でフレンチのコースを準備。6分以内に料理を提供して、上位に食い込む。洋食界で世界的なキャリアを持つエドワード・クォンが、30万ウォンでコース料理を作るのではなく、美味しく、コスパがよく、すぐに食べられる中華風甘辛チキン丼とエビチリを選んだことに、この企画の本質が凝縮されている。人々の欲望と現実、その両方を見据えることのできる店だけが生き残る。商圏を見抜く分析力、大衆の心理を捉えるセンス、そして、危機を前にして正解を探し出す執念。そのすべてを備えた店だけが客に選ばれるのだ。これこそが商いの本質だ。

Michael Jackson - 「Thriller」
カン・イルグォン(音楽評論家):
先日、マイケル・ジャクソンが1982年にリリースしたアルバム『Thriller』が、ビルボードR&Bアルバムチャートで首位に立った。それだけではない。収録曲の「Billie Jean」もまた、R&Bストリーミングソングチャートで1位を記録した。このように、40年以上にわたって音楽市場に存在してきた名盤が、最新アルバムと肩を並べてチャートで競い合う光景は、ストリーミング時代だからこそ可能になったものだろう。プラットフォームで重要なのは、リリースされた時期よりも再生ボタンだからだ。

今回のリバイバルヒットのきっかけは、はっきりしている。マイケル・ジャクソンの人生を描いた映画が公開され、映画館を出た観客たちは自然と音楽アプリを開き、彼の音楽を再び聴き始めた。今、『Thriller』を聴いている人の多くは、1982年をリアルタイムで経験していない世代だろう。マイケル・ジャクソンの全盛期を見ながら育った世代とは違い、彼らにとって『Thriller』は、親世代のノスタルジーが漂う懐かしのアルバムではない。映画を通して出会った新しい音楽、あるいは再発見した音楽に近い。

もちろん、偉大なる「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソンが生み出した傑作だからこそ、この現象が可能になった。映画がきっかけを作ったのは確かだが、リリースから数十年が経った今なお、人々に再生ボタンを押させる力は、結局のところ『Thriller』という作品そのものにある。『Thriller』がポップソング史上最高のアルバムの一つと呼ばれるのには、様々な要素がある。

巨匠クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)とのコラボレーション、7,000万枚という驚異的なセールス、R&Bのグルーヴ、ポップの大衆性、ファンクのリズム、ロックのエネルギー、ディスコの余韻を絶妙に融合させたサウンド。象徴的なベースラインと、歴史に残るダンスパフォーマンス「ムーンウォーク」で知られる「Billie Jean」。ホラームービーとミュージカル、緻密なコレオグラフィーを組み合わせた画期的なミュージックビデオ、その他諸々。このアルバムの成功によって、マイケルは黒人アーティストとして前例のない文化的影響力を確立し、熱狂的なファンダム現象を巻き起こした。

多くの名盤は一つの時代を代表するものだ。しかし『Thriller』は、音楽を超えて、パフォーマンス、ファッション、映像、マーケティング、さらには「ポップスター」という概念そのものを塗り替えた作品だった。だからこそ、『Thriller』は過去の栄光として残るだけのアルバムではない。世代が変わるたび、新たなリスナーに「名盤とは何か」を改めて証明する、生きた基準として今なお健在なのだ。

エリザベス・マッケンジー - 『北方の犬』
キム・ボクスン(作家):
エリザベス・マッケンジーの小説『北方の犬』は、私たちが一般的に思い浮かべるロードトリップ小説とはやや趣が異なる。主人公ペニーにとって、家族という世界はすでに闇を孕んだ場所だ。数年前、オーストラリアの奥地で痕跡もなく姿を消した母と継父。その記憶を抱えたまま続けてきたペニーの結婚生活にも様々な暗雲が立ち込め、ついに彼女は旅に出る。かつては名を知られた博士だったという年老いた親戚と、ペニーと同じようにそれぞれに問題を抱えて生きる家族たちを助けるためだ。ペニーは何度となく自分自身を疑うが、その一方では、逃避主義的とも言えるほど楽観的な人物でもある。そんなペニーが、小説のタイトルにもなっている「北方の犬」と名づけたバンに乗り、風変わりな冒険を始める。その旅の中で、私たち読者は個性あふれる登場人物と次々に出会う。その大半はペニーの家族であり、その多くが高齢で、ほぼ全員がそれぞれに精神的な亀裂を抱えて生きている。作家エリザベス・マッケンジーは、主人公ペニーを延々と「玉突き事故」に遭わせるかのように、悲劇的ながらも、どこか滑稽で荒唐無稽な状況を次々と与えていく。これほど奇想天外な物語と立体的な人物たちを同時に動かしていくのは、決して簡単なことではないだろう。しかしマッケンジーの手にかかれば、その込み入った要素さえ軽やかに整理され、読者はさほど身構えることなく、物語に身を任せることができるのだ。

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