
FEATURE
STAYCから見る最近の「K-TEEN」
Star To A Young Culture
2021.11.01
Credit
文. オ・ミンジ
写真. Highup Entertainment
STAYCは「STEREOTYPE」のステージを通して、プレッピー・ルックを連想させるチェック柄のコーディネートやヘアバンド、ヘアピンなどを着用したスクール・ルックなど、2000年代序盤のハイティーンものの雰囲気を作り出した。STAYCの所属事務所High Up Entertainmentプロダクションチームのイ・スハ代理は、「YOONの場合は二次元キャラクターみたいだとよく言われるので、もっとY2Kファッションに近く、細くて長い手脚を強調できるノースリーブと、首や手にボールドなアクセサリーをマッチさせる一方で、Jは現代的な雰囲気が出るよう正反対に少し崩したりベストを着用」させるなど、「メンバーごとにストーリーラインに合う学生のコンセプトやキャラクターを一つずつ」持たせるよう、ステージ衣装を構成したと説明する。「Y2Kファッション」は、個性のある颯爽としたキャラクターを持つその時代のハイティーンものの主人公を連想させる、最近のファッショントレンドの一つだ。「K-ハイティーン」のイメージを掲げるSTAYCは、「STEREOTYPE」の衣装を通して10〜20代の好奇心を満足させるファッションを、その時代のハイティーンもののドラマや映画の主人公のように、メンバーごとに各自のキャラクター性を表現する手段として持ってきた。
イ・スハ代理はSTAYCのそのようなスタイリングが、「『私』から始まる主体性をベースに、自分の個性と価値観を表現しようとし、誰よりも多様性を尊重する姿を見せるために」選択した結果だと話す。YOONはSTAYCとして活動しながら、トゥインクルカラー・メッシュ、ハイライト、長靴下のピッピ・スタイル、お団子ヘア、3段に染めたスタイルなど、いわゆるゲームのキャラクターのようにさまざまなヘアスタイルにチャレンジした。YOONによれば、その過程からが自分のスタイルを探す過程だった。「不安もあったし、楽しくもありました。何と言ってもチャレンジしたことがないスタイルなので、『私がちゃんとこなせるかな?』と思う時もあり、また『私によく合いそう!』だと思う時もあります」。自分の個性を見つけることと他人が自分に対して示す評判の間の選択。STAYCの中でYOONが最も個性を目立たせるスタイリングを披露しているとしたら、他のメンバーたちは自分の特徴をそのまま見せている。例えば、ISAの一列に並んだホクロやJの頬の上のホクロは、コンシーラーで隠さずにそのまま見えるようにした。はっきりとしたアイホールと各自異なる目元がキャラクターのように見えるよう、線の本数や色も変えたりした。
イ・スハ代理はSTAYCのそのようなスタイリングが、「『私』から始まる主体性をベースに、自分の個性と価値観を表現しようとし、誰よりも多様性を尊重する姿を見せるために」選択した結果だと話す。YOONはSTAYCとして活動しながら、トゥインクルカラー・メッシュ、ハイライト、長靴下のピッピ・スタイル、お団子ヘア、3段に染めたスタイルなど、いわゆるゲームのキャラクターのようにさまざまなヘアスタイルにチャレンジした。YOONによれば、その過程からが自分のスタイルを探す過程だった。「不安もあったし、楽しくもありました。何と言ってもチャレンジしたことがないスタイルなので、『私がちゃんとこなせるかな?』と思う時もあり、また『私によく合いそう!』だと思う時もあります」。自分の個性を見つけることと他人が自分に対して示す評判の間の選択。STAYCの中でYOONが最も個性を目立たせるスタイリングを披露しているとしたら、他のメンバーたちは自分の特徴をそのまま見せている。例えば、ISAの一列に並んだホクロやJの頬の上のホクロは、コンシーラーで隠さずにそのまま見えるようにした。はっきりとしたアイホールと各自異なる目元がキャラクターのように見えるよう、線の本数や色も変えたりした。
