
『Hyo’s Level Up』(YouTube)
ペク・スンヘ:初めてアップロードした動画の中でHYOYEONは、今後やってみたいこととして2つのことを挙げた。一つは後輩にご飯をおごって友達になること、もう一つは、新しい分野について学んでみることだ。『Hyo’s Level Up(ヒョヨンのレベルアップ)』は、これら2つの目標を着実に実現しようとしている。「よくご飯をおごってくれるヒョヨン先輩」シリーズに出演するゲストは、デビューしたばかりの新人からデビュー10年目のアイドルにまで多岐に渡るが、HYOYEONはキャリアの長さに関係なく誰とでも気さくに会話する。デビュー100日を迎えたばかりのHearts2Heartsがゲストにやって来ると、「母が少女時代の大ファンだった」というIANの言葉に年の差を実感してショックを受ける様子を見せるが、同じ多人数グループであるHearts2Heartsに自身の宿舎生活の経験を話すことで彼女たちの共感を得て、緊張を和らげてみせる。少女時代の曲の振り付けをすべて覚えているHearts2Heartsを見つめるHYOYEONの姿には、後輩愛が溢れている。一方、デビュー14年目のBTOBとのトークでは、当時の楽屋での挨拶文化を思い出しながら、「口うるさい先輩」と「良い先輩」の境界について一緒に頭を悩ませる。キャリアや所属事務所、元からの親交に関係なく、後輩においしいご飯をおごり、悩みを聞いてあげたいという当初の誓いどおりに、HYOYEONは常に笑顔で後輩たちの言葉に耳を傾ける。
後輩の前では友人のように親しみやすく、大人びた先輩としての姿だが、「半日クラス」シリーズでのHYOYEONは、飾らない素直な魅力を見せている。観相クラスでは、逆に「先生の観相を見てあげましょう」と言い、落ち着きはらっていた観相士パク・ソンジュンを戸惑わせ、静かな寺で百八拝をしながらも相変わらずの率直さで僧侶まで笑わせてしまう。しかし、アナウンサーのカン・ジヨンとのスピーチクラスでは、「宇宙の天才」として有名な彼女らしく、可愛い言い間違いをしながらも、トップアイドルとして言葉の重みを感じてきたであろう表現についての悩みと、それを克服しようとする真剣な姿から、彼女の職業意識を垣間見ることができる。また、「社内ダンス王決定戦」編では、自他ともに認める「SMのダンスクイーン」としてプロフェッショナルな振付分析力も披露している。「よくご飯を奢ってくれるヒョヨン先輩」シリーズに出演した多くの後輩たちは、「少女時代を見ながら夢を育んできた」と恥ずかしそうに語るが、18年目のアイドルであるHYOYEONは、いまだに自身のレベルを「高く見積もっても50」だと評価する。これから上げていくレベルがまだ「50」残っているというHYOYEONの宣言どおり、彼女はいつも変わらず「レベルアップ」中だ。自分と同じ道を歩む者たちを導きながら。

『マテリアリスト/Materialists』
ペ・ドンミ(『シネ21』記者):ニューヨーカーのルーシー(ダコタ・ジョンソン)は、結婚相談所「アドア」に勤める優秀なマッチングマネージャーだ。
顧客の外見や経済力、学歴を数値化し、ぴったりの相手をものの見事に引き合わせることで、9組の結婚を成立させてきた。結婚式当日にマリッジブルーで涙ぐむ顧客を説得し、笑顔でバージンロードに立たせるほどの話術も兼ね備えている。しかしルーシー自身は「自発的シングル」だ。皮肉っぽい彼女の口癖は「結婚はビジネス」。顧客を一定の基準にしたがって分類するという点で、自分の職業を「葬儀屋」や「損害鑑定人」に例える。裕福でない家庭で育ったルーシーは、裕福な私募ファンドマネージャーのハリー(ペドロ・パスカル)から好意を示されても、経済的なバックグラウンドが違うため自分に似合わないと決めつけて距離を置こうとする。だが、ハリーと出会った結婚披露宴の会場で、別れた元彼のジョン(クリス・エヴァンス)とも再会し、ルーシーは二人の男性との三角関係に巻き込まれる。一人は知り合ったばかりの裕福なファンドマネージャー、もう一人はかつて心から愛したものの、一緒の未来を描くことは難しい売れない俳優だ。
大都市に暮らす人々の恋愛は、多くのロマコメ映画が扱ってきたテーマだ。セリーヌ・ソン監督は、この長年のテーマを現実的でありつつも斜め上から、そして新鮮に描き出すために、時空を超えた想像力を発揮している。一般的なロマコメ映画が大都市の全景を映す鳥瞰ショットから始まり、魅力的な主人公を映していくのに対し、『マテリアリスト』は時をはるか昔に巻き戻し、先史時代の結婚風景について空想を始める。資本主義が今のように発展していなかった時代、古代の人類はどのようにお互いの気持ちを確かめ合ったのだろうか。セリーヌ・ソン監督は、古代の男性が狩猟や採集に使う道具を作って女性に贈り、花の指輪をはめたのではないかと夢想する。ひょっとすると、太古の昔からホモ・サピエンスは、二つの存在が結ばれる前に道具や花の指輪のような物質的な何かをやり取りしてきたのかもしれない、と考えながら。前作『パスト ライブス/再会』で、人には計算できない長い時間と偶然が重なった「縁」の概念について考察したセリーヌ・ソン監督は、今回はプロポーズと結婚というもう一つの不可解な領域を繊細に掴まえる。結婚という入口の前で足踏みする人々の内面に起きる揺らぎを捉え、まだ歩んだことのない道を進む希望と絶望、期待と不安を同時に描き出しながら。
Apple Musicプレイリスト:Weekend Warriors
ソ・ソンドク(ポピュラー音楽評論家):2025年のキーワードを今のうちに挙げるとすれば、自信を持って「ロックの帰還」だと言っておきたい。ルミネイト(Luminate)による2025年上半期の音楽市場レポートによると、ロックはアメリカ国内ストリーミング基準で人気No.2のジャンルであり、その成長スピードは他のどのジャンルよりも速い。TikTokなどのソーシャルメディアが、クラシックロックのサウンドと若い世代をつなぐ窓口になっているのだ。ゴースト(Ghost)、スリープ・トークン(Sleep Token)、ターンスタイル(Turnstile)といった、伝統的なハードロックの要素に新たな性格を融合させたバンドが大衆的な人気を得て、ビルボードのメインチャートでも意味ある成績を収めている。
Apple Musicのプレイリスト「Weekend Warrior」は、その流れを過去と現在の両方向から捉えている。先日亡くなったオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)を偲び、彼のバンドであるブラック・サバス(Black Sabbath)で幕を開け、1990年代から今まで生きつづけてきたデフトーンズ(Deftones)の新曲を経て、ハードコアパンクからスタイルの拡張を続け、最近ブレイクしているターンスタイル(Turnstile)につながる。ロックというジャンルに馴染みがなくても、いずれ気づくだろう。攻撃性と叙情性は決して相反するものではないのだと。
- 『KWONTTOTTO』と一緒に遊ぼう!2025.08.01
- 時間がかかっても自分のやり方で、『彼氏彼女いない歴=年齢、卒業します』2025.07.25
- 汗で書き進める人間「チェ・ミンホ」2025.07.18