STAYCのアルバムの構成品は、自分と他者、また個性を目立たせることと他者に対する抱擁性に注目したSTAYCの方向性を、より具体的に表している。High Up Entertainmentマーケティングチームのチョン・ヒラ氏は、毎回のアルバムに付けられた試香紙について、「コロナによってすぐにはお互い会うことができないので、香りでSTAYCをずっと覚えていてくれたら嬉しいという気持ちと、聴覚的な要素でのみSTAYCに接している視覚障害者の方たちも、香りを通してSTAYCだけのカラーをもっとよく感じられるように」と願う気持ちで作ることになったと明らかにしている。試香紙は「STAYC SCENT(STAYCの香り)」という点字を打ち、触覚で物を判別しなければならない状況の中で簡単に区別できるようにした。またアルバム『STEREOTYPE』は、スクラッチカードでモノクロ/カラー、目を閉じたり/開けている姿、正面/横向きなど、二種類のイメージを一枚のカードに盛り込み、スクラッチくじのように写真を削って思い通りにカスタムしたり、フォトカードケースを装飾するセットで自分の好みに合わせてフォトカード(以下ポカ)やケースを飾ったりすることができる。High Up Entertainmentマーケティングチームのパク・ジヘ氏はこれを、「メンバーたちの好きな食べ物の写真や誕生日イベントのカフェにファン同士で行って写真を撮る時、自分の好みに合わせて、またはイメージに合わせてデコったポカを持って撮る現在のアイドル文化」に着眼したアイテムだと説明する。ファンたちはパッケージの開封映像を「ファンチューブ(ファンが運営するYouTubeチャンネル)」にアップしたり、自分たちが装飾したカードケース、またはポカをTwitterで共有する。アルバムの構成品を通して、自分の好みを公開したり、他の人のものも見ることができる。STAYCのアルバムは、より多様な立場にある人々がよりたくさんそのような楽しみを味わえるように作っている。
自分の個性を強調するスタイリングと多様性を考えるアルバム構成の内容の結びつきは、STAYCが見せる同時代性だ。STAYCの曲「ASAP」のポイントダンス「ふみふみダンス」を踊るTikTokチャレンジは、3,460万回(「ASAP_challenge」約2,390万回、「ASAPCHALLENGE」約1,070万回)以上バイラルした。SIEUNはTikTokチャレンジが「単純に楽しむだけでなく、他のアーティストたちと一緒にポイントダンスを踊ったり、同じ歌にいろいろなバージョンで変化をつけて動画を撮ったりするなど、現在活動中の曲を感じる楽しみを二倍、三倍に増幅する効果があると思う」と話す。高校在学中のJも、「教室でノートの代わりにノートパソコンやiPadを使う友だちもたくさんいて、休み時間にTikTokで遊んだりVlog形式で自分の動画をYouTubeにアップしたりする友だちもたくさんいる」と、デジタルに馴染んでいる友人たちの様子を語る。それくらいSTAYCは、自身を表現し、それを多くの人たちに公開することが自然である、デジタル・ネイティブ世代だ。しかしこの世代は、自分が他者と異なる個性があるということばかりを強調するわけではない。むしろ他者の視線の中で生きていくからこそ、ともに生きていくための課題について関心を持つ場合も多い。例えばSTAYCは、「STAYC challenge」を通して健康食やゴミの削減など、環境運動にチャレンジしている。ISAは健康食の一環として「ヴィーガン食」を紹介し、ネットで検索してヴィーガンの定義や近所のヴィーガン・ベーカリーを訪ねて好きなメニューを紹介している。ISAは「私も数年前までは菜食やヴィーガンは遠く難しく感じられたのですが、良い趣旨でヴィーガンを目指す人たちが増えているので、私も気になってチャレンジしてみました。直接経験してみたら、環境に良い点も多くて、何より自分の体が健康になる感じがしたので、皆さんも一緒に健康になったらという気持ちで、いろいろなメディアを通じてヴィーガンを身近に感じてもらえるよう努力しました」と、コンテンツの意図を説明した。
「ゴミ削減」チャレンジは、その後YouTubeチャンネル『文明特急 – MMTG』で竹の歯ブラシやタンブラーの使用を紹介する姿と繋がり、持続可能な、そして持続中の環境運動であることを明かしている。『文明特急 – MMTG』でSEEUNは、見せかけだけではないのかといういたずらっぽい質問に、「(環境のためには、見せかけだけだとしても)そういうことを見せないと」と答えた。それについてSEEUNは「最近は使い捨てのものの代わりに使える代替品が増えていますが、関心が高くなかったらあまり知りません。だから私たちが使用する姿を見せて広めていって、少しでも健康な環境を作りたかったんです」と、答えの意味を明かした。ゼロ・ウェイスト、ゼロ・プラスティック、勇気を出してチャレンジ、ヴィーガニズムなど、環境運動と倫理的消費は、ずいぶん前からさまざまな社会的問題を解決するための方法として提示されてきたものだ。しかしSTAYCのように、自分の個性を目立たせるアイドルとそのような社会的実践が結びつくと、それはZ世代とも呼ばれる最近の10〜20代の一面を見せてくれる。自己表現が重要で、それをSNSで見せることも上手だ。一方、だからこそSNSの反応も重要で、世の中のさまざまな課題のうち自分が重要だと思うことに関心を見せたりもする。その流れで見ると、STAYCが最近発表した『STEREOTYPE』が伝えようとすることは明確に見える。アルバムのプレビュー映像でメンバーの一部は顔さえ映らず、最後にはドレスを着たメンバーたちがカメラを背にして前に走っていく。そしてタイトル曲「STEREOTYPE」(原題「色眼鏡」)の歌詞には、まだ「見かけは華やかでも怖い」状態であっても、他の人の「色眼鏡」のような視線を意識せずに行動しようと歌う。自分の個性と他者の多様性に対する尊重が、結局自身がもつ多様な姿をありのままに受け入れてほしいということにまでつながる。ただ単に自分はちがうということを超えて、私たちは皆ちがうと言えること。STAYCは、身近でささいなことのように見えるが、異なるやり方で今のアイドルのアイデンティティを築いていっている。
「ゴミ削減」チャレンジは、その後YouTubeチャンネル『文明特急 – MMTG』で竹の歯ブラシやタンブラーの使用を紹介する姿と繋がり、持続可能な、そして持続中の環境運動であることを明かしている。『文明特急 – MMTG』でSEEUNは、見せかけだけではないのかといういたずらっぽい質問に、「(環境のためには、見せかけだけだとしても)そういうことを見せないと」と答えた。それについてSEEUNは「最近は使い捨てのものの代わりに使える代替品が増えていますが、関心が高くなかったらあまり知りません。だから私たちが使用する姿を見せて広めていって、少しでも健康な環境を作りたかったんです」と、答えの意味を明かした。ゼロ・ウェイスト、ゼロ・プラスティック、勇気を出してチャレンジ、ヴィーガニズムなど、環境運動と倫理的消費は、ずいぶん前からさまざまな社会的問題を解決するための方法として提示されてきたものだ。しかしSTAYCのように、自分の個性を目立たせるアイドルとそのような社会的実践が結びつくと、それはZ世代とも呼ばれる最近の10〜20代の一面を見せてくれる。自己表現が重要で、それをSNSで見せることも上手だ。一方、だからこそSNSの反応も重要で、世の中のさまざまな課題のうち自分が重要だと思うことに関心を見せたりもする。その流れで見ると、STAYCが最近発表した『STEREOTYPE』が伝えようとすることは明確に見える。アルバムのプレビュー映像でメンバーの一部は顔さえ映らず、最後にはドレスを着たメンバーたちがカメラを背にして前に走っていく。そしてタイトル曲「STEREOTYPE」(原題「色眼鏡」)の歌詞には、まだ「見かけは華やかでも怖い」状態であっても、他の人の「色眼鏡」のような視線を意識せずに行動しようと歌う。自分の個性と他者の多様性に対する尊重が、結局自身がもつ多様な姿をありのままに受け入れてほしいということにまでつながる。ただ単に自分はちがうということを超えて、私たちは皆ちがうと言えること。STAYCは、身近でささいなことのように見えるが、異なるやり方で今のアイドルのアイデンティティを築いていっている。
STAYCのメンバーたちが努力を強調するのは、この同時代性を持ったアイドルグループが持つ自然な態度のように見える。YouTubeチャンネル『1theK Originals』の「アイドル登板」で、YOONは「実力派を努力派に変えて」ほしいと要求しながら、自身の音楽的成果は努力によるものであることを強調し、ライブ公演の時、音程が合っていなければ練習をしていないというのはその通りだが、音を外すのは一生懸命やっていても起きることだと言い、「私たちはみんな歌が上手です」と、実力と努力を並列させてもいる。SUMINは自分たちが目標を達成する過程について尋ねられると、「私たちが自分に自信があると同時に、また本人に足りない点や改善したい点がはっきりしているからだと思います。だからいつも実力向上と自分が満足するために努力しています」と説明している。SEEUNは、「私たちを見る方たちも、自信を持ち、堂々としてほしいので、そういう姿をもっと見せようと思いました」と付け加える。すべての人たちが自分をアピールできる時代に、成功はどんな方法で成し遂げられるかわからない。だからなおさら努力は、その成功に近づける鍵のようにも認識され、自分を証明できる方法のようにも受け止められる。神を意味する「GOD」と「人生」を組み合わせた「ガッセン」という言葉が流行し、自身の目標に到達するために一生懸命生きていく人たちを「ガッセン的生き方」と言うように、STAYCはレコーディング、振り付け、ライブ練習で「ガッセン的生き方」をするわけだ。その結果、アルバム『STEREOTYPE』のハイライト・メドレーはアカペラで構成するなど、彼女たちの実力、または努力がグループの一つのカラーになっている。
YouTube「アイドルの人生:練習生」、「アイドルの人生:最終課題」編でメンバーたちは、練習過程でのスランプやデビュー直前の複雑な感情、ダイエットやコンプレックスなど、さまざまな感情を打ち明けている。ISAは「体がうまくついてこなかったり、気持ちがつらい時、『これさえうまくやれば、私の実力はもっと成長しているだろう』と思い」ながら、その頃を耐え抜いた。デビュー前のつらさや自分の最近の状態について率直に話すこともまた、以前と異なる今のアイドルの特徴でもある。彼女たちが掲げたコンセプトが10代を意味する「TEENAGER」と「FRESH」が合わさった「TEEN FRESH」であることを考えると、そのような姿勢はSTAYCと所属事務所が思う「TEEN」の定義を考えさせる。SIEUNは、「まず私たちが体と心が健康であってこそ、皆さんにもそれを伝えられると思っています。だから普段もメンバー同士ポジティブに考えようと努力して、いつも健康なメンタル管理のためにストレスのコントロールや各自なりの趣味の時間、余暇活動で、日常で楽しさ」を感じようとしていると話す。自分について率直に話し、自身の個性を見つけ、より良くなろうとする生き方を通して、「FRESH」な自分を見せること。STAYCは自分たちとともに成長する、そして自分たちを見て新たな世代を理解しようとする人たちにとって、海に浮かぶブイのようだ。ちがいが間違いにならない社会に皆を導いていき、社会の変化の中、漂流したり停泊したりする人たちに、行くべき方向を知らせるために、新たな時代の流れの上に浮かぶブイ。
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- STAYCのプレイリスト2021.09.